トヨタ純正部品 ディスク ホイール スペーサー (42615-12010)
ホイールを取り付けるとき、ハブに付いているボルト※1 をホイールの穴に通してナット※1 で締めて装着しますが、その際ホイールが触れる面にスペーサーを挟むことでホイールを外に配置し、車輪幅 (トレッド) をワイド方向へ拡張するためのパーツです。
具体的には片側 10mm、左右にそれぞれ付けて両輪で 20mm 外側にホイール / タイヤを配置します。
※1 車種によっては逆にハブ側にネジ穴があってボルトでとめる車種があります。(外国車に多いのですが、トヨタで言えばクラウンの一部とか、Lexus LS / Lexus LC とか。)
このパーツはもともとオーリス用では無くトヨタの他の車種に設定されているパーツの流用使用で、現時点で私が把握しているのは GR カローラ (GZEA14) のリアだけに設定があります。 (素材はアルミ。)
流用元がリアだけならばオーリスでもリアだけに装着で。(物理的にはフロントにも装着可能ですが、タイヤが周辺と干渉しないか確認が必要でこちらでは確認を取っていません。)
これを知ったのはみんカラでトヨタ純正のパーツを検索で見ていた時に発見!
普段の私であれば社外品でよく見かける同じような機能のワイドトレッドスペーサー (以下ワイトレ) とかスペーサーはよけいなものをかませる、また取付方法によってはボルトのネジのかかりが短くなるため、どちらかというと危険回避の観点から反対派なのですが、なんか純正部品があるって聞くとトヨタが純正で出した部品だから安全なんだろうという認識が上回り、流用大好きな私はいてもたってもいられなくなって流用ができるのか調べてみることに。
その結果、問題なく装着ができるのであれば、どんな変化が現れるのかクルマ好きとして経験しておきたくて取り付けることにしました。
最初に流用元になる GR カローラのホイール関係の数値をチェック。この情報はトヨタの Web サイトから お問い合わせ・よくあるご質問で確認することができます。
(GRカローラをチェック)
https://faq.toyota.jp/faq/show/228
具体的には…
ボルトの本数が5本
P.C.D が 114.3
ハブ穴径が 60mm
ハブボルト穴径が 19mm
…の部分。
また前提条件としてスチールホイール (いわゆる鉄ちんホイール) はホイールスペーサーの対象外です。(ホイールスペーサーが純正アルミホイールを対象に作られているため。)
次はみんカラで最初に流用情報を見かけた方の車種 (Lexus IS300h) を調査。
そしてオーリスの数値をチェックすると、上記の車種と数値が全て一致。スペーサー形状視点で見たとき、難なくオーリスでも取り付けできそう。(どちらかというと、難ありはロングハブボルトとそれを装着してくれるショップ探しが難航しそう。)
ちなみに、そのほかのトヨタ車で装着できそうな車種を調べてみたところ、直近では…
オーリス
ブレイド
カローラルミオン
カローラクロス
ヤリスクロス
C-HR
ハリアー
RAV4 / RAV4 PHV
アイシス
アベンシス
プリウスα / ダイハツ・メビウス
SAI
カムリ / ダイハツ・アルティス
マークX
クラウン (クロスオーバー、スポーツ)
ノア / VOXY / エスクァイア
アルファード / ヴェルファイア
JPN TAXI
Lexus SC
Lexus RC
Lexus RC F
Lexus HS
Lexus IS
Lexus ES
Lexus GS
Lexus UX
Lexus NX
Lexus RX
(たぶん、ソアラ、アルテッツァ、Lexus IS F、Lexus GS F … もしかしたら Lexus LBX もですが未確認。上記数値で調べているだけなので、タイヤハウスのクリアランスについては2代目オーリス以外は未確認。)
…このあたりが装着できそうです。(ただし、別途ロングハブボルトが必要。実施される場合、自己責任でお願いします。)
そして、もう一つ気になるのが強度などの面。
ただ単純に純正だからそのあたりは大丈夫…では済まされません。
流用元の GR カローラは 最高出力 304PS (224kW)、370N・m そして 4WD 車なのでリアも駆動している。
それに対してこちらのオーリスは 116PS (85kW)、185N・m の 前輪駆動車。比較すると数値はだいぶ下回ってます。パワーのある車種で使われているパーツですからこの点は問題なさそうと自己判断しました。
さて、流用装着できそうなことはわかりましたが、そもそも後輪をワイド化するとどのようなメリット・デメリットがあるのか?
