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2011年08月31日 イイね!

三菱360 ライトバン・デラックス(1962~1964)

三菱360は1961年にデビューした、三菱初となる軽4輪車です。
戦後すぐの1946年から始まったオート3輪の生産経験を生かして水島製作所で製造されました。
ボディ後半をノッチバック・セダンに改めた「ミニカ」(1962年~)やボディをキャブオーバーに
改めたミニキャブ(1966年~)のベースともなり、三菱の軽4輪の原点にして
三菱自動車躍進の原動力となりました。

シルバーピジョン・スクーターやみずしま/レオ・オート3輪が戦後復興の先駆けならば
360/ミニカは500やコルトと並ぶ中興の祖と云えるでしょう。

ミニカ・バンと言われることも多いですが「三菱360」が正式名称です。
前述のとおり、三菱360から派生したのがミニカなので順序が逆になってしまいます。



屋根は大きく凹み、フロントガラスは粉々に砕け散っていますが、ガラスの破片が大量に
残っているので割られたのは移動の際にユニックで吊りあげた時のようです。
運転席側のドアウィンドウには波板が嵌め込まれているので、もしかすると物置として
使っていたのかも知れません。

ボンネットに走る2本のアクセント・ラインが、アウター式ヒンジに繋がっているデザインが
なかなか洒落ています。
隣のオールニュー・レオーネと比べると、360軽が如何に小さいのかがわかります。



最初期モデルではターンシグナル・レンズはグリル内に納まっていますが
こちらはマイナーチェンジでグリル下に移されたモデルです。
おそらく1962年のミニカ登場時の前後にマイナーチェンジが行われたと推測されます。

1964年のマイナーチェンジではグリル形状がスクエアなものになり、グリル下には
4つの長方形の孔が並んだデザインに変更されます。
エンジン型式がME24になり、2ストローク・オイルの分離給油化、リードバルブ採用により
出力が18馬力(従来は17馬力)に上昇しています。

全国的に見ても最初期型や、この初期型は残存率が低いように思います。
初期モデルはあきらかにフォード・ファルコンを意識したデザインで、オーバル形状の
フロントマスクやフロントフェンダーから走るサイドのプレスラインにも強い影響が感じられます。
同時期のトヨペット・クラウン(40系)もまたファルコン・ルックを採用しています。



デラックスなのでリヤゲートは上下開きで、スタンダードでは横開きとなります。
アッパーゲートは現代のガラスハッチのように独立して開くことが出来ます。
後席のサイドウィンドウにはSTD/DX共にスライド式ガラスが採用されています。
サイドモールはデラックスにのみ備わります。

ドアはリヤヒンジの前開きで、いわゆるスーサイド・ドア(自殺ドア)です。
これは半ドアの状態で走行中、風圧で開いてしまう事故が多発したことから付けられた
ありがたくないニックネームです。

アーリー60sらしい、リヤフェンダーのディープスカート形状がたまりません。



なんだかヨレヨレな感じの、ユニークな「de-luxe」のエンブレムがリヤゲート右下に備わります。



本来はステアリングに逆台形のホーンリングが備わるのですが、破損しています。
扇形のメーターには中央に速度計、左側にH(ハイビーム)C(チャージ)インディケーターと
右側に燃料計が整理されて納まっている美しいものです。

下側にはターン・インディケーター(左右独立)と、オドメーターが配置されています。
当時の多くのクルマにはトリップメーターは備わっておらず、後付け品が流通していました。

ボディ同色(鉄板剥き出し)のインパネに並ぶスイッチはW(ワイパー)とL(ライト)はわかる
のですが、「S」が何を意味しているのかがわかりませんでした。

細長いサイドブレーキ・レバーやDX専用の赤いシートがセンスよく、様々な制約の中で
豪華な雰囲気を演出しています。
乗用車同様の扱い易いコラムシフトを採用、スバル360がRRのフロアシフトだったのに
対してFRならではのアドバンテージでした。
メーターの真下には独特のシフトパターンのラベルが残っていました。

