2008年11月20日
今週もまた「JIS Z 8141(生産管理用語)」から少し離れますが、勉強ネタに変わりはありません。
「間違えて?」・「苦手」あるいは「不快」といった方々は、お手数ですが、お戻り下さい。
今週は「作業指導」です。あえて管理とする場合は「教育管理」でしょうか?
また、上記の他に「おまけ知識」も同時にしました。(こちらは、範囲広過ぎで書けません)
本題:
1)教育訓練計画
教育訓練はその場その場で必要に応じて行うものもあってよいのですが、企業の人材育成方針に基づき企業ぐるみで長期的視点にたって計画的に取り組むことが望ましいとされています。
監督者としては、事業所ごとに作成される教育訓練計画に現場の訓練ニーズを反映させるように努める必要がありますが、同時に監督者としても部下の指導育成を計画的に行う必要があります。
ラインで作成する教育訓練計画は、ラインの業務に即したものである必要があります。また、全社的な教育訓練計画にラインの意見を反映する場合も、ラインの業務内容から離れるわけにはいかないといった問題があります。ラインにどのような業務があり、それらの業務をどのように習得するかを計画する必要があります。
職能資格制度(企業内資格制度、資格制度などと呼ばれ、社員の職能(職務遂行能力)に応じて、配置や昇進、昇格を決定する制度)に使われる職能資格基準は、もともとこうしたことを意図したものであったようです。ラインごとに遂行しなければならない職務がリストされて、それを習得することで上位の資格等級に進むというもので、職務内容、教育訓練、人事を一体化するもの。しかし職能資格制度の運用の実態を見ると、一般に、その実用性を高めるために職能資格基準が大ざっぱになり、教育訓練の項目としては不足しているのが現状?
教育訓練に必要な項目を抽出することを目的として職務内容をリストし、これをもとに教育訓練計画を立案する必要です。こうした計画を立案せずにカンによって教育訓練を進めることは、ほとんど不可能と思われます。明確な教育訓練計画は、労働者にとっても目標となり、動機づけとなるので重要です。
2)教育訓練の3本柱
企業が行う教育訓練は、OJT、Off-JT、SDの3本柱で成り立ってます。
・OJT:On the Job Trainingは、上司や先輩が仕事をしながら職務遂行に必要な能力を指導する教育訓練方法です。
・Off-JT:Off the Job Trainingは、一定期間職場から離れて行う教育訓練で、企業内で行われる場合や、外部のセミナーを受講するような場合があります。
・SD:Self Developmentは、自己啓発と訳され、労働者自らがその必要に応じて自発的に勉強、学習するものです。通常は勤務時間外に通信教育を受けたり、学習会やセミナーなどに参加するものです。
上記の他に近年では、与えられた仕事をこなす能力を育成するだけでなく、企業の経営戦略に基づいた将来必要となる能力開発を目的としたOJD(On the Job Development)やOff-JDも展開されているようです。
3)指導内容
・知識の指導
知識とは、職務の背景にある理論体系と捉えることができます。通常、講義や講演を通して習得することになります。
・技能の指導
技能とは、頭の中に理論や手法を持っているだけでなく、それらを実際の職務の場面で使いこなす能力のことです。通常、実習や経験の積み重ねなど、実際にその職務を繰り返し行う中で習得することになります。
・態度の指導
態度は、職務を合理的、理想的、効果的、発展的に遂行しようという心持ちのことです。
4)他の訓練方法として
・講義法
講師が受講者の前で言葉を中心として教育内容を伝える方法で、講師が事前に準備した内容を順次伝える方式であるため、知識の体系的な伝達に適していますが、反面、講師から受講者に対する一方通行の情報伝達となるため、受講者の側からいえば学習が受動的になりがちとなってしまいます。
・討議法
会議、研究会等の討議の場を設け、参加者が特定のテーマについて相互に意見を出し合い、討議を進めていくなかで相互啓発を図る方法です。相手の言い分をよく理解し、自分の意見を的確に述べることによって情報の受信、発信能力を高めることができ、また、態度の形成にも効果のある方法です。
・事例研究法
問題解決を要する特定の事例を取り上げて、問題点の所在、原因の探求、採り得る対応策、予想される結果とその評価などについて参加者全員を考えさせ、討議させる方法です。
今週はここまで。(少なくしました・・・というより、時間がありません)
今回の過去出題例
問題Ⅰ
次の教育訓練計画作成に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
①計画案は、教育部課が中心となって現場の協力を得て作成する。
②計画には、企業の重点教育課題や研修コースなどが示される。
③計画の作成は、法律によって事業主に義務づけられてはいない。
④計画の実行には現場の教育訓練に対する理解が不可欠である。
⑤計画は、従業員が自分で能力開発の方向づけをするのにも役立つ。
問題Ⅱ
次のPOS(Point Of Sales)システムに関する記述うち、誤っているものはどれか。
①販売時点情報管理のことをいう。
②商品や顧客データなどの管理に有効である。
③端末を使用し、情報の集中管理を行う。
④バーコードリーダなどの入力機器が利用される。
⑤小売店等の販売拠点のことをいう。
問題Ⅲ
次の自動生産システムの構成機器に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
①FAは本来、効率的生産のための管理や経営をつかさどる「情報の流れ」の自動化を意味している。
②NC工作機械の移動量の司令方法の一つとしてアブゾリュート方式があるが、この方式は、絶対値で司令する方式である。
③空気圧を用いた産業用ロボットは、サーボ制御的な位置制御が困難である。
④ACモーターの可変速制御方式として、一次電圧制御、極数変換制御、周波数変換制御などがある。
⑤超音波モーターとは、圧電素子に高周波電流を流して振動を起こさせ、その振動で回転子を回す仕組みのモーターである。
今回は、問題Ⅰ以外は、おまけ側の問題としました。
答えは次週にupします。
今日の勉強会でも既にテスト結果が出てます。
作業指導
去年度平均63.6点、今年度は平均72.7点(久々に目標値クリア)
おまけ問題
去年度平均62.5点、今年度は平均67.9点(おしい・・・)
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先週の答え
問題Ⅰ-④
問題Ⅱ-④
問題Ⅲ-①
参考解説
問題Ⅰ
労働安全衛生法に定めている総括安全衛生管理者の総括管理する業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
④危険物貯蔵庫についての規則の遵守。
労働安全衛生法(総括安全衛生管理者)第10条 では、
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。
1労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
2労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
3健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
4労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
5前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの。
2総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。
3都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる
問の回答郡記載内容にある「危険物貯蔵庫」は、該当しません。
問題Ⅱ
環境マネジメントシステムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
④環境マネジメントシステムを構築したときには、都道府県に登録する。
EMSの審査登録業務を実施できる機関は、(財)日本適合認定協会(JAB)により、審査ができると、認定されている登録機関です。
(お役所ではないということです)
問題Ⅲ
公害を防止するために、産業活動のあらゆる段階で環境管理を行い、環境負荷の低減を図る必要がある。廃棄物の削減において用いられる語句の組合せとして、適切なものはどれか。
①リデュース、リユース、リサイクル
Reduce(発生抑止)、Reuse(再使用)、Recycle(再生利用)、こちらは、3R推進による環境負荷低減を目的としています。
各都道府県管理の下、3Rにプラスして、4・5・6・7Rなどを推進しているようです。
おまけ:昨年度?「AC公共広告機構」でテーマソングとして使われた、パフュ-ムのポリリズムが一躍人気となりました。
今週はこれにて終了です。次回はまた「○○管理」に戻ります。
Posted at 2008/11/20 00:07:50 | |
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