DG64wにETC取り付けを行い、高速乗り入れ試験を行った時、それは突然訪れた。
大坂峠を登り始めた矢先、
とつぜん4000回転以上回らなくなり、アクセルを踏んでも速度がじりじり落ちていく。
そして明らかに1気筒が死んだ振動。
そのまま寄せて確認するが、起動は出来るものの、エンジンの振動と回転数に応じたリズムの異音は完全には消えない。
翌日、いつもの主治医さんに持っていったところ
3番シリンダーの圧縮が低い。
なんの前触れもなかった。
売り手にも予測は不可能だったろう。
そもそも、星越峠をハイペース往復して、くだんの多少の白煙以外何の異常もなかったのだから。
現物修理もリビルド載せ換えも、おそらくさほど値段は変わらない。
20万オーバー待ったなしとの予想。
それでも合計すれば状態のいいDG64wとしては平均的な価格であり、資金があるならそうしたかもしれないが…
やってやれない訳ではないが、カードが空っぽになる。
本末転倒を通り越して、明日の私が借金に沈む。
大いに悩む。
どうしよう…(´・ω・)
ふと、最初に折衝を持ち掛けようとした、
あのDA62wが思い浮かぶ。
同じ値段を出すなら、信頼感のある店でずっと運用されている車のほうが、先々安心できるのではないか…?
思わず私は、修理代車を「それ」でリクエストした。
そして、しばし乗りながら考えた。
………。
翌日の業務終了後、私は意を決して、再び高松の主治医のもとを訪れた。
厚かましいことだが…
この車を引き取るなら、いくらでお譲り頂けるか。
工場長の親方、苦笑w 「まあそうやろなぁw」
「引き取りはそれで構わんから、値段はもう事務所で交渉してきてw」
事務所「はい今聞きました!
もう5万でええですよw」
…そんな、そんな…そんなんでいいんですか、本当にいいんですか…;;
事情を汲んで、見かねて、半ばお友達価格で譲ってくれることになったのです。
もう、アルシオーネ時代からずっとずっとの信頼関係。
黒ゲートも、黒ゲート二世号も、デミオもセルボもぜーんぶ何かあったらお世話になりっぱなしで…
この状況でなかったとしても、10万から15万ぐらいで考えてくれていたそうで。
ああ…最初からそうしておけばよかったんだ…;;
このDA62wとの出逢いは、お引越しの時。
疲れから、うかつにも縁石のような田んぼの囲いにフロントタイヤをぶつけ、バースト&アルミ割れ&ストラット歪みという結構な事故をやってしまった時、修理代車として出してくれた。
いざ乗って見ると、鈍重な先入観とは裏腹で、じつに軽快に走る。
車重の分、出足はそれなりだが、タービンが回り出せばいとも簡単にそこらの車をうっちゃる。
おまけに、最後に家に残った荷物を、デミオでも成し得ない能率で、あれよあれよと飲み込んでは吐き出し…あっという間に旧家がカラッポになった。
あの時すでに思っていた。
そういう車選びの道もあったのかな?と。
あれから約4年。
未だ健在なその姿を、何度も見ていた。
ただでさえ頑丈で信頼性の権化のような車に、百戦錬磨の親方の的確な整備。
この車、10年後でも平気で走ってそうね…とか思ってました。
そして、まさかの譲渡。
これが運命とかいうやつだったのかもしれない。
一方のDA64w、ゼロ査定は免れ
某大手業者の高知店舗が引き取り、60000円を回収した。
掛かった金額と差し引きすると、結局くだんのDA62wを24万で買ったのと同じ計算になる。
13万キロ走行を勘案しても、市場相場的にもそれなりに妥当な価格だ。
しかも、近年中古品ながらエンジン交換してるという。
私が借りた時より調子が上がっているのだ。
長く乗っていける条件が整っている。
おまけに車検残が1年以上。
やはり、最初に声掛けすべきは、この店だったんだ…。
お支払いまでのしばらくの間、私の他車特約で乗ってていいよとなって
暫定納車となっています。
DGのアルミ&7部山タイヤや新品バッテリ、LEDなどをポンポン剥ぎ取って移植。
ジッキアップしたと思ったら
「Gさん自分でできるやろ?ほれエアツール。こっちが締めでこっちがユルメ、締めは1でユルメが5、ほなやったって」あ、はいw
工場長のひとりごと(手ぇ出したら工賃が発生するけんなぁ…) 親方…すみません;;
昨日はそんな感じで、一日整備士になりきり、この車と語り合っていました。
工場長さんと事務所にお礼を述べて
近くの京浜急行を撮影(ことでんですw
田舎風景に添景のように馴染む、白い軽トラ。
でもひとたび走り出せば、それは侮りがたい俊足ランナー。
紆余曲折というか、波乱万丈というか
数奇な出来事の末、けっきょく最後の到達点は、ここでした。
今度こそ、走り出せます。
出逢ってから、4年。
ありがとう、お前がそこに居てくれて…
Posted at 2023/02/05 11:02:43 | |
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スクラムエブリイDA62 | 日記