カタログには、今日では常識となったオートストップ・ワイパーやオートキャンセラー式の
方向指示器がアピールされていました。
グローブボックスが無い代わりに、手荷物を入れておける大きなパーセルシェルフが
備えられているのが良心的です。



初期型の三菱360は良い意味での野暮ったい外観と、ハイセンスな内装が素晴らしいです。
後期型となると「東欧風」とか「共産圏」みたいと揶揄される地味な雰囲気になってしまいます。
これには三菱が小型車のコルトシリーズに注力していったことも関係あると思われます。

アメリカ車そのもののミニカのテールフィンといい、初期モデルでは三菱が相当な期待と自信を
込めて送り出したのが伝わってます。
Posted at 2011/08/31 13:21:20 | コメント(5) | トラックバック(0) | 三菱 | クルマ
2011年08月29日 イイね!

Mercedes-Benz SLS AMG

今回御紹介するのはメルセデスのフラッグシップ・スーパースポーツ「SLS AMG」です。
メルセデスのチューナーとして有名なAMGの手による、初の独自開発モデルとなります。

ポジション的にはSLRマクラーレンの後継モデルとなりますが、マクラーレンが開発を主導し
往年の名車300SLよりも、マクラーレンがコンストラクターとして手掛ける現在のF1や
ランボルギーニ・コンプレックスを感じさせるバーチカル・ドアから脱却した
オリジナルの300SLに忠実なプロポーションやガルウィング・ドアなどが特徴です。

ヘッドライトは縦型で、300SLRや300SL/190SLロードスターを彷彿とさせます。
目元には格納式のヘッドライト・ウオッシャーが装着されています。



外観上の最大の特徴はやはりガルウィングです。
このスタイルは「BTTF」のデローリアンが有名でしょう。
よく混同されますが、ランボルギーニのドアはガルウィングではなく
バーチカル・ドアやスウィングアップ・ドアと呼ばれる別の形式です。

トランクリッドには昇降式のスポイラーが備わっており、マフラーエンドは
バンパーインテグレーテッド・タイプとなっています。
鍛え上げられた筋肉のようなウェストラインや、小さめのテールレンズやシルバーの車体色と
相俟って金属の塊感の強い造形は、ディティールに頼らずにスーパースポーツの
オーラを演出しています。



ロングノーズ・ショートデッキのスタイリングは古典的ながら、いつの時代も変わることのない
スピードの象徴として、強烈なインパクトを見るものに与えます。

メルセデスのスポーツモデルといえば「シルバー・アロー」の銀色でしょう。
赤い内装とのコントラストが非日常的なSLSに相応しい雰囲気です。
「シルバー・アロー」とは、レースに於いて車輌重量がレギュレーション規定値から1kgオーバー
してしまった対策として、塗装を剥がして軽量化しアルミ剥き出しの状態でサーキットを
駆け抜け優勝した際に奉られた愛称です。



ノーズの長さが凄まじいです。
ボンネットの後端には熱気を抜くためのダクトが備えられ、その高性能を静かに語ります。
グリルとフードの先端には世界に覇を唱えるスリーポインテッド・スターが輝いています。



長い鼻先に納まるエンジンはV8・6200cc・571PS/66.3kgのモンスターで
フロント・ミッドシップにレイアウトされ後輪を駆動します。
ゲトラグ製7速「AMGスピードシフトDCT-7」トランスミッションは重量配分に優れた
トランス・アクスル配置となっています。

この特別なエンジンは1人のマイスターによってハンドメイドで組み上げられ
その証明としてサイン入りのプレートが装着されています。



高性能を隠さない巨大な放熱ダクトと、アクセントの2本のモールディングが
長いフロントフェンダーを退屈なデザインになることを防いでいます。
カー用品店でダミーの「ベンツ風ダクト」が売られていますが、やはり本物は格が違います。



