いつも家で見ている国営放送の連続テレビドラマをホテルのベッドから見るのは不思議な気分でした。
見終わってから駅構内へ行きモーニングセットで朝食を物色。
地下街もずっと綺麗になってましたが、まだ昔ながらの
ミルクスタンドが残っていたのにはむしろ感動すら覚えました。テキトーに入ったらゆで卵と切ったパンが食べ放題、それにドリンクが付いて490円という店でどんどん人が入ってきて食べ終えるとすぐに席を立って行きます(回転率が落ちれば薄利多売の商売にも差し障るので暗黙のルール?)。
我々もならいましたが
ワンコインでしっかりと朝食が摂れるのは実に良い文化だと思います。うらやましいゾ。
ホテルをチェックアウトしてまず始めに向かうは
熱田神宮です!....いや、そのそばにある
ひつまぶしのお店が目標でした。笑)
そこでコンシェルジェから教えてもらった近鉄神宮前駅よりも地下鉄名城線神宮西駅で降り、熱田神宮を左に見ながら伏見通を南下します。
途中で
源頼朝生誕地の碑を見たりして名古屋の道路は広いなぁとまた感動しきり。さすがは自動車王国で道路がきれいですが歩道も広いんです。
神宮南の歩道橋を渡ると....その先に
行列が見えて来ました。あれがきっと目的の場所と思うと歩く速度も上がります。20人くらいが並んだそこが櫃まぶしの名店「
蓬莱軒本店・蓬莱陣屋」で娘のオススメでした(近くの別館には行くな、ともw)。初訪問ながら全く問題無く到着、食べ物のこととなるとこの集中力!
実に良く出来たシステムで入り口で並んで札を受け取り、指定された時間に行けばすぐ席に通されて女性が注文を取りに来ます。我々は20分ほど近くの喫茶店で待つだけですみましたが、食事が終わって出る頃には待ち時間も2時間と長くなってました(゜Д゜)
娘のアドバイスに従い我々の注文は名物の
ひつまぶしとう巻き。両隣もそうでしたから余程の定番メニューなのでしょう。
やがて先に出されたう巻きは出来たてのほやほやで湯気の立つヤツを口に頬張るとふわっふわの食感で熱い玉子焼きが口中で溶けました。これはなかなかの一品でした。
そこにひつまぶしも到着、蓋を取るとぎっしり詰められた御飯の上に鰻が所狭しと乗っていて御飯粒が見えません。
これは実に食べ甲斐がありました。紙に書かれたルール通りに頂きましたがもう満腹です(御飯がかなり詰まってます)。
ところで東京ではあくまで鰻重がメニューのトップに君臨していて、ひつまぶしは鰻を短冊に切り刻むので使う鰻は質が落ちる(小さな)ものを使います。
東京の鰻の老舗ての字のグループ店、御成門の信長に行けば分かりますが値段にもそれが反映されています。
しかしここ名古屋ではそうでもなさそうで、お国ぶりが窺えます。(SamSはとにかくウマイ鰻が食えりゃどれでも良いのでそんな論争は無意味だと思います)
食後は家内共々満腹して重い腹を抱えながら熱田神宮にお参りしました(おぃ)。
ここは静謐な雰囲気を残す場所でした。
ちょうど京都下鴨神社の糺(ただす)の森のように森の緑の濃い参道が残されているのは実に大切なことです。嬉しく感じました。
「信長塀」と名付けられた立派な築地塀も残されています。
ここには日本武尊が八岐大蛇の尾から取り出したという天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)がご神体としてある........筈です(実はアヤシイ?)。ここでみん友のとろのさんを思い出したのはなぜ? (笑)
帰りはホテルコンシェルジェお勧めの近鉄神宮前から戻ろうとして急遽歩いてまた地下鉄神宮西駅に。実は栄に行き昨日パスした娘の会社を見るのを思い出したのです(^0^;)
栄駅から歩いてその場所はすぐ分かりました。地味なビルですがこれでも東証一部上場企業です(^▽^) 地元の方なら一目で分かる?
何となく安心した親はぶらぶら歩きを継続し、足も疲れてしまいまた折から小雨も降り出したので某ホテルで休憩してから栄の地下街へ。広くて小さなお店がいっぱいの地下街を抜けて駅から名古屋駅に戻りました。
ここからJRに乗り本日の宿を目指します。新快速だと約40分の4駅で蒲郡(がまごうり)に到着、駅前からボートレースのバスが発着する駅でした。三河湾が目の前でのどかな風景です。東京からだと湘南まで行く感覚でしょうか、名古屋圏近くの海辺リゾートという処かな?
