今日のお話はまともに書くと長くなりすぎてしまうので、細部を省略して書きます。
続きにて一部補足を入れていきます。
とりあえず、単なる経験談です。
僕が生まれて初めてサーキットを走ったのは、2008年の6月です(
記録が残っているって素敵ですね!)
「はじめくんの走行会」という初心者向けのコースライセンス講習を兼ねたイベントでした。
感想を読むと「テンパってあんまりいろんなこと考えてる余裕がないので、ゆっくりレコードラインをなぞるくらいしか出来なかった」と書いてあります。
ここがひとつポイントだと思います。
頭がテンパっているときは、何故か感覚が身体に染み込んでいってくれません。
この「染み込む」という工程はとても重要で、実際のところ頭の中でなにがどうなっているかはよく分からないのですが、たぶんとても重要です。
そんなこんなで、生まれて初めてサーキットを走った僕は、それ以降の努力のほとんどを「感覚を染み込ませる」ことに費やすことになります。
では、どの感覚から染み込ませていこうか…?
自分に足りないものはたくさんあるだろうと思ってはいても、優先順位が分かりません。
分からないので「たぶん」で進めます。
あとから間違いに気づいても取り返しがつくように、頭の中でよりたくさんの事柄を保留にしておきます。
僕はまずブレーキングとアクセルワークは捨てました。
理由はありませんが、まずはコーナリングの練習から始めることにしました。
繰り返しになりますが、あとから間違いに気づいても取り返しがつくように、頭の中で保留にした状態で、とりあえず事を進めます(これ大事です)。
さて、例えば時速60kmでギリギリ曲がれるコーナがあるとします。
ところが僕は下手なので、そんなに速くは走れません。
ただガムシャラに曲がろうとすると挙動が乱れて、訳が分からなくなってしまうので都合が悪い。
まずは限界の70~80%くらいの速度でスムーズに走れるようにひたすら地味に走り込むところから始めることにしました
スキール音もスリル感も何もなくゆっくり走るだけです…。
さて、自分ではどのコーナも常に限界の70~80%で走るつもりで走っているのですが、実際に走ると、意外に余裕があるコーナや、ずいぶん厳しく感じるコーナがあることに気づきます。
このコーナは50%くらいかな?このコーナは90%くらいになっちゃった…。
それはコーナの「見た目」と「自分の実際の走り」が違うということを意味していて、つまりタカスサーキットのコースそのものをまったく理解していない。
そういうときにハっと思い返すと、最初に教えてもらったレコードラインからずいぶん外れてしまっていることがあります。
これはいかん。
ラインから外れることなく、かつ70~80%くらいを安定的に保てるようになると、それまでフワフワと浮き足立って不安だった気持ちが、ずいぶんどっしりと落ち着いてきていることに気づきます。
ハンドルから伝わるタイヤの感触、バネの伸び縮み、横Gの大きさ、景色の流れ方、いろんな感覚が自然と頭の中に入ってくるようになります。
よし、ちょっとコースに慣れてきた。
ようやくスタートラインに立てたかな?
改めて、各コーナを100%を目指して練習します。
目標はちょっとタイヤを滑らせるくらいでコーナリングすること、にしました。
ところがこれが思った以上に難しい。
「まぁ速度を上げればいいだけやから簡単やろー」と思っていたのですが全然うまくいきません…(涙)
というかコーナリングしていて明らかに理屈と合わないところがある。
なんだか訳が分からない?
このときは理解していなかったのですが、後から気づいたこと。
(1)ブレーキング開始地点や終了地点のズレがコーナリングに影響していた
(2)バンプタッチで刻々と変わるコーナリング特性に翻弄されていた
ともかくとして「難しいなぁ」と思いながらコーナリングの練習を続けていました。
とりわけフロントタイヤの微妙な感触の変化と、全体的なグリップ感(横Gもしくはコーナリングフォースの大きさ)を身体に染み込ませるようにして走り込んでいきます。
すると、レコードラインどおりに走っていたのではフロントタイヤのグリップが余り過ぎてしまうことに気づきます。
速度が足りないのかと思って速度を上げると何故か曲がりきれなくなり、ハンドルを切ったまましばらく待つとぐいっと曲がってくれるようになります。
「速度調整をもっとシビアに行わなければいけないんじゃないか?」と思ってひたすら練習を続けるのですが、どうも何かおかしいように思ったので、ラインをV字にしてみたり、コーナの頂点に到達するよりも前にアクセルを踏んでみたり、いろいろ試してみることにしました。
結果、ラインを明らかなV字にして走ると前後グリップ感覚がちょうどよく感じられ、ドライバーとしてはよい感触を得られることが分かりました。
でも速度感覚に照らし合わせると、やたら遅い気がします…。
むしろ前の走り方のほうが全体的に速度が高かったような?(汗)
「これクルマの問題やろ」と思ったので、リヤの車高を下げたい気持ちばかりが募りました。
理屈はよく分かっていなくて、インターネットに「リヤの車高を下げるとアンダーステア方向になる」と書いてあったので、そう思いました。
タイムを出す気とかは特になかったのですが、せっかくサーキットに走りに来ているのに自分の思い通りに走れないのは悲しいし、走っていて面白くない。
仕方ないので車高調を探し始め、運良くロードスタークラブの先輩に中古の良品を譲って頂きました。
車高調のことは良く分からないので、譲ってもらった状態のままで練習することにしました。
おー、今度は乗りやすい!やったー!^^
今まで抱えていた問題が普通に解決してしまったので、クルマのことに頭を悩ませることなく、晴れて運転に集中できるようになりました。
最初は切り捨てていた「ブレーキング」「アクセルワーク」も、ここに至るまでの間に少しずつ少しずつ詰めていました。
とくに課題を持って練習した記憶はないので、本当に少しずつ少しずつだったと思います。
ところがあるとき欲を出してタイヤをAD07に交換したら、やたらとスピンばかりするようになりました。
ロールが一定量を超えるとスピンするので、ロールさせるのを嫌うようになってしまい、運転がへんてこなことになりました。
ここからは足回りと格闘することになりますが、今回のお話の趣旨とずれるので詳細は省きますが、ドライバーとしては無駄な時間だったと思います。
本当は1年くらいで得られるはずの成果を得るのに、2年も3年もかかってしまうという結果になりました。
(代わりに足回りの知識が手に入りました)
乗りにくいクルマを乗りこなそうとする過程で、とてもいろんなことを考えました。
何故うまく走れないのか?速度域が上がったせいなのか?クルマのせいなのか?
それとも気象条件のせいなのか?ドライバーの劣化のせいなのか?
神様がいじわるしてるから?
こないだムリヤリ勧誘されそうになった怪しい宗教を断るために相手を必要以上にボコボコに論破してしまったから?(汗)
やーん(>_<)
「思うように走れない」というのはドライバーとしてはもう本当に切実な問題なので、真面目にいろいろ考えました。
真面目に。いやほんと(笑)
実際は足回りと絡めて考えたのですが、次回は足回りのことは出来るだけ省いて、なるだけ運転のことに論点を置いて書くようにします。