セロー250のリアスイングアームのピボット部には、
上記の写真のように樹脂製ブッシュが左右1こずつ装着されていて、それが軸受になって、
中には金属製の筒状のカラーと、更にその中にシャフトが通っています。
恐らくWR250だと、ベアリングが軸受に使われているはずで、
でもセロー250の場合は、まぁ可もなく不可もなく、という感じでしょうが、ベアリングほどスムーズには動かないだろうという事は想像は出来ます。
で、それに気付いた方々が、社外品のベアリングを組み込んでいらっしゃるわけです。
で、今回はそれを真似っこしようという企画です(笑
ググると分かりますが、この黒い樹脂製ブッシュはけっこうしっかりと装着されていて、指で引っ張ったくらいではビクともしません。
先輩方は壊して新品にする勢いで外したり、
棒を突っ込んで内側から外に押し出したり、皆さん色々やってらっしゃいました。
この樹脂ブッシュはベアリングが動かないように押さえる役目を担ってもらうのに使うそうなので、
ケチな私としては壊さずに外したいと思います。
スイングアームは万力で動かないように固定して作業しました。
スイングアームを挟む際は傷まみれにしたくないので、1cm厚のゴム板を緩衝材に使いました。
先ずは約500度の熱風が出るヒートエアガンで樹脂製ブッシュとその周辺を温めてから、中に細めの金属棒を通してハンマーで叩き、内側から押し出して外しました。
温めた効果があったか分かりませんが、棒をハンマー(車のサイドメンバーが曲がったのをどつく時に使うやつ)で叩いたら、7~8回くらいでブッシュが飛び出してきました。
ピボット部の内側は今回の目的であるベアリングが入るので、押し出す時に使う棒で傷つけたくないのが本音です。
良い子はピボット部の内側は傷つけないよう、樹脂製カラーを壊して新品ブッシュに交換しましょう(笑
さて、過ぎたことは忘れて今回の最大の目的であるベアリングの組み込み作業へ進みましょう。
≪リアスイングアーム用ベアリング≫
型番:HK1816LL/3AS(4個)
ベアリングの個数が4個なのは、左右2個ずつ使うからだそうです。
全部外したスイングアームのピボット部に、片側に2個のベアリングを押し込んで、長さを短くした黒い樹脂製ブッシュで蓋する、という流れになります。
写真のように樹脂製ブッシュの筒の部分をカットして蓋にします。
ベアリングが入った後に、残した蓋部分が何ミリなら入るのかノギスで測る必要があるので、カットは後で行います。
ベアリングはストンと入ってくれるものではないので、圧入する必要があります。
その方法は、例えばソケットレンチのソケット(ベアリングより少しだけ小さい径のもの)をベアリングの上に載せてハンマーでコンコン叩いたり、
ピボットシャフトのような長いネジで締め付けて圧入するとか、ですね。
うちの工場には幸い、4輪用のサスペンションのハブベアリングを圧入できるプレス機があるので、それを使って圧入しました。
入ったあとの画像です。
圧入でベアリングを押さえるのに使ったのは、工場にあったソケットレンチのジョイントです。
ジョイントの直径が見事にベアリングより僅かに小さかったのです。
さぁ、これでほぼ仕上げです。
このようにベアリング(2個)がピボット部にすっかり収まって、しかも少しだけピボット部の面(つら)よりも低くなっています。
しっかりベアリングを圧入し終えると、これくらい低くなります。
というのも、ピボット部の中には、これくらいの深さのところに段差があって、
それ以上はベアリングが入らないようになっているんです。
圧入していくとそこでベアリングが止まります。
この少しだけ低いのが何ミリ低いのかをノギスで測って、その分だけ残して樹脂製ブッシュをカットします。
7mmくらいの深さでした。
工場のエアーソーでカットしました。
キレイに水平には切れませんでしたが、
ノギスで測ったよりも多めにカットしたので、樹脂ブッシュとベアリングの間には恐らく1mmくらいの隙間が空いているはずで、
その隙間はグリスで埋めるつもりです。
さぁ、明日はこの改良版スイングアームをセローに戻します。
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2020/01/26 01:20:52