今回のニュルブルクリンク走行の一コマ。カメラマン見つけてサムアップしてます(笑)。さすがに目線までは無理!
メガーヌRSでがメインでしたが、ベンツの懐を探りたくて慣熟がてらEクラスカブリオレでもそのまま走ったのでした。
感銘を受けました。
もちろん絶対的な速さは並ですが、とても快適で安定して優雅に走り抜けられること!
タイヤは低燃費タイヤのピレリチントゥラートP7。8割ペースを超えると車側でブレーキペダルタッチがやや怪しくなるのですが、タイヤ限界で走っても車両挙動が穏やか&リニアなため高速でかっ飛んでもまったく不安定さがありません。なんだこの走れるエコタイヤ!そしてそれを完璧に履きこなすこのクルマ!!
ちなみに、後ろのポルシェ&ランエボ、ちんたら走ってたので抜いた車達です。こっちはエコタイヤのE200なのに笑
高速域でも低荷重状況でも路面にウネリが有っても、アシが綺麗に動いて接地性は一切失わず、しっかり真っ直ぐ走り、微舵にも的確に反応してくれる。低速域でも高速域でもふんわり緩やかな車両挙動なのですが、いかなる状況でもそれで一定なので不安にまったく繋がらないし、盤石のRr安定性。
いやーさすがです。
国産だと高級系のクルマでも、弱いボディにバネを固めて減衰不足でフラフラどこに吹っ飛ぶか分からない挙動を示すモノばかりなのですが、総じて欧州車はそうした不安感とはまったく無縁の世界。
タイヤもサスもアシもブッシュもボディもシートも全てが一体となって入力を吸収する感じ。なんでこの味を国産メーカーはどこも出せないんだろう。不思議。センスが無いのか、そもそもそういう発想が無いのか。ボディとアシまではそこそこ良いけど、シートがイマイチってケースも有るしね。個々の設計要素しか見てないのかも。木を見て森を見ず。
ベンツは、通常モデルの開発でもここニュルを使用しています。ニュルはスポーツカーのタイムアタックばかりが取り沙汰されますが、本当のニュルの意義はそこじゃない。
低速から高速まで、ギャップありウネリありクレストやジャンピングスポットあり、バンクも逆バンクも路面ミューも様々。急な上り勾配も下り勾配もあり、荷重が急に抜けたり増えたり。エスケープゾーンの無い危険で緊張の続くワインディング。
「これ以上は無い極限の走行状況」が凝縮されている事に、自動車開発の場としてのニュルの意義が有ります。
ベンツは、雨の日も風の日もここを走りこみ、「いついかなる究極状況でも安全・安定でリラックスして走れること」を目標に開発しているはず。それが、一般道での突出した快適さと安定さに繋がっているのだと思う。
そうした「総合力」は、個別の要素をバラバラに集めた「テストコース」内だけの開発では造り込めないんだよね。
ドイツ車や広く欧州車は、サーキットやテストコースなどの限定的なシチュエーションでは必ずしも素晴らしいとは感じないのだけど、総合力が試される一般道やニュルなどでは非常に素晴らしく感じます。
やはり、一般道と操安乗心地路の究極といえるニュルで実際に試験できること、これが大きいのだと思う。日本も、一般道試験、したいよね。車の進化に合わせて、最高速含めて道路交通の在り方、進化させていたよね。それをしなければ、日本の車造りも、日本の交通社会も、永遠に幼いままになっちゃう。
まぁ、広く浅く台数を稼げる大衆車ポジションのままで良いなら別に良いのだけど、やはりそれは将来的にジリ貧だし、「働けど働けどわが暮らしラクにならざり」の世界なのです。
「価値を造り込み、望んで高く買われるモノを生み出す」
「少ない時間で多くの対価・報酬を得る。」
欧州のそうした生活水準を望むならば、やはりそうした概念は必要なのです。
繰り返すけど、安い給料でハツカネズミのようにガリガリ働いて、プライベートを削って滅私奉公でも良いなら、今の日本のままでも良いんです。
でも、真に豊かで成熟した文化を持つ国になりたいなら、色んな所を修正していかなくちゃ。
…中国に向かう飛行機の上で書いてたら大脱線してしまった。
でもこれは常に心にある日本への危機感なのです。ドイツに来るといつもそこまで深く考えさせられる。ドイツ・フランスなどの欧州の雄に学ぶべきポイントは多く有るのです。
Posted at 2016/05/18 21:46:07 | |
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