みん友さんに聞いてみたり、ネットで調べてみたりしました。
《メリット》
●左右タイヤ間の幅 (トレッド) がワイドになることで安定性が向上。
これは想像に難くないですね。自転車・バイクは倒れますが横方向に二輪あるクルマなら安定するわけでそれが外へ広がることで安定方向へ向かう…と。
特にカーブでの安定性が上がるようで…例えばコンパスで円を描くとき小さい円よりも大きな円を書くときが中心が倒れにくく楽に描けませんか?
傾きが少なくなり安定するようです。
●乗り心地がマイルドになる。
車体の安定感が増すからというのもありますけど、車幅が広がるということは、てこの原理でいうと力点が支点から遠くなるため少しの力を加えるだけでもサスペンションアームが動く事を意味しています。
これまで突っ張っていた、動かなかったサスが動くのですから納得です。
ということは、ワイドになって傾きにくくなるけど、小さな入力でサスペンションが動き傾くのでそれらが複雑に絡み合って状況によってはこれまでとあまり変わらないか、よく動く可能性も。
●見栄えが良くなる。
クルマに詳しくなかったときは前も後ろも同じ幅と思っていましたが、大抵の車種はリアがフロントよりも奥まっていて幅が狭いです。
例えば私のオーリスの場合、
前輪は 1,515mm ※225/45R17 タイヤ装着車
後輪は 1,505mm ※225/45R17 タイヤ装着車
なのでちょうど 10mm (片側 5mm) リアが奥まっています。
これは直進性だけで無くコーナリングや後退時など全体的な性能を考えて…だと察しますが、奥まっていることがなんかかっこ悪いと思われる方も多いようです。 (私はあんまり気にならない派)
ちなみに GR ヤリスは
前輪は 1,535mm
後輪は 1,565mm
で、後輪が 30mm 広いです。(リアのプラットフォームが違う (フロントは GA-B、リアは GA-C) というのは有名な話。)
GR カローラは
前輪は 1,590 mm
後輪は 1,620 mm
で、こちらも後輪が 30mm 広いです。 (スペーサーを外したらリアは 1,600mm でフロントよりも 10mm 広いってこと?)
GR 86 は
前輪は 1,520mm
前輪が 1,550mm
で、こちらも後輪が 30mm 広いです。
スポーツカーはリアが広いようです。
《デメリット》
●カーブの進入時などでステアリングレスポンスが鈍くなる。
ステアリング操作に対してのレスポンス…初期応答がちょっと悪くなる程度の変化があるようです。
●ホイールナットの緩みやハブボルトの折損
てこの原理で小さな力でサスペンションが動くということは、支点やそれ以外の部分にこれまで以上に負荷がかかるということです。
つまり思っている以上にハブボルトに力がかかっていることが想像できますし、振動が発生してナットが緩みやすくなったりする可能性はあります。
そうなると日常点検がとても重要になってきます。
週1、最低でも月1は必ず点検したいところです。
●足回りの重量増加につながる
スペーサーの重量を量ってみましたが、1個で372g、左右で 744g の増量になります。(写真4)
バネ下重量の1kgの増加は、バネ上荷重10kgの増加に相当するといわれているようです。 スペーサーの重量が重いほど、サスペンションの動きも鈍くなるため、ハンドリングや路面への追従性が悪化する点に注意が必要のようです。
《車検や装着について》
https://youtu.be/2M6fdHB7Pvw?si=eTvcto1j9v_q4cRq
またホイールスペーサーを付けただけで車検がダメということは無いようですが、付けたことでフェンダーやホイールハウスからタイヤやホイールがはみ出すとアウトなのでこの点も注意が必要ですし、ハブボルトが折れて脱輪…なんてあると人命や他人の財産を壊すことにもつながりますのでメンテナンスは心して日々行う必要があります。
そうした点で車検時、検査官次第では厳しく見られるでしょうね。場合によっては外さないとダメとか装着したままでは通らないこともあるかもしれません。
また、クルマに詳しくない方の装着や安易な装着、メンテナンス不足が問題を起こしやすいため、ディーラーやカー用品店でも取り付けを断られるか、嫌がられる可能性が多いと思われます。(装着に関連する長いハブボルトに交換することを相談したらカー用品店では「競技用パーツの装着はやっていない」と断れたりもしました。逆を言えばレース車両を作成したりカスタマイズしているショップは技術と知識において積み重ねもあるのですぐに受けてもらえそうですね。)
万人にお勧めできるパーツでも無いですし、むしろクルマに詳しい方できちんと管理、メンテができる人こそメリットを享受できるというパーツだと思います。
