PIAA ウインカー用LEDレギュレーター　H-540  

　本製品は、ウィンカーをLED化した際に生じるハイフラ現象を改善する為のパーツです。

　通常、ハイフラ防止策としては純正ウィンカーリレーを社外製のICリレーと交換するとか、メタルクラッド抵抗の類を装着するのが主に採られる手段です。
　しかし、純正リレーを交換したくないし、かなりの温度で発熱する抵抗の類を普段見えない場所に設置するのも嫌だと言った場合、LED化してハイフラを防止する手段が無くなってしまいます。また、今回のsueスポのようにICリレーに交換したら不具合が生じてしまった場合は、ICリレーの選択肢はありません。そして私も上記のように抵抗を付けるのは回避したいと思っていたので、そんな要望を持っているオーナーにとって、この商品はうってつけの商品かもしれません。

　PIAAのHPから本製品についての説明の抜粋を以下に転載します。
　・先進のマイクロコンピューターが純正バルブ使用時の信号を記憶。フラッシングなどLED特有の異常を自動感知し記憶された信号を出力して補正。
　・ウィンカー信号を常に自動感知。バルブに異常が起きた時には純正の異常警告機能を動作させるなど高い制御精度を誇ります。
　・フロント/リアの4箇所に対して、1つのLEDレギュレーターで制御することができます。
　・PIAA LEDウィンカー専用になります。ウィンカー球は用途に合わせて２種類４規格をラインアップ。お客様のお車の形状に合わせてお選びください。


　さて、Valenti製のICリレーのパーツレビューで述べましたが、sueスポは以下の２つの不具合を抱えてしまいました。

　不具合１：テールレンズのウィンカーがLEDになった事でドアロック時のミラー自動格納機能がうまく機能しなくなった。

　不具合２：ICリレーとの相性が悪く、ウィンカー動作復帰時にパニックを不規則に起こすようになった。


　今回の商品の導入の狙いは、純正ウィンカーリレーを使用しながらもメタルクラッド抵抗の類を使用せず、上記の2つの不具合を改善するというものでした。

　旧車でもない限り、消費電力を抑えたからと言ってメリットがあるなんてことは無い！というのが私の持論です。

　最近の車はきちんと設計されていますので発電容量が足りないなんてよほどのことがない限りありえないでしょう。
　今の車は電子デバイスのオバケです。それこそ、緻密な計算や設計の下に成り立っているわけで、ユーザーが下手に節電してそのバランスを崩すと返ってトラブルを招きかねないと思っています。今回sueスポに生じている不具合もそういったちょっとした変化が原因だと思っています。

　個人的な趣味として本製品で気になったのは、本製品のハイフラ防止の補正方法でした。
　説明書を読んでもネットを徘徊してもどのようにして補正しているのか？という事についての記述は見つけられませんでした。
　しかし、本製品の車体への接続方法と純正リレーを使用したままでハイフラを防止できる点から、LED化することで純正ウィンカー球に満たない分の電力消費量を本製品が計算して補っている（LEDの代わりに電力を消費してくれている）のではないか？と推測しました。

　もしこの推測が当たっているならば、不具合１のミラー自動格納機能は、この製品を装着する事で改善できるかもしれないと読みました。

　結果は推測通りとなりました（＾＾）ｖ

　この結果から、このH-540の動作原理は恐らくこうです。

　１）純正ウィンカーの点滅速度を記憶する。この記憶と言うのは速度だけを記憶しているのか？は定かでない。

　２）次にウィンカーをLED化する事で一時的にハイフラ化するが、H-540はウィンカー回路内に徐々に電力消費量を増加させていくことでハイフラを改善してく。

　３）H-540が消費電力量を適正化させることで点滅速度が最初に記憶した点滅速度と同期したところで補正処理完了。

　４）以降、ウィンカーはLEDになっても内部（消費電力量）的には電球を使用していた時と同じ状態が維持され、車両側はハイフラ化することなく正常動作をする。


　最後に注意点？ではありませんが、H-540をご使用になっているオーナーさんの中に「抵抗を使うこと無しにLED化の省電力の恩恵を受けられた」と誤解？されておられる方がおりました。
　
　上記の事から、本製品を使用した場合に消費電力の変化は無いと思われますので、省電力というメリット？も無いと思われます。参考までに・・・

　価格のほうがちょっと高価なので評価のほうは★４つです。価格さえ納得できれば、おススメの製品だと思います。