ホテルのバスも見えないのでタクシーで
蒲郡クラシックホテルへ向かいました。
実は宿泊は初めてなのですが、昔プリンスホテルの旗艦ホテルだったことは知ってました。新興のプリンスホテル(おぃ)よりずっと長い歴史を持つことも.......
現在は西武が駄目になった時に手を放れて静岡のビジネスホテルチェーンの持ち物ですが機会があれば宿泊してみたいと思ってました。
富士屋ホテルや奈良ホテル、金谷ホテルのように立派な車寄せのあるエントランスホールには現代的なホテルにはない雰囲気が漂っていました。
詳しくは
日本クラシックホテルの会のリンクを訪れてみてください。
タクシーの運ちゃんはバブル期にここがどれほど流行っていたかを熱く語ってくれましたが、語り終える前に到着しました(^▽^)
シーズンオフの人寄せに廉価な宿泊パックを提供したホテルと静かな環境を好むSamSのニーズが見事に合致した訳です(クラシックホテルに宿泊するのはやや寂れた風情を醸し出す時期が好みです)。
年金受給者は混雑するピークシーズンに宿泊などする気も起こりません。
重厚なレセプションエリア↓
静かに話すレセプションの初老のおじさんが良い雰囲気を醸し出してましたし、エレベーターも案内板の針が動く旧タイプでなかなかの一品。これで海外の様に向こうが透けて見えるタイプのアコーデオンドア(例えばストックホルムのグランドホテルのように)ならば最高なんですけど....
案内された部屋は窓からミニ江ノ島のような竹島が眼前に見えるオーシャンビューで家内が大変気に入ってくれました。
わずか3階建ての建物ですが小高い丘の上にあるので3階の部屋からの見晴らしはとても良くて三河湾が一望に出来ました。もっともこの日は雨が降ったり止んだりなので沖の渥美半島が霞んでました。
SamSは蒲郡は初めてですが日経の連載小説でお世話になった宮城谷昌光氏の住む処であるのは知ってましたので、ここに宿泊出来て嬉しかったのは秘密です。
なにも渡辺淳一氏とか林真理子氏の悦楽小説だけを愛読してる訳じゃないゾ。
勿論すぐ散歩に出て竹島まで橋を渡り神社にも詣でてきました。
橋からホテルを見るとコレが実に良い風情でした(自己満足してるゾ)。
庭も散策用に小径が設けてあり河津桜が咲き誇ってました。
今日もずいぶんと歩き回りました。お陰でぐっすり眠れそうです。
ディナーで2階に降りると吹き抜けのエントランスホールがイイ感じです。
ディナーはホテル2階のダイニングルームで3席しかない二人用の三角形テーブルの窓際テラス席に案内されましたが、これが暮れなずみつつある竹島が眼前に見える席で最高のロケーションでした!
このクラシックなろうそくのランプからの淡い灯が料理を美味しくしてくれました。
ふと皿を見ると絵柄はこのホテルじゃありませんか!
この色と回りの金泥は大倉陶園の特注モノですね、一目で分かります。
こりゃ洒落ているゾ.....期待値の上がる夕食の始まりです。
夕食は仏料理のフルコースでした。
まずはアミューズ
前菜は鰆とスモークサーモンを蒲郡みかんのブリオッシュと共に これは良かった!
かぼちゃのスープは大変に甘い出来でした。
白身魚の海老風味道明寺蒸しと手長エビにアメリケーヌソース
ここで定番のお口清めの氷菓(ソルベ)が出ましたが写真は省略
肉のメインはオージービーフのフィレ、レアとウェルダンなのはいつも同じ
最後にデザートのプレート、マロンアイスが甘くて美味でした。
本格的な仏料理でした。つけ合わせの野菜の面取りも実に丁寧な仕事ぶりでした、と言っておきます。(これで一泊二食1万4千円はお値打ち?/SamSはそう思ったゾ)
部屋に戻りパンパンに張った足を引きずってシャワー室に.....
確かに今夜もよく眠れそうです(^▽^)
明日はいよいよ最終日で夜に東京に戻ります。
おやすみなさいZZZZzzzz.......(続く)