2019年06月04日
ついに試乗してきました。
良かった。いいクルマです。
MAZDA3 15S Touring(FF)
価格:2,273,880円(税込)
サイズ:4,459 ☓ 1,797 ☓ 1,440
この車両は下から2番目の、いわば下位グレードです。それなのに装備がすごい。標準装備の暴力です。
・電動パーキングブレーキ+ブレーキホールド
・スマート・ブレーキ・サポート
・AT車 誤発進抑制制御
・マツダレーダークルーズコントロール(AT車:全車速追従)
・レーンキープアシストシステム
・車線逸脱警報システム
・ブラインドスポットモニタリング
・リアクロストラフィックアラート(ブレーキ付き)
・ドライバーアテンションアラート
・ハイビームコントロールシステム(オートマチックハイビーム)
・フロントパーキングセンサー(AT車)
・リアパーキングセンサー
・LEDヘッドランプ
・セイルガーニッシュ・Bピラーピアノブラック塗装
・マフラーカッター
・LEDライセンスランプ
・LEDルームランプ
・7インチマルチスピードメーター
・アクティブインフォディスプレイ(ガラス投影式カラーヘッドアップディスプレイ)
・8.8インチWVGAセンターディスプレイ
これらが最下級グレード15Sに標準装備。
さらに15S touringでは
・スーパーUVカットガラス(フロントドア)・IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)
・フルオートエアコン
・CD/DVDプレーヤー+地デジフルセグチューナー
・215/45R18タイヤ&アルミホイール(グレーメタリック塗装)
・アドバンストキーレスエントリーシステム
が追加されます。あれ、むしろ安い…?
かなりお得な気がしますね。
まずはエクステリアの印象。
かっこいい。いや、本当にかっこいいです。
かっこいい……美しい?
好みはあると思いますけど、個人的にはこのクラス断トツのカッコよさ。
ボンネットが低い!厳しく歩行者保護が求められるこのご時世によくぞここまで…。
先代アクセラと並べるとよくわかります。
ヌルヌルっとした滑らかな面構成がとにかく綺麗です。
インテリアはさらに秀逸。
アクセラも決して質感が低くはなかったのですが、それを大幅に超えてきました。
現行ゴルフ、1シリーズ、シビック、カローラスポーツ、インプレッサを間違いなく超えてます。というか現行アテンザよりも上かも。
広さは普通。デミオに慣れてると広いですが。後席も必要十分な広さ。
でもファストバックは先代アクセラスポーツよりラゲッジが狭いですね。
さらに開口部が高い位置にあるため、重い荷物の積み下ろしは少し苦労しそうです。
セダンのトランクは広いです。
ゴルフバッグを横に積めるんじゃないかな。
4人でゴルフに行きたい人はセダンのほうがいいんじゃないでしょうか。
※追記
トランクにはキャディバッグ2つが限度だそう。
4人でゴルフは無理ですね。
ゴルフなんか行かないくせにゴルフバッグ換算なんてするからこうなる(
前方視界は良好です。
マツダ車の欠点だった右側の視界も改善されています。
後方視界はあんまり良くないですが、装備でカバー出来てます。
あと、乗り込んでドアを閉めた瞬間、びっくりするくらい外の音が遮断されます。
え、230万のクルマですよね?
先代3シリーズでもこうはならなかったですよ。
エンジンは1.5L。
最高出力:111PS/6000rpm
最大トルク:14.9kgf・m/3500rpm
平凡です。先代アクセラだと、音はいいんだけどパワー不足を感じたこの1.5Lエンジン。
今回のMAZDA3では問題なかったです。
もちろん速くはないし、余裕もあんまりないですけど、気にならない。
下からしっかりトルクが出ていますし、レスポンスは鋭い。
回した時の音や振動のマナーも非常に良い。
6速ATもいい仕事をしています。
スペック上は先代と同じ内製6ATですが、これが段違いに良くなっています。
先代では変速時にどこか曖昧な感覚があったり、変速タイミングが合わないところが多かったのですが、今回はいいです。
変速に非常にキレがあり、直結感があります。また、加速したいと思ったまさにその瞬間にシフトダウンしてくれる気の利いた制御。エンジンが非力なので変速頻度は非常に多いのですが、それが全く嫌ではなく、むしろ運転してる感があって楽しいです。
乗り心地は……表現が難しいです。
形容としては、「気持ちいい」とか「素直」というのが適切でしょうか。
デミオと似ている部分もあって、トーションビームアクスルの乗り味みたいなのは確かに残っています。
具体的に言うと、路面のザラつきや突き上げにダイレクト感があります。
こう書くと「要するに乗り心地が悪化したんだろ」と捉えがちなんですが、そうではないんですよ。
不快な部分を綺麗にカットして角を丸めつつ、路面状況や車両の挙動をしっかりと伝える乗り心地です。
車高調の嫌な部分を消したような乗り心地、というのが近いかもしれない。
突き上げはあるけど、それが遅れなく伝わり、素早く収束します。
先代のアクセラのほうがフラット感はありますが、車両からのインフォメーションに乏しい部分もあり、少し運転しづらいです。
「ファミリーカーは突き上げを消さなければならない」という呪縛から解き放たれたといえるかも。コストが限られているのに、変に突き上げを消そうとしてかえって疲れる乗り心地になってしまっている大衆車、多いと思います。
静粛性はすごい。間違いなくクラストップだと思います。この価格帯では敵なしです。マツダ車はうるさいクルマが多いのですが、これはめちゃくちゃ静かです。
昔から静粛性が強いのはトヨタでしたが、マツダもやれば出来るじゃん…最初からやってください……。
操縦性は普通。
当たり前のことを当たり前にこなすセッティングです。
もっとも、これが出来ているクルマは意外と少ないのですが。
身のこなしは先代アクセラよりも軽快になった気がします。
ロールはそこそこします。
じんわりと滑らかにロールするので、感覚的には合います。
CX-5のターボのように平行移動じみた想像を超えたような動きはしません。
想像通りに、自然に動きます。
今回、リアサスがマルチリンクからトーションビームに改められました。
思うに、マルチリンクはコストをかけて、質のいいブッシュをいっぱい使って時間もかけて作り込まないとダメなのかもしれない。
トーションビームは安物、というのは間違ってないでしょうが、この価格帯ではこれがベストバランスだといえるのかもしれません。
限られたコストを最大限に活用し、敢えてトーションビームを極限まで煮詰める、というのは潔く思えます。
その結果の、自然で疲れない乗り心地。いい割り切りだと思います。
ステアリングやブレーキはかなり硬めの操作感。
特にブレーキは今まで運転したマツダ車の中でいちばん硬いです。RX-8よりも硬い。
コントロールし易くて好みですが、非力で軽い女性にはどうかなぁ。咄嗟にフルブレーキが踏めるのか少し心配になります。
ブレーキ時の姿勢はFF車とは思えないくらいフラットで素晴らしい。疲れません。
結論に移りましょう。
これはコスパ最強グルマです。
同じ価格帯には敵がいない。
価格帯が上のゴルフですら、優ってるのはエンジンパワーくらいです。
ゴルフはいいクルマなんだけど、走っていて楽しいクルマではないし…。
パワートレインや乗り心地については、わかりやすい訴求ポイントに欠けます。
いいものなのですが。
そこは充実装備と価格、デザインと静粛性でカバーということでしょうか。
MTや、2.0Lが出たら是非とも乗ってみたいですね。
Posted at 2019/06/04 12:35:54 | |
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