またもや軽い小話ということで。
昨年11月に日産自動車の「ノート」が30年ぶりの国内販売台数1位となったのが話題となりましたが、本日、今年1月の車名別ランキングが発表されたところ、なんと1位「ノート」、2位「セレナ」と1・2を日産が獲得するという快挙となりました。
11月の時は、前回はいつという見解が分かれることとなりましたが、今回は公式に1984年9月以来とされています。(公式発表は
こちら)
手元にある当時の月刊自家用車誌を見ても異論はないところでありまして、それならば当時のベスト10を取り上げてみましょうということで。このランキングへの見解は、他でも取り上げられるでしょうから、ここらしくとなると、こういう取り上げ方ですよね(笑)
このランキング、ほぼ間違いないとは思うのですが、統計方法次第で結果が変わるのが新車販売台数でありまして、一応の参考とさせてくださいませ。
1.サニー&ローレルスピリット
当時の集計はサニーとローレルスピリットが合算とされていましたが、台数差からして、サニー単独でも1位は変わらないと思われます。
1981年に登場したB11型の後期(この年にもう一度マイナーチェンジが入るので中期という見方もあり)となります。
カローラのセダン系が伸び悩む中、善戦していたのがこのサニーでした。クーペが転じたハッチバック、カリフォルニアの比率は低かったので、その台数の殆どはセダンで稼いでもいました。
2.ブルーバード
前年にFF化されたU11型となります。
910の好調を受け継いで、好調に台数を伸ばしていました。販売の主力はセダンにありましたが、このクラス唯一だった4ドアハードトップも約4割の比率を占めて、人気に貢献していました。この記録の直後には、V6を搭載したマキシマシリーズが追加されています。
この4ドアハードトップ人気が、カリーナEDが生まれるきっかけとなります。
3.カローラ
セダンも中期の画像としたかったのですが、適当なものが見つからずのため、初期型を掲載。その分、という思いもあってレビンは中期を。まぁ、AE86は、名車扱いされていることもありますので、2台掲載でもよかろうと(笑)
セダンのスタイリングが受けなかったことに加えて、レビンもトレノに負ける台数ということで、この年の初めには、1年足らずでの部分改良が入るものの、ランキングの維持には相当苦戦していたのがこの時期でした。
この翌月には、FXが登場することで、販売台数の上積みに成功しています。
4.マークII
1986年では、カローラ・サニーの争いに加わる形で善戦していた、このクルマがここに登場します。いわゆる”なないち”です。
前月に登場したばかりですので、新型車効果であることは間違いなく。こちらの4ドアハードトップの比率は、約7割(!)。先代後期でセダンとハードトップの台数が逆転していますが、これ以降、完全に主流はハードトップに移行することになります。
クレスタが、ハードトップからセダンに変わったことでこちらに一部ユーザーが移行したという話もありました。
5.クラウン
「いつかは・・・」で宣伝していたクルマがこの順位です。
これも前月に追加された3.0が約3割強と、台数に大いに貢献していたようです。5枠だけだとベスト10から外れます。3ナンバーは、真っ先に乗りたいユーザーが多かったようで、登場直後に台数を伸ばすというのは、クラウンに限らずでよくある事象でした。
一世を風靡していたハイソカーブームが台数に貢献していたこともありますね。
6.ファミリア
モデル末期を迎えていましたが、善戦していたのがこのファミリアです。
画像の「シュポルト・ヨーロッパ」は、当時のドレスアップの流行をメーカーメイクで仕立てた仕様と言えます。こうした特別仕様車が好評だったのと、何より値引きが強力だったのが台数を積み上げた要因です。サニー・カローラはその大乱戦の渦中にありました。
色々な意味でマツダのイメージを確立させた一台と言えるでしょうね。
7.コロナ
前年に行われたFRからFFへの主力の移行は大成功と言えて、この年の前半はカローラ・サニーに割って入る位置にいたのが、このコロナです。
その後、カリーナのFF化と同系列のマークIIが大きく伸びたことで、販売台数はやや落ち着くこととなります。それでもこの年の年間では、3位を確保しています。
従来型よりもややポジションを下げて、一クラス下との競合が増えたことが成功の要因といえます。やや冒険に映るスタイリングは、意外と中年層にも好評だったようです。
8.セドリック&グロリア
これまたセドリックとグロリアは合算とされていました。
前年にV6搭載で話題となったY30型です。
前後の月と並べると、やや上位に映りますが、ハイソカーブームという背景もあって比較的好評だったのも事実です。クラウンほどではないですが、この少し前に登場した230馬力の3000ターボの効果もあって3ナンバーが2割弱を占め、台数に貢献しています。
9.カリーナ
FFコロナの成功を受けて、こちらもFF化されています。
今視点だとFR時代を懐かしむ声の方が多いのかもしれませんが、当時はこの変更が好評を持って受け入れられたのです。
コロナ以上に1500の比率が高くて、一クラス下との競合も多いクルマでした。こちらの親しみ易いオーソドックスなスタイルは、カローラの台数が伸び悩んだ一因でもあるでしょうね。
10.スカイライン
ベスト5の常連だったスカイラインも、末期近いこの時期にはランクを落としていました。
年間だとベスト10から外れるようで、ギリギリのランクインという見方もできます。
RS系の商品力強化が行われていたものの、量販となるGT系がL20のままというのが厳しかった感は否めず。その分、TI系が車格の割にお買い得に映るということで台数を伸ばしていました。
ちなみにこの年の年間ベスト5は、カローラ、サニー、コロナ、ブルーバード、ファミリアとなります。
30年以上の間に当然、ランキングは大きく様変わりし、さらには名前が残るクルマの方が少ないという状況でもあります。
日頃よく取り上げるものですから、あまり年数の経過を気にしないのですが、確実に時は流れているということなのです。
画像の引用元:
メーカーサイト(カローラセダン・マークII)
FavCars.com(以外)