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2009年12月15日

精神鑑定の虚構を暴くモンスター

精神鑑定の虚構を暴くモンスター  前代未聞の出来事である。法廷で被告人が自分を精神鑑定した精神科医(大学教授)を尋問した。やりとりを聞いているとどちらが被告人かわからないほど、質問は鋭く鑑定医はKO寸前まで追い詰められた。この模様はネットで読むことができるが、全文をここに掲載すると長くなるので興味のある人は下記のアドレスから見て欲しい。では内容を少し解説してみよう。

  http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091214/trl0912141741018-n1.htm


 最初の一撃は、鑑定期間についてであった。普通3カ月の期間で行われるが、被告人は実質何時間自分と面接したのかと問う。教授の答えは1回1時間で計9時間くらいだと。そのうち質問用紙に書かれた質問が大半で、実際に普通の会話として話したのが2時間くらいしかない。だったら2日間で終わる鑑定ではないか?と。

 これはよく言った!その通り。このような長い期間をかけるのは正確さを期してではなく、単なる権威付けのためである。被告人は精神鑑定が片手間仕事であることも教授から引き出している。

 次に、ズバッと核心をついた質問を投げかける。

 被告「あと信頼性についてですが、『人の心が分かるんですか』と聞いたとき、なんと答えましたか」

 教授は覚えていないとか最初はぐらかすが、被告人は正確に記憶している。

 被告「あなたが言ったのは『誰が見ても異常な精神状態の人はわかる。酒を飲んだら変わる人もわかる。あと、世間は精神鑑定を過大評価している』と言いだしました。思い出しましたか」

 教授「そういう記憶はございます」と観念してしまう。

 さらに次の質問がまた凄い。

 被告「分かるというのは主観ですか、それとも理論ですか」
 
 教授「はいでもあり、いいえでもあります。精神医学ではAかBかといわれたとき、AとBが矛盾しないこともあるんです」

 被告「矛盾しないとは?」

 教授「主観的でなければ面接は不可能です。ただ、面接で得られた結果を客観的な体系から診断していくということです」

   この辺は、教授も精神医学の診断についてうまく説明はできている。そういうものなのだ、実際。

 この後、被告はそこに理論はあるのかと容赦なく本質論に迫る。それもそのはず、実はこの被告人は学生の頃は数学が大好きで家に帰ってからもずっとやっていたという。

  被告「理論があるなら100人とも同じ結論になる。理論とはそういうものです。学問とはそういうものです」

  教授「そうとはいえません」 と応戦。 裁判長も助け船を出し「鑑定は人によって違うということです」とゲロってしまう。

 人によって違う鑑定なら鑑定人なんか不要ではないか?いや中古車買い取り屋を自分の都合で探すように、鑑定人も検察、弁護側でそれぞれ好きなように利用できるということだ。

 そこで被告人はここでもっともエクセレントな質問を出してくる。

 被告「君はいつも『人の心は分からない』と言っていた。それなのになぜ、犯行までさかのぼって私の心が読めるのですか」

 教授「全く理解できないというわけではないです」

 被告「それは主観ですか」

 教授「先ほどと同じ答えになりますが、主観で得た知識を体系に照らして・・」

  結局、精神医学の診断学は最初に「主観」から始まるので、あとの体系が客観的だったとしても結局「主観」から逃れることが出来ない。

  さらに被告人はこの後も教授をいいように散々いたぶるのだが、最後に一点だけ教授のことを認めた言葉を吐いて法廷を去る。

  被告「鑑定主文で『自分は正常』と言っているのは正しいです」と。


 まさに映画『羊たちの沈黙』に出てくるレクター並みのモンスターだ。今まで精神鑑定に関して、こんなに鋭く議論を挑んだ被告人はいなかっただろう。

 それでは最後に、この被告は本当に正常なのだろうか? 中学校の時に飼っていた犬を殺されたの恨んで、関係のない元厚生事務次官の夫婦を平気で殺害する。

  初公判では「起訴事実はおおむね認めますが、あくまで無罪を主張します。それは、私が殺したのは、邪悪な心を持つ魔物であると、今でも確信しているからです」と言っている。

  この2点で数秒もかからず、この人はオカシイと誰でもわかるでしょ。それを3カ月もかけて作った鑑定主文が「被告人は正常である」とはどういうことか?まさに教授はこのモンスターの術中に陥ってしまったのである。




      You cannot walk straight when the road bends........ (Romani proverb)
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Posted at 2009/12/15 20:29:13

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この記事へのコメント

2009年12月15日 21:40
まさにレクターですね・・・


かんこ先生ならどう対応されますか?
コメントへの返答
2009年12月15日 21:59
つい立の影に隠れて、山田ボイスで応戦します。

 http://www.geocities.jp/bommad/dust/yamada.swf
2009年12月15日 22:49
凄く興味深いですね。頭の回転は良いけれど、self controlが全くできないTypeなのでしょうか?

