乗っていて楽しい車。

ボクシーでウィンドウガラスの面積が広いクリーンなスタイルは、当時の車としては出色の出来であった。買った時はまだドアミラーが認可される1ヶ月程前だったが、市販の電動ドアミラーを買ってきて、ディーラーに頼んで、納車時までに付けてもらった。
色は当時の一番人気のレッドではなく、新色のスパークリングブラックメタリックというカラーにした。これがまた良い色で、普通のメタリックとは違い、金属の粒子が金色のメタリックで、夕日に照らされると独特な色味を発し、思わず見惚れてしまう程だった。

F Fでパワーもそんなに無かったが、高回転域まで、ストレスなく回り、SSサスペンションの引き締められた足回りと、BSのポテンザが標準で付いていたこともあって、クイックなハンドリングで、ワインディングロードなど、コーナーリングが得意な車だった。

これに関しては褒められたものではなかった。兎に角硬い足回りで、路面の凹凸は漏れなく拾って、乗員に伝えていた。ただ、シートの出来が良かったので、長距離は苦ではなかった。

ハッチバックで後席を倒す事が出来たので、同じクラスのセダンよりは積めたと思う。

キャブからEGIになったので、その辺も影響したのかもしれないが、街中でも10km/lを切った事はないし、高速では制限速度プラスαで走っても16、7km/lはいった。

当時の価格で115万程だったと記憶しているが、カーコンポなどのオプションや諸費用を含めると、150万を超えていたと思う。そのカーコンポだが、ナショナルのオズマという30万円以上したものだったが、新車で買ってから、1年程経った雨の強く降る夜に、車上荒らしに遭い、根こそぎ盗まれてしまった。家から徒歩3分程の、住宅地に隣接する月極駐車場（未舗装）に駐めていたのだが、雨の夜だったので、犯行の音も雨の音にかき消されてしまった様で、鍵は壊されるは、車の中は泥だらけにされるは、コンポが収まっていたセンターコンソールは壊されるはで、最悪。しかも配線も荒々しくぶった切られていて、車内は見るも無惨な状態。警察を呼んで、被害届を出したが、警官曰く「まぁ、この手の犯行はプロの仕業なので、足がつく事もないし、諦めた方が良いですね。」と、最初から捜査する気がない感じ。頭に来たので、早々にお引き取りいただいた。その後、音楽を聴けないドライブに耐えられなかったので、安いSONYのステレオカセットデッキを秋葉原で買って来て、ディーラーで、車上荒らしの修理がてら、取り付けてもらった。