VANOSフィリスター（続）

フィリスターボルトはカムシャフトとスプロケットインナーハウジングを締結しているボルトです

では、何故こいつらが破断してしまうのでしょう
（Ｓ型だけ該当ですが）

一般的に認知されているのは「強度不足」です
確かに強度も不足はしてはいるのですが
最大の問題は「ボルトの緩み」です

フィリスターには軸方向に±の負荷が加わるため緩みやすく
ボルトが緩むとハウジングのガタによりねじ部が叩かれ破断します
こうなってくると、強度云々の問題ではありません

我々の対策ではボルトの強度を上げますが
ボルトそのものの形状も変更します
（ボルトの強度アップだけでは根本的な対策になっていない）


まさかどこぞのショップみたくエンジン内部にねじロック剤なんて使いませんよ


以前にも少しお話しましたが
強度区分10.9のショルダーを追加工します、旋盤とフライスが必要です
もちろんクリアランス等を含めて現合で加工しますのでポン付けは無理ですね
（必要とあらばインナーハウジングもカムも当然加工します、インロー付けますのでね
ですので、ワシが直接面倒見れないものは不可能なわけです）


しかし、こいつを使うことでねじの緩み、そしてハウジングによる叩かれは
一切無くなります
ロック剤ではなく、機械的に結合強度を上げます


ま、内燃機関屋としてはしごく当たり前なことなのだけど