いかにも剛性の高そうなワイドなサイドシル、滑り込むような低いシートポジション。
ドイツの工業製品らしい合理的で機能的なセンターコンソール、眩しい鮮烈な赤いレザー内装。
オリジナルの300SLへのオマージュが込められたエアコン吹き出し口。

スーパースポーツでありながら決して華美に走らずに、飽くまで機能的であろうとする姿勢は
「最善か無か」を掲げるメルセデスの良心を感じさせます。



こちらがオリジナルの300SLです。
シルバーのボディ、赤いインテリア、特徴的なガルウィング、フロントフェンダーの放熱ダクト。
現代風に翻訳しているとはいえ、AMG SLSがオリジナルの300SLにかなり忠実に
造られていることが伝わってきます。



こちらは300SLRです。
AMG SLSのヘッドライトのデザインに影響を与えたと感じます。



参考画像として、300SLR(手前)とマクラーレンSLR(奥)のツーショットを上げておきます。
ガルウィングドアとバーチカルドア、印象がかなり違うのがわかります。
F1のノーズコーン風のフロントや、当時のメルセデスのトレンドであった丸4灯ヘッドライトなど
オリジナルとは関連性のないデザインが多く見受けられます。



SLSは正直なトコロ、外観の派手さではマクラーレンSLRに劣ると思います。
その価格帯や顧客層を考えればマクラーレンSLRのような華美なスタイルが望ましいのは
当然ですが、メルセデス自身がその誇るべき革新と挑戦の歴史を振り返った時
オリジナルの300SLを尊重したのは当然の帰結であったと思います。
Posted at 2011/08/29 16:02:20 | コメント(5) | トラックバック(0) | 欧州車 | クルマ
2011年08月28日 イイね!

利尻・礼文島旅行記③

利尻島をぐるっと1周したのち、セイコーマートで朝食を済ませてから
テントを撤収、荷物を積載しました。
9:00頃には沓形から鴛泊に戻ってフェリーのチケットを購入しました。
鴛泊~香深航路は2等船室830円+特殊手荷物運賃1910円です。

鴛泊~香深航路と香深~稚内航路で乗船したのはフィルイーズ宗谷です。

全長 95.70m  巾 15.00m  深さ 5.40m  航海速力 20.4ノット  総トン数 3,551トン
旅客定員 夏期/632名 夏期以外/500名 車輌搭載能力 8トントラック/21台 乗用車/66台
就航 平成13年5月



礼文島への水先案内を担当してくれたのがこの2羽のカモメでした。
出航時から到着まで先導してくれました。



船舶とまったく同じ速度で見事な滑空をみせています。
船速と飛行速度が寸分狂いなく一致しているため、まるで空中で浮いているようでした。



旋回や上昇・下降を繰り返し、対空警戒も怠りません。
まさに一級水先案内人です。



上空直衛を行うカモメの指し示す先に礼文島が見えてきました。



次第に遠ざかる利尻の島影。
今回のツーリングは全期間を通じて雲量の変化が絶え間なく
晴れたり曇ったりを繰り返していました。
爽快な蒼空や、今にも泣き出しそうな曇天に一喜一憂していましたが、幸いにも
持ちこたえ雨だけは降らずに済みました。



礼文島は周囲約72kmと海岸線長は利尻島よりも長いですが
自動車道路は島の半分ほどしかなく、西海岸側には観光遊歩道のみとなっています。
上陸後は香深から最北部のスコトン岬まで走りました。
残念ながらイマイチな空模様だったので、良い写真が撮れませんでした。

早いもので、名残惜しいですが帰投の時間になってしまいました。
香深~稚内航路は2等2300円+特殊手荷物運賃3820円です。



帰りの船もフィルイーズ宗谷です。
車輛を搭載する為にファンネル(煙突)が両舷に寄せられて配置されています。
排煙が観望デッキに流れ込まないように排煙口にはガイドが突き出ています。



