フリックアップとリアストレーキでの空気の流れの比較

今回はせっかくフリックアップを作ったので、タフトを付けて空気の流れを確認してみました。

組み合わせとしてはフリックアップ有り無し、ストレーキ有り無しで4パターン＋ブラケットとストレーキで合計5パターンで行い、タフトがどう変化したか見ています。

注目すべき点としてはタフトの向きと振れ方の2点です。

振れ方は写真では伝えられないので動画で確認していただければと思います。

まずはフリックアップなし、ストレーキなしの何もつけていない状態です。

タフトの曲がり具合から見て盛大にタイヤハウスに空気が入り込んでいます。

次はストレーキのみ装着した場合です。

何も装着していない上の写真と比べると、若干ですがタフトの曲がり具合が変わっており、ハウス内への流れが変わっていることがわかります。

三つめはフリックアップあり、ストレーキなしです。

以外にもタフトの動きはストレーキだけ付けた場合と大して変わらないくらいの曲がり具合です。

4つ目はフリックアップとストレーキどちらも装着した場合です。

タフトは他と比べて後方に向かっており、また振れ幅も少ない流れです。
今回の実験では最もタイヤハウスに入り込む空気が少ない組み合わせとなっています。

空力的にはフリックアップとストレーキ両方付けた状態がベストと言えそうです。

以前紹介したS2000のモデューロ製リアストレーキの商品構成が、ボディサイドの取り付ける部品と床下に取り付ける部品の2つの部品構成である理由が恐らくここにあるのではないかと思います。

最後にブラケットとストレーキを装着した場合の流れを視てみましょう。

ブラケットは車体正面から見てタイヤが見えないように、タイヤの幅に合わせて作っています。

タイヤハウスに入り込む空気は少ないようですが、速度が上がるに連れて時折タフトが車体の真横に向かって動くことがあります。

数値で評価できないので何とも言えないけれど、ストレーキなどに代表される板形状は流れを大きく飛ばすことが出来るので、タイヤハウス内の圧力を下げることでリフトの軽減には成功しているのかもしれませんが、代わりに空気が明後日の方向に剥離しすぎてCd値は酷く悪くなっていることが予測されます。（剥離流の拡大＝抵抗増）

もしこの構成で走るなら、ブラケットをもっと小さくして剥離域を調節するか、素直にカナードを付けたほうが簡単かつ効果的なのではないでしょうか。

最後に今更ですが、こうやって車体サイドにカメラを取り付けた場合に公道を走行すると、道路運送車両法でNGになる場合があります。

私が調べて解釈した限りですが、外装基準が更新された為に車の年式が2009年以降の新車登録だと基本的にNGになります。

また10mmを超えて突出している装飾部品としては10daN（≒10㎏）の力が加わったときにたわむ、あるいは脱落などすることと定められており、サクションカップでは耐荷重が300g（安全率を5としても1.5㎏）で外れることと、指定部品としても簡易的取付にあたるので、担当官にもよるけど写真の場合にはぎりぎりグレーな範囲だと思っています。

もちろん突起物が外に向かない&他人に迷惑が掛からないようにすることが大前提ですので、撮影される方は自己責任かつサーキットや私有地での撮影をお勧めします。

詳しくはhttps://www.mlit.go.jp/common/000190448.pdfをご確認ください。
あとこことかもhttp://www.aiseishin.jp/qa/shiteibuhin.pdf