イイね！って難しい

本題に入る前に。
この記事の内容については、特定の誰かを非難する意図があるわけではありません。
内容的に、行為に該当する方に不快な思いをさせてしまうかもしれませんが、批判も非難もしているわけではなくて、あくまで私個人が感じたこととして書き綴る物です。
その点をご理解いただけると幸いです。
また、同じことがTwitterのReTweet(RT)にも言えるのですが、これを加えると激しくややこしくなるので、敢えて割愛させていただきました。




このみんカラにもFacebookにも、「イイね！」というボタンが用意されています。
気になった、共感したなどという意思を手軽に示せるという意味ではとてもいい機能だと思います。
（他のブログサービスでも類似の意思表示機能は存在してますけどね）

しかし以前、このイイね！ボタンについて考えさせられる意見を聞く機会がありました。
それは車とはまったく別の趣味での友人がFacebookを利用していて感じているということ。
以下は私が記憶している範囲での彼の意見を意訳したものです。


『Facebookにはイイね！ってあるんだけど、俺の友達登録してる人のひとりが
とにかく片っ端から俺の投稿にイイね！するんだ。
ちゃんとした内容の投稿だけならともかく、それはもう超くだらねえ一言とかにも
もれなくイイね！の絨毯爆撃をしてくれる。
（う○こしてぇ！→イイね！みたいな具合で。意味わかんねえよ！！）
さすがにちょっと困ってる。友達登録外そうにも、なまじ面識があるからな』

そして彼はこう続けました。

『これまさに、「イイね！テロ」だ！』


最初聞いたときは穏やかではないなと思いました。テロという表現にです。
しかし、しばらく考えて、逆にこれはまた上手い表現を使うものだなと感心しました。

彼の友達登録をしている人、仮にAさんとしましょうか。
Aさんが彼の投稿にもれなくイイね！をつけるのは、Aさんが思うところの友情の印なのかもしれない。
しかし彼はその行為に辟易として、ついにテロという表現を用いるほどに困ってしまっている。

価値観の違い、思いの行き違い、これって現実のテロリズムにも通じるところがあるのではないかと。
テロリストと呼ばれる人達にしてみれば、彼らが行う行為は彼らにとっては正しいと信じている道なのでしょう。（テロリストと呼ばれることそのものが心外だと感じるのではないか）
しかし受ける側にしてみればそれは甚だ迷惑な代物で、戦争を起こしてでも根絶したいと思う類のもの。
平和的解決を行えないのはどっちにしても褒められたものではないわけですが、価値観の相違がそれだけの行き違いを引き起こしてしまうのだなと。


イイね！に話を戻すと、正直わからんではありません。
片っ端からイイね！する人ってのは本当にその記事に対して「イイね」って思ってるの？と思うことがあるからです。
まして普段コミュニケーションがない相手だったりすると、余計に相手が何を考えているのか理解していない分、真意を測りかねる部分はなきにしもあらずということで。
その意味では、興味を示し、その人がどう感じたかを知りたいときはコメントやトラックバックの方が正直有り難いと思いもします。
しかしコメントやトラバって結構労力使いますからね。コメントするほどでもなければ、イイね！になっちゃうのも理解できます。


なんでこんな行き違いが起こるのかなと考えてみたところで、私は「イイね！」という言葉そのものに原因があるのではないかと考えました。
日本語でイイね！という言葉に抱く印象は、それに共感している、良いと思っているといったところでしょう。
決して良くない内容（犯罪や災害に関する内容や、楽しくなれない記事）に対して「イイね！」とするのに私は実は抵抗を覚えています。
しかしイクナイね！ってボタンがあるわけでもなし、仕方なくイイね！を押すわけで……
で、外国はどうなの？と思ってFacebookの設定を一時的に英語にしてみたところ、「Like!」であるということを知りました。……マジかよ。

Likeであれば、好きとか興味があるとかって意味でしょうから、イイね！よりもずっと汎用性のある言葉です。
必ずしも共感しているという意味にはならない分、イイね！よりは使いやすいし、良くない内容であっても興味を抱くという意味でLikeするのであれば抵抗感はありません。
なるほど行為の本質を端的に捉えた言葉じゃないですか。つーか誰だよ、最初に「イイね！」なんて訳したの！！


まあ、イイね！にしろLike!にしろ、中身が伴ってない絨毯爆撃自体はよろしくないことに違いないんでしょうけど、言葉一つでこうも受ける印象が違うのかと思い知る次第。
しかし中身が伴っていたとしても、結果として片っ端から付いていたら、やはり受け手としては考えるところはあるでしょうね。（特に日本のイイね！の場合だと）

何にしてもこの手の物の扱いってのは本当に難しいです。
使い方一つで好意にも悪意にも化けるんですから。