白い航跡を曳きながら礼文島を去ります。
島の上空には低い雲が垂れ込めていましたが、海上はおおむね晴天でした。



陽射しを浴びて、ときおりターコイズブルーの輝きを魅せる美しい海。
やがて水平線の彼方に北海道が見えてきました。



いよいよ見慣れた稚内の風景が近づいてきました。
日程的な問題で駆け足な旅となってしまいましたが、おおいに満足出来ました。
長い時間をかけて北海道の端から端まで走った価値は十二分にありました。



稚内に上陸したのち、友人の勤める青少年科学館に顔を出してきました。
1時間半ほど話したりプラネタリウムを見たりしました。
それから食事と給油を済ませ、防寒装備をきっちり着込んでから出発しました。

帰路の途中、5:00過ぎの宗谷岬です。
往路では曇天でしたが、見ての通り綺麗な空が広がっています。



宗谷エリアには数多くの風力発電用の風車があります。
厄介な強風を巧く利用しようという試みですが、刻一刻と変化し続ける風の流れを掴むのは
容易ではなく可動していない風車も数多く見かけます。
可変ピッチプロペラやスイングヘッドを備えて常に風上に向かわせることは出来ないのでしょうか?

連日、政治家やマスコミは脱原発、クリーンエネルギーへの転換などと連呼していますが
こういった風力発電の稼働率の低さなど、既に明らかになっている問題点を検証していない
ように見受けられます。
反原発の機運が盛り上がる中「原発以外なら問題ない」といった論調は
本質的な問題から目を背けているように思います。

もしくは問題点を隠したまま一旦代替発電に移行させ、問題点が急に噴出したかのように
ミスリードし「やはり原発の再稼働が必要不可欠」という流れに持っていきたいのでしょうか?

資源の乏しい国、日本が自給自活していくのはどうすれば良いのか。
巨大なプロペラは風を掴めぬまま、黙して語りません。



行きはよいよい、帰りは・・・ダルイ。。



帰路の途中、睡魔に耐えられずに道の駅のベンチで仮眠したりしたので
家に着いたのは結局12:00を過ぎてからとなりました。
疲労感はそれほど強くありませんでしたが、とにかく睡魔が厳しかったです。

CBは長距離・強行軍にも関わらず一度のプラグ被りもなく全行程に於いて快調そのものでした。
故障ではありませんが、どこでぶつかったのかコウモリの死骸が付着していました(!)
野生のコウモリははじめて見ました。
前回には小鳥とぶつかって死なせてしまいましたが、動物との事故はなんとも後味が悪いです・・・

今度は奥尻島に行ってみたいです。
もし時間に余裕が出来れば南樺太・大泊(サハリン・コルサコフ)も一度行ってみたいですね。
Posted at 2011/08/28 21:53:01 | コメント(3) | トラックバック(0) | CB750four | 日記
2011年08月27日 イイね!

利尻・礼文島旅行記②

頼りになる相棒CB750fourと共に下船し、利尻島に上陸を果たしました。
フェリーターミナルの鴛泊から沓形のキャンプ場へと向かう一本道では
夕暮れの涼しい空気がとても心地良かったです。

道路自体は海岸線を沿っているのですが、山側から風に乗って
森林の香りが広がっていました。
海岸沿いでは潮の香りがするのが普通なので、利尻島独特の地形がもたらす
不思議な感覚が新鮮でした。

はじめて訪れる離島、美しい風景にテンションがレッドゾーンまでハネ上がりました。
CBも同じく上機嫌らしく、いつもより軽やかに吹け上がっていました。



右手側には海に沈みつつある黄金色の陽と雲と空、そして左手側には
秀峰・利尻富士の頂が雲を従えて澄みきった蒼空に映えていました。



離島ということもあって、旧車は現役も草ヒロも見かけませんでしたが
利尻富士の裾野で日野のリアエンジンバスを発見しました。



テントを設営したのち、キャンプ場からもっとも近い温泉へ歩いて行きました。
その後食事を済ませ、暗くなってから軽く走りました。

街灯りの少ない場所で眺める星空は美しく、天の川もはっきりと見えました。
夏の大三角や北斗七星がキラキラと輝いていていました。
そろそろ本格的に天体望遠鏡とデジタル一眼が欲しいです。
望遠鏡ではスバル・ブランドのメローペが気になっています。

