• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2016年11月27日

【 20世紀 J-Car select 】vol.03 カローラ・レビン/スプリンター・トレノ 1972年

【 20世紀 J-Car select 】vol.03 カローラ・レビン/スプリンター・トレノ 1972年 これが初代の「カローラ・レビン/スプリンター・トレノ」(TE27系)で、今日でもゲンキに街や街道を走り回っている「ハチロク」(AE86系)の祖先にあたる。駆動方式はもちろんFR、全長4mに満たないコンパクトなボディに、1600ccのツインカムエンジン(2T-G)を搭載していた。

ここで「もちろんFR……」と記したのは、この「レビン/トレノ」がデビューした1972年という時点で、トヨタにFF車は存在しなかったからである。サイズ的に最小であったパブリカに至るまで、当時のトヨタ車は、そのラインナップのすべてがFRだった。エンジン縦置きによるFF方式のターセル/コルサが登場するのは1978年になる。

ただ、後年の「ハチロク」と初代の「レビン/トレノ」では、小さなボディ+ハイパワー、駆動方式はFRなど、共通項目は多いのだが、どうも“何か”が違っていた。「ハチロク」は、このいささかランボーだった(?)祖先と較べると、クルマとしてはるかに優等生であると思う。

何といっても1980年代生まれである「80系カローラ」は、クルマの全体が総合的なバランス感覚の中で企画・設計されていた。そのコンセプトは、駆動方式にFRを踏襲した「86系」も同じだった。しかし、1970年代前半という時代に生きたレビン/トレノには、そんな平衡感覚は乏しかった。あるいは、1960年代的な奇妙な“熱さ”を引きずっていた。

この「27系」レビン/トレノは、大衆車カローラのセダンに対するスペシャル版としてシリーズに加えられたクーペがその出発点になっている。そして、このクーペに、キャブ・チューンでエンジン出力を上げた「SR」が、まず追加された。この仕様でも既にけっこうスポーティであり、十分に《走り》も楽しめたのだが、しかしトヨタは、そこで立ち止まらることをしなかった。「もっとパワーを!」である。

そのテーマのもとに行なわれたモディファイとチューニングは、はからずも、1960年代に(プリンス時代の)スカイラインGTが行なった手法と同じだった。そう、上級車用エンジンの移植だ。小さなカローラのボディに、兄貴分がスポーツ車を作ろうとした際のエンジン、セリカ/カリーナのGT系が積んでいた「2T-G」を押し込んだ。その結果、エンジン出力は「SR」の95psに対して115psとなり、最高速も190km/hに達するというリトル・モンスターが出現することになった。

外観上では、何といっても「ビス留め」されたオーバー・フェンダーが渋かった! それまでの「SR」は性能は向上していても、ノーマルのクーペと外観上はあまり変わらなかったが、このクルマは違っていたのだ。

さらに室内に入ってみると、新設計のスポーツシートがドライバーを待っていた。そしてその目の前には、油圧ゲージや油温計、また電圧計といった“多眼”の光景が広がり、ステアリングを握る者のココロをときめかせた。この「27系レビン/トレノ」は、実質的にも相当な高性能車であったが、それだけではなく、安価ながら、こうした演出にも配慮があったコンパクト・スポーツだった。

(2002年 月刊自家用車「名車アルバム」より 加筆修整)
ブログ一覧 | 00年代こんなコラムを | 日記
Posted at 2016/11/27 11:13:42

イイね!0件



タグ

ブログ人気記事

反射テープ貼り付け
tatuchi(タッチです)さん

日の目を見なかったワイヤメモリー…
伯父貴さん

<2024年度4回目の燃費計測結果 ...
CSDJPさん

💝グレイビーソース💝
taka4348さん

TFにした理由…その2
porschevikiさん

愛車と出会って6年!
ヴィタさん

この記事へのコメント

2016年11月27日 23:34
こんばんは。
両者の走りの印象の違いは、排出ガス規制の存在が一番大きいと思います。吸気音の存在も手伝っています。加速ポンプから燃料が出た時のレスポンスというと、最新の車にも負けません。
コメントへの返答
2016年11月30日 13:34
コメントありがとうございます。

なるほどです。
あと2T-Gは、低回転域でのトルクが、カローラの車体に対しては“ありすぎ”。そこからのジャジャ馬感があった。

対して、86の4A-Gは、高回転まで回して初めてパワーが出て来る、言い換えると「下」ではおとなしかったエンジン。その意味では扱いやすく、クルマとしては上手くまとめていたように思います。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「【 20世紀 J-Car select 】vol.14 スカイラインGT S-54 http://cvw.jp/b/2106389/39179052/
何シテル?   01/15 10:59
家村浩明です、どうぞよろしく。 クルマとその世界への関心から、いろいろ文章を書いてきました。 「クルマは多面体の鏡である」なんて、最初の本の前書きに...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/4 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

愛車一覧

スバル R1 スバル R1
スバル R1に乗っています。デビュー時から、これは21世紀の“テントウムシ”だと思ってい ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation