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イイね!
2016年10月02日

サーキットシミュレーション その1

例えば時速100kmで走るクルマが、A地点からB地点まで、まっすぐ移動したとしましょう。
A地点からB地点までは、距離にして、ちょうど100km離れていました。
すると、このクルマがB地点に到着するまでにかかる時間は、何時間になるでしょうか?

答えはちょうど1時間ですね^^
時速100kmという速度は「1時間で100km走れますよ」ということなので、そうなります。

サーキット走行などで走り方を比べるとき、それを計算によって求めようと思うと、あらかじめ考慮に含めなければならない要素というのはいくつかあります。
ハイパワーなクルマとローパワーなクルマでは加速性能が違うので、まずエンジンパワー。
同じエンジンを積んだクルマでも、ギア比が違うと加速性能が違うので、ギア比。
2WDと4WDでも違うので、駆動形式の違い。
車重によっても違いますし、タイヤのグリップ力によっても違いますし、空気抵抗値によっても違います。
その他にもいろんな要素がありますね。

全部を網羅しようと思うと大変な作業になってしまうのですが、その中でも実質的に深く関わっているものをピックアップ出来ると、おおまかな計算をすることが出来ます。
走りたいコースを設定し、A地点(スタート)からB地点(ゴール)までを移動する間にかかる時間は、どれくらいになるか。
その最短時間を求めることが出来ると、それが目標タイムとなります^^

直線道路であれば考え方はシンプルで済むのですが、サーキットはコーナがたくさんあって、ブレーキを踏んだりハンドルを切ったりしなければいけません。
そんなもの一体どうやって計算すればいいんでしょうね?

先を急がれる方はこちらへ飛んでください。(サーキットシミュレーションの考え方
と言っても大半の方は読むのが苦痛になってしまうと思うので、どうしても頭が痛くなってしまう方は次へお進みください。
このお話に興味はないよ、という方は他人様の素晴らしいブログがたくさんありますのでそちらをお読みください(笑)

というわけで本日はサーキットシミュレーションのお話です。
たびたび思うのですが、計算というのは単に計算結果を得られるだけでなく、それをきちんと理解することで「そこに働くメカニズムをより具体的にイメージし、感覚的に理解することができる」ということが、ひとつ、とっても大切なことだなぁと。
実際に走ったときの感覚と照らし合わせながら考えることで、「決められたコース上を最速で走るというのはどういう物理現象なのか」ということに関する理解が深まります。













ところで、こちらはタカスサーキット2コーナにおける2つの走行ラインの例です。

ひとつ目はアウト側まで寄らずにわりとV字っぽく曲がろうとする走行ライン。
ふたつ目はしっかりアウト側まで寄って、限りなく旋回半径を大きく取ろうとする走行ライン。
ちなみに最小旋回半径はそれぞれ12mと21mです。

本当は2コーナのみでタイム差を比較したかったのですが、そのためには表計算ソフトのマクロ機能を理解しなければいけないことが分かったので、ちょっと時間が取れないので諦めます。
申し訳ありませんが1ラップ全体のタイム差で比較させてもらいます。
なるだけ2コーナ以外のところは同じくなるように努力してあります。

それでは計算結果。







ひとつ目のラインにおける最速タイムは66秒38という結果になりました。








それに対し、ふたつ目のラインにおける最速タイムは66秒71でした。
さっきよりコンマ3秒のタイム差があります。
つまりコンマ3秒遅いってことです。

この「コンマ3秒」という時間をどう見るかは人によるかもしれません。
意外と少ないなって思う人もいるかもしれないし、走行ラインの違いだけでコンマ3秒も損するのか、と思う人もいると思います。
夏と冬のタイム差や、タイヤの状態によるタイム差がある場合、それらに隠れてしまって分からなくなってしまう規模なので、それを考えれば小さいと言えるかもしれません。
ただ、今日のブログをここまで読んでいる人の多くは「そのコンマ3秒って大事だよ!」と思う人だと思うので、そういう意味では大きなコンマ3秒ですね。

例えば「V字ラインで走るのが重要なんだ!!!」と言う人がいるかもしれません。
それに対して、ある人は「U字で走ってもそんなに変わらないし安全なんだ!!!」と言うかもしれません。
じゃあ具体的に何秒くらい違うの、と聞いたとき、前者はタイム差が大きくあって欲しいでしょうし、後者は小さくあって欲しいでしょう。
ただし誰がどのような立場にいるかに関わらず、今回の計算結果に関しては、0.33秒です。
もちろん条件を変えて計算すると、違う数字が出ます。

走り方に関して自分なりのこだわりがあったとき、自分にとって都合の悪い数字が出てくることもあります。
とても素晴らしいことです。
こうやって計算していると、思い込みで目に張り付いていた鱗がボロボロ落ちてくることがあるので、そういうときは「考えてみれば確かにそうだな、あぁ計算してみて良かったな」と思います^^

ちなみに上記2つの走行ラインについて、それぞれの速度変化は次のようになります。
赤色のグラフがひとつめの走行ライン、水色のグラフがふたつめの走行ラインのものです。





ところで計算というのは所詮計算なのでまったくその通りには走れません。
「その通りに走れない」という場合、何が原因になるかというと、大きく分けて2つ「ドライバー側の要因」と「クルマや環境などの要因」です。
ドライバー側の要因に関しては、単純に下手だから理想通りに走れない、というものや、そもそも人間の能力ではここまでが限度、といったようなものが考えられます。
クルマや環境などの要因に関しては、単純にセッティングが出来ていないから、というものや、路面の摩擦係数の微妙な変化、バンク角、気象条件、あるいはエンジンに不調があったりデフが壊れていたり、といったようなものが考えられます。
いずれも「より速く走るためにはどうすればいいか」を考えるうえで大切な事柄なので、計算通りにいかない場合は「なぜ計算との違いが出るのか」ということを考えていくことが、理解に繋がります。

ちなみにいくら計算だけ出来ても、ドライバーが下手だと速く走れません!
速く走ることへの理解を深めるかどうかとは別に、練習、練習、とにかく地道に練習!が大事というのは言うまでもありませんね(笑)

今日はサーキットシミュレーションの使用例を書きました。
次回はその具体的な考え方について、もうちょっと踏み込んでいきたいと思います。
ブログ一覧 | サーキットシミュレーション | 日記
Posted at 2016/10/02 21:34:22

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