朝、3:30に起床し外に出てみると雲量7~8程度のイマイチな空でした。
すこしグズついた空模様でしたが、6時頃から急速に青空が広がり始めました。

灯台の手前の緑色のテントが愛用の自分の「家」です。
もう10年以上使っており、設営・撤収はものの数分で行えます。
隣のテントの方が「片付け早いね~!」と驚いていました。



朝4:00頃から島を一周すべく走り出しました(利尻島の全周は約60km)。
国定公園の姫沼や展望台、見返台園地なども廻りました。

天候も徐々に回復に向かい、6:00頃からは雲の中から険しい峰を覗かせる
利尻富士の雄姿も見られるようになってきました。



堂々たる利尻富士の姿はまことに美しくありました。



こちらは本家の富士山で、5年ほど前に2回訪れました。
10月31日に撮影した写真で、道の駅に張ったテントで寝ていたものの
寒くて目が覚めたのが懐かしいです。
この時の相棒はRZでしたが、今度はCBと一緒に内地に行ってみたいです。



燦然たる旭光がキャンディガーネットブラウンのボディを眩く輝かせます。



利尻山の5合目にある展望台、見返台より振り返って見た利尻富士の姿です。
旭日が利尻山を越えた7:00頃になると気温も上昇し、夏らしい暑さになってきました。



こちらは見返台より望む樹海です。
利尻島が緑豊かな島だということが良く伝わると思います。
晴れ渡った空と穏やかな海のグラデーションがとても美しいです。




朝の爽やかな空気の中、礼文島を遥かに望みます。



おまけ
島内初の自動車修理工場として昭和38年に創業した利尻自工の看板です。
クラウン・カリーナ・ダイナ・ハイラックスという車種から70年代に設置されたものでしょうか。
ハイラックスといっても、サーフじゃないよ!

ハイラックスという車名は「ハイ・ラクシュリー」という造語から作られていますが
ググったらイワダヌキという動物がいるんですね。



この後、9:30の鴛泊~香深のフェリーのに乗って礼文島に向かいました。
それでは③に続きます・・・
Posted at 2011/08/27 16:40:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | CB750four | 日記
2011年08月25日 イイね!

利尻・礼文島旅行記①

8月23日~24日、一足遅いお盆休みを戴いて利尻島と礼文島に旅行に行ってきました。


朝5:30に出発、釧路~阿寒湖畔で弱い雨に降られましたが、その後の全行程に
於いて雨に祟られることはありませんでした。
バイクに乗る際の一番の心配はいつも天候ですが、幸いにも今回のツーリングでは
太陽の恩恵に浴することとなりました。

到着時の稚内・宗谷岬です。
この時(12時頃)は雲が多くイマイチな天気がだったのですが・・・



2時頃には御覧の通り、夏らしい青空が広がってきました。
稚内港フェリーターミナルの利尻島行車輌待機場所です。
後方に見えるは稚内全日空ホテルや北防波堤ドームです。

荷物は2日間ということもあって必要最低限に限定し、軽快さを重視しコンパクトにまとめました。
内容は手廻り品入りタンクバック、風呂道etc.入り旅行鞄、シュラフ、テント、防寒着入りリュック。
夜露を防ぐボディカバーはシートと荷物の間に挟みシート表皮の保護に利用し 
折り畳み銀マットは背もたれとして長時間の運転のサポートに利用しました。

CBはキャリアもないうえ、シートが短めなので荷物の積載性はあまり良くありません。
RZの方がシートとテールカウル上のグリップによって多くの積載スペースを
確保することが可能です。

