目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
クラッチの繋がる位置がかなり手前で操作し難いので調整します。
一般的なマスターシリンダーを用いた機械式の油圧クラッチなので、基本的な部品構成は多くのマニュアル車と共通です。
調整はマスターシリンダーとクラッチペダルを繋ぐプッシュロッドの長さを変更することで行います。
プッシュロッドを短くすれば、繋がる位置は奥へ移動します。
バイクのクラッチ調整をした事がある人はイメ-ジし易いかと思います。バイクはワイヤ-の長さで調整。車はプッシュロッドの長さで調整です。
2
狭くて場所が悪いのであまり分かりやすい写真が撮れませんが・・・。
クラッチペダルの上の方。レバーの支点がある所です。
ペダルの手前側にスイッチ(クラッチ接続確認SW)、ペダルの奥側にスイッチ(クラッチスタートSW)があります。基本的にここは触りません。
また、ペダルストロークを決定するストッパー(白いブッシュ)が前後についています。※後述
今回調整するプッシュロッドの調整を行ってもペダルストロークは変化しません。繋がる位置がどこになるか?ってだけが変わります。ストローク量を変えたい場合はこのブッシュの変更が必要です。
3
奥側のストッパー(白いブッシュ)です。
これがクラッチペダルがどこまで奥にストロ-クするかを決めています。
4
ペダルを踏み込むと手前側のストッパー(白いブッシュ)が見えます。
これがクラッチペダルがどこまで手前にストロークするかを決めています。
上記の奥側と手前側のストッパーの厚さを変更すると、ペダルストロークを短くする事もできます。(スイッチの位置調整も必要になります)
5
あまりやらないと思いますが、手前側のスイッチはクラッチペダルの手前側のストローク調整にも使えます。
スイッチの前後がロックナットで固定されているので、ナットを緩めるとスイッチの突き出し量を変えられます。結果としてストッパー変更したのと同様に手前側のストロークが変化します。
純正状態でほとんどMAX突き出し量なので、手前側へのストロークを増やす方向での調整にしか使えませんね。
6
ここから本題の繋がり位置調整です。
奥側のストッパーの直ぐ上にプッシュロッドとペダルの接続があります。
プッシュロッドにはネジが切ってあり、ペダル側の金具にネジ込み+ロックナットで固定されています。
このネジを利用してプッシュロッドの長さを調整できます。
7
ちょっと位置を変えてロックナットが見えるように撮影。(調整の為、ストッパーを外してあります)
このロックナットを緩めて、プッシュロッドをペンチなどで挟んで回します。かなり狭い場所なのでロングノーズタイプの工具の使用をオススメします。
プッシュロッドのネジ込みを締める方(右回し)に回すと、プッシュロッドが短くなりクラッチの繋がり位置が奥に移動します。
長さを1mm調整しただけでもクラッチの繋がり位置は数cm変化するのでよく確認しながら調整していきましょう。
好みの位置まで調整できたらロックナットを締めて固定しましょう。
8
調整に関しての注意事項です。
●繋がり位置を奥に調整した場合
1)クラッチペダルを完全に奥まで踏み込んだ状態でクラッチが完全に切れている事を確認してください。
2)そこから更に30~50mm程度ペダルを戻してもクラッチが完全に切れている事を確認して下さい。
3)もしクラッチが繋がり始めてしまう場合はプッシュロッドの調整をやり直して下さい。
●繋がり位置を手前に調整した場合
1)クラッチペダルを完全に繋いだ(ペダルが戻っている)状態でクラッチが完全に繋がっている事を確認して下さい。
2)そこからペダルを5mm程度踏み込み、クラッチが完全に繋がっている事を確認して下さい。
3)もしクラッチが繋がりきっていない場合はプッシュロッドの調整をやり直して下さい。
調整を行った場合は上記を必ず確認して下さい。
クラッチ切れ不足により変速不能や、走行時に常時半クラッチ状態となりクラッチ板の磨耗と過熱による損傷を引き起こしたりします。
なお、クラッチディスクの磨耗が進むとクラッチの繋がり位置は自然と手前へ移動します。あまり繋がり位置を手前に調整しすぎると知らぬ間にクラッチの接続不良に陥る可能性があります。
・基準値
→クラッチペダルの遊び:5mm
→切れた位置からの最大まで踏み込んだ位置までの動き:30~50mm
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