最近、このようなTypeの人間が増えている・・・と感じるのは、ボクだけでしょうか。(^^;)
コメントへの返答
2009年12月16日 7:10
 私たちの社会というのは逆に言うと大勢の共通の思い込みで成り立っている。そこに突然「人の命と犬の命は違うのか?」と問われるとビックリするわけです。

 その大勢の思い込みから遠く外れる人を狂気と呼んでいる。

 でも純粋に生命を突き詰めていけば、大腸菌も人も命ということでは等価なんですけどね。
2009年12月15日 22:56
 こんばんは。その犯人は世に言う紙一重って事ですね(笑)。
私は精神科領域は全く解りませんがしばしば数学とは異なる今の仕事で説明に行き詰まる事があります。何故かって、全ての可能性を考えて予想するのは不可能だからですexclamation×2。しばしば『だと思います』と説明すると『思いますでは納得出来ない』と切り返され言葉に窮しますが、結局、人間の身体は単純ではありませんからと説明し納得頂く事にしてます(笑)。私は神様では無く全ての先が見える訳じゃ有りませんし確率的にお話してるだけですから(爆)。

面倒な世の中になりましたねぇ。昔はゼネコン並みに丸投げされて決定だったのに。





コメントへの返答
2009年12月16日 7:14
 おはようございます。

 それと関連することありましたよ。7年前に母が癌死したのは、見つけるのが遅かったからではないか?と。本人はずっと検査拒否だったし、早期で見つけるとなると症状がなくても定期健診的に胃カメラをやる必要がある。症状があった場合でも、胃炎か胃潰瘍か、はたまた胃がんかは検査しないとわからないと。なかなか納得してくれませんでしたが。
2009年12月16日 17:50
こんにちは。
この被告の精神鑑定そのものに?ですが。
そういえば、光市母子殺害でも、弁護士が「殺意がない」と言って、傷害致死といい出しましたが、それならば殺人罪そのものが無用になってしまいます。
また、以前誰から市橋に、サッサと出頭して、あまりに気持ちよくて気づいたら英国人講師が死んでいたと言えばいいなど、余計なことを言っていました。
難しいですね。モンスターピアレンツとやくざの恐喝と区別がつかない昨今です・・・。
コメントへの返答
2009年12月16日 19:40
 こんばんは!

 裁判は真実をはっきりさせるといういより、検察側と弁護側による虚々実々の攻防の場となっています。

 そこに精神鑑定がまきこまれます。しかもその内容はもともと確固とした根拠がないので、このように追及されると返答できなくなるのです。
2009年12月17日 6:55
これを読んでて・・青少年の「しゃべり場」というTV番組を思い出しました♪汗

ある少年が「なぜ、人を殺してはいけないのですか?」とフツーに疑問を投げかけた。

みんな騒然となり・・「人を殺すのは人道的に悪いことでしょう」と説得してたが・・その少年は「だって戦争では罪もない人達を、正当化して人を殺してるでしょ。なにが違うの?」と。汗

司会者もとにかく・・人を殺するの悪いことだと言い含めてましたが・・説得力に欠けてました♪汗
コメントへの返答
2009年12月17日 7:49
 Hiropi さん、そう問われると答えに窮しますよね。
 でも、簡単に言うと「社会の決まり」ですね。
例えば、今から飲み会に行こうとしている時に殺されたら嫌でしょ。あるいは自分の恋人や肉親が殺されたら。
 そういう安全保障を前提として社会が成り立っている。

 動物の命だって社会の思い込みでそうなっているだけで、クジラがだめで牛は食っていいというのも思い込み。
 犬も昔は食用として飼われていた地域もありました。

プロフィール

「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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