ツーリングに特化するべくリヤキャリア上にBOX、両サイドにパニアケースが欲しいです。
放浪旅行時には思い切ってソロシートにしてしまい、後席部分も積載スペースに
充てることも考えています。
小型スクリーン、前後バンパー、フォグランプも付けるかもしれません。



フェリーターミナルの駐車場にはこんなバイクも・・・
内地ナンバーのホンダ・ドリーム50です。
ドリーム50は1997年にデビューした世界最小の4ストロークDOHC4バルブ49ccという
時計のように精密なエンジンを搭載した本格的ロードスポーツです。

1962年に登場した、ワークスレーサーとしてサーキットを駆けたRC110のロードバージョン
である往年の名車カブレーシングCR110を再現したスーパースポーツです。

ミッキーマウス・ヘッド、ロングタンク、ストッパー付シート、赤いフレームが最高にレーシーです。

33万円という高価格や原付ゆえの速度制限がネックとなり販売は振るいませんでしたが
保安装備を省略したレース用の「ドリーム50R」は長きに渡って生産され
今も多くのレーサーに愛されています。



メーターパネルの色がCB750fourとまったく同じで感動しました。
宗一郎の親父さんの「夢」の遺伝子が受け継がれていることが伝わってきます。
歴史の浅い日本の自動車メーカーは、多くが外国の模倣に始まったため
ホンダのように誇るべきルーツがあるメーカーは決して多くはありません。

スピードメーターは純正の60km/h表示が性能に釣り合っていないこともあって
社外品のフルスケール160km/h表示の物に交換されています。

ドリーム50はOHVカブと並んで手許に置いておきたいモデルです。



フェリーの出航までしばらく時間があったので、すぐ向かい側の北防波堤ドームを訪れました。
道内の旧車好きの方にはモデルカー・メーカーのエブロが主催するイベント会場としてよく
御存知かと思います。
パルテノン神殿の如きエンタシス状柱は圧巻の一言です。



北防波堤ドームは1931年(昭和6年)に着工、5年の歳月をかけて建造されました。
1905年、日露戰争の勝利によって獲得した南樺太との連絡航路の港湾施設の保護や
桟橋を利用する乗客の便宜を図るための施設として建設されました。

全長424mに達する、長大な古代ギリシア建築様式を取り入れた外観から
稚泊航路の休止後も観光名所として多くの人が訪れています。
土木学会選奨土木遺産、北海道遺産として指定されています。



港に佇む海上保安庁の巡視船PM84「しらかみ」です。
1977年3月に建造されたベテランで、20隻建造されたびほろ型巡視船の中で
退役していないのは「かつら」と「しらかみ」の2隻のみとなりました。

常備排水量:615トン 全長:63.4m 全幅:7.8m 深さ:4.3m機関:2基2軸 3000馬力
速力:18ノット 航続距離:3.200海里 乗員:34名 ブローニングM212.7mm重機関銃×1

ブローニングM2は1933年に登場、現代も世界各国で運用される傑作ヘヴィマシンガンです。
陣地の対空警戒用に設営したことがありますが、とにかくクソ重かったです。



海上保安庁しれとこ型巡視船れぶん(PL117)
常備排水量は1.200トンで、上のしらかみよりもかなり大きいです。
帝國海軍駆逐艦の如き船橋が力強いシルエットを描き出しています。

船首に備えられた機関銃を北へ向けて、対峙するロシアを睥睨しています。



綺麗な紐でハンドルに括り付けた利尻行き切符です。
費用は2等運賃2080円+特殊手荷物運賃(バイク750cc未満)3820円です。
16:05分稚内発~17:45分利尻・鴛泊着の最終便でした。
本当はもっと早い時間の便に乗りたかったのですが、稚内に到着したのが
正午を過ぎてからだったのでこの時間となりました。

バイクだとクルマと違って頻繁な給油や休憩によってどうしても時間が掛かります。
帰りは夜だったのでかなりのハイペースでしたが、行きは通行量も多く
警察の危険もあるのでどうしても脚が鈍くなりがちです。