色々考えると悩ましいパーツです。
《取り付けた後の感想・感触》
このパーツレビュー作成時はまだ装着はしていません。(写真は写真撮影のためにノーマル状態に仮で装着したもので撮影終了後元に戻しています。ノーマル状態への装着はボルトのネジ山の長さが短くなりかみこみが浅くなること、ネジの外側に装着されるため強度、振動、緩みの問題があり大変危険です。 本番装着ではロングハブボルトに交換します。)
追加情報や詳しいパーツレビューは文字数制限でこのパーツレビューに書き足せないことから、装着後新たに再レビューを作成しました。
価格は1個、消費税込 (10%) の価格です。 (リア用として左右分2個必要です。)
また、これとは別に別途長いハブボルトの購入、交換が必要です。(例:[トヨタ純正部品] 90942-02098 / [協永産業株式会社] SBT など)
(情報提供)
andy- さん。 (Lexus IS300h)
パーツレビュー、整備手帳ありがとうございました。発見してなかったら「これ、付けてみよう!」とは思わなかったと思います。
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(オ-1,168-TGP299)
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製品外観。包装はかなり簡易的でエアキャップ (プチプチ) で包装されているだけ。
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GR カローラ で使用されている部分はリアサスの水色で示した部分です。
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重量は1個で 372g とまあまあの重さ。
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厚みは10mm。このぶんだけタイヤ (ホイール) が外に出てきます。
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外径は約 150mm。(ちなみにハブボルトが通る穴は直径が約 14.5mm でした。)
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この 150mm というサイズは純正ホイールの面と同じ外径でした。
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ハブ径はハブの部分と同じ 60mm。ここがハブに代わってホイールと接触しホイールの中心を出します。
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もちろんですが純正ホイールにバッチリ装着できて中心を出してくれます。(かなり小さなガタはあります)
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内径は必要な情報ではありませんが測ってみると 54mm でした。
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こちらは裏側。手前の内径はハブ側のでっぱりと同じ 60mm でハブ側でっぱりが入って中心をだします。
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よく見ると 1mm ほどの余裕があります。(この写真は仮に当ててみただけなのでボルトはノーマル。)
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ノーマルでのタイヤ、ホイールのはみ出し量。ノーマルでもちょびっとぐらいはありますが、ノー問題。
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こちらは仮にノーマル状態 (危険) で取り付けてみた時。さすがに 10mm だと結構出ます。
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上方はタイヤハウスに入っていて中の金属部を切って曲げたりするツメ折りとか不要かと。ほどよい感じです。
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ただ…上にはリヤホイールハウスライナーを留めるスタッドボルトとクリップが。かわせると思っていますが…
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