松代大本営跡

安易に「おすすめ」出来る施設ではないが、先の大戦について考えるうえでは欠かすことの出来ない場所。

大戦末期、東京が防衛には適さないことから首都機能の移転先として松代が選ばれた。空襲に遭っても機能を維持できるよう、総延長10kmに及ぶ3つの地下壕が掘られ、工事の75％まで進んだところで終戦となり、結局使われることはなかった。その内の一つ、政府機関･放送局･電話局が入る予定だった象山地下壕の一部が整備され、公開されている。

工事に当たっては日本人3千人、朝鮮人6千人が徴用されたが、市のパンフレットにある「食糧事情が悪く…多くの犠牲者を出した」という事実はなく、実際は一人1日7合の白米を配給され、犠牲者は数名程度。中には現地住民と恋愛結婚した者もいた程で、当時の食糧事情を考えればむしろ厚遇されていたとさえ言える。

内部は一年を通じて気温16度程で、何も考えなければ夏涼しく冬暖かい、快適な史跡巡りとなるが、実際ここに首都機能が移転する時とはどういう状況か、ということに出来れば思いを馳せて欲しい。

なお一般に「大本営跡」と呼んでいるが、本当の大本営跡は象山地下壕から南に2km程のところにある舞鶴山地下壕（現気象庁精密地震観測室）。こちらには皇居となる予定だった建物が改修されて現在も使用されている。戦史に関心のある人はこちらも是非訪れてほしい。

松代象山地下壕
入場料：無料
開館時間：9時～16時（入坑は15時半まで）
休み：第3火曜、12/29～1/3
駐車は象山東駐車場（長野市松代町松代1460-3、無料）へ

住所: 長野県長野市松代町松代479-11
電話 : 026-224-8316