利尻島への旅路で乗船したのはハートランドフェリー所属のサイプリア宗谷です。 

全長 95.70m  全巾 15.00m  深さ 5.40m  航海速力 19.6ノット  総トン数 3,555トン  
旅客定員 夏期/600名 夏期以外/475名 車輌搭載能力 8トントラック/21台 乗用車/55台 
就航 平成20年5月  

船名は礼文島にのみ生息するレブンアツモリソウに因んで、アツモリソウの学名
「CYPRIPEDIUM(サイプリペディウム)」に、国・地域名「IA」を合わせた造語で
花言葉は旅客船に相応しくロマンチックに「君を忘れない」です。

船体カラーは、コーポレートカラーの濃藍色と北海道の澄んだ空気と太陽が作り出す、
鮮やかな朝焼け・夕焼けをイメージした「茜色(あかねいろ)」です。
客室のインテリアコンセプト「心の旅」と「大自然の優しさに目覚める旅」を基本テーマとして
デザインされた心地よい空間を提供する船として建造されました。

出入港時に鳴らす汽笛が山に反響して、情緒溢れる音色を奏でます。



ああ堂々の輸送船・・・(暁に祈る)

紺碧の海に、白波を蹴立てて進むサイプリア。
風は強くとも海面は穏やかで、ピッチング・ローリングは少なく酔うことはありませんでした。



稚内~鴛泊航路は風が強く、霧雨のように水飛沫が舞っていました。
カメラのレンズにも海水が付着し、光が乱反射しています。
その一方、鴛泊~香深航路は風は弱かったです。



さ~ら~ば~ラバウルよ~、またくるま~でーは~・・・(ラバウル小唄)

次第に遠ざかる北海道を見つめ思わず口遊んでしまいます。
稚内と利尻、礼文や南樺太を行き交う人々は船上からこの景色を見て
如何なる想いを抱いていたのでしょう。




---------------------------------------------------------------


出航から1時間半ほどが経過すると、左舷側に雲を纏った利尻島が見えてきました。
澄んだ空、深い藍色のコントラストが吸い込まれそうな美しさを湛えています。

「利尻富士」の名に相応しい、荘重なシルエットが威風堂々たる雰囲気を醸し出しています。
山裾がそのまま海岸になっており、島自体がひとつの山のシルエットを象っています。



稚内から1時間40分、2軸のスクリューで52kmの航跡(ウェーキ)を引いてきた
サイプリアの航海もいよいよ終わりとなります。
稚内が遥か彼方に遠ざかりつつあります。

船尾には昇降式のランプウェイが見えます。
死者・行方不明者1155名という日本海難史上最大の遭難である洞爺丸事故では
開放式の船尾車輌搭載口から多量の海水が侵入、沈没の原因となった為
その後の船舶では水密が高められた昇降式に改められました。



陽はゆるやかに沈みつつ、海面に眩く反射しています。
空の色、海の色、波の色、陽の色、風の音、波の音・・・
すべてが美しくあります。



島の手前ですれちがう姉妹船フィルイーズ宗谷。
こちらには鴛泊~香深と香深~稚内航路で乗船しました。
穏やかな海面に浮かぶ船舶の姿は、静謐な雰囲気を湛える絵画の如き美しさです。



右舷側には黄金色に輝く礼文島が見えます。



汽笛の音色も高々と、いよいよ上陸です!
天佑神助の下に雨雲は去り、緑に覆われた島が目前に迫ってきました。

それでは②に続きます。

Posted at 2011/08/25 21:59:23 | コメント(2) | トラックバック(0) | CB750four | 日記

プロフィール

「2013 FIAT500 twinair pop http://cvw.jp/b/949539/47550084/
何シテル?   02/24 12:48
戰前から昭和40年代頃迄の自動車を趣味として居ります。 2輪・3輪・4輪、國産車/外國車の何れも興味の対象です。 此の他の趣味としては、艦艇及び航空機が在り...
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