今は6月29日お昼の1時過ぎ、私は函館駅に戻ってきました。
函館駅7番ホームには、国鉄生まれの特急車両キハ183系が札幌への出発を前にコロコロいわせて体を休めています。
この車両は1981年まだJRが国鉄と呼ばれていたころに、旧型で極寒の北海道での酷使に満身創痍のキハ82系から道内特急列車の高速化と設備水準向上をに使命に誕生しました。
その後この『北斗』仕様の183系は軽量ハイパワーエンジンと振り子を要してコーナーリング性能を向上させたキハ281系、283系らの新型のハイチューンマシンに性能を合わせて130km/h運転を行う為、インタークーラー装備を含めたエンジンフルチューンとブレーキ強化を図って峠でも負けない性能を手に入れます。
流石に現代基準では大柄の水平対向12気筒30000㏄をフルチューンしてなんと660ps!!旧車チューンの見本ですな。
でも無理がたたってトラブルが発生、遂にはエンジンブロックを破損して火を噴いてしまいます。
この時は新型283系のトラブルも重なって、一時のJR北海道は車両が無くて大慌て。
という訳で281系搭載の軽量エンジンに積み替え戦闘能力向上を図ったのが現在の183系です。
今日の車両の「130 120」の数字は、130km/h、120km/h共用タイプという事。
(2014年12月号の鉄道ジャーナル参照)
ただ事故以来、最高速度は120km/hに抑えられています。
そういえばホームに止っているときも静かだったもの。
ハイデッカータイプのグリーン車がまだ見ぬ北の大地へ夢が広がる。
このグリーン車、次回乗るからなくなるなよ。
そして183系のもう一つの魅力は、かぶりつき座席。下りの先頭車両は自由席なので早い者勝ち。
今回のプラチナシートはおばあさんと、40~50代の男性だった。
ならこの太った男は何者。後ろの座席の方なのだけどガラスにカメラを設置させてもらってる。
許可はいただいているようだけど、何とも言えない厚かましさ(-_-;)
去年、今年とDD51 重連に魅かれて喘いで越えた駒ヶ岳ルート、旧車とはいえ軽量エンジン搭載の183系流石DD51と違ってガンガン飛ばす、飛ばす。
こりぁ、かぶりつき座席は最高ですね♪
さてこの13:54函館発「北斗9号」、次の五稜郭から大勢が乗り込んできた。
自由席は立ち席が出てデッキにも人が溢れる大盛況。時間もイイから人気の特急なのね。
函館から41分、今回の最終目的地に北斗9号は定時で滑り込みます。
実は運転席に3人も乗っていて、今日の山越えは満足だったのか笑顔が溢れていましたとさ(笑)
早速跨線橋から駒ヶ岳をバックにパシャリ。
海辺の静かな駅『森』です。
何人かの乗客を乗せて長万部発砂原線経由の函館行きが発車して行きました。
(今回は駒ヶ岳ルートを山線、それに対して海岸沿いを回る砂原ルートを海線と呼称しておりますが、その砂原ルート確かに少しは海が見えるのだけど一般的にはこの両線の事を山線、海線とは呼ばないようです)
しばらくして韋駄天281系「スーパー北斗10号」が追いついてきました。
こちらは21分後に森を出て山越えの駒ケ岳ルートを爆走、大沼駅へ先回りしてしまいます。
私は16:11当駅始発の砂原周り函館行で戻る予定なので、しばらく駅前をぶらつく事に。
これがあの『いかめし』の森駅前主力販売店柴田商店(^_^;)
一件しかない喫茶店で寛いでからホームへ戻ると、
札幌行き「スーパー北斗11号」が山を駆け下りてきました。
私が森へ来てから2番線に止っていたキハ40、実はこれが帰りの列車。
車内は地元の高校生たちが、
長時間止まっていてエアコンかけてもなかなか冷えないときは、窓を開けて海風を入れましょう♪
実は車内で休んでいたので、下り普通を取り損ね(^^ゞ
さぁ、出発の時間、懐かしいエンジンの音を響かせて列車は単機で発車します。
スピードが上がるにつれて心地よい風が明けた窓から流れ込みます。
北の社長は『小幌』駅を廃止したいらしけど、こちらは秘境駅ランキング63位の『渡島沼尻』駅
本線のレールはこれもコンテナ脱線後しっかり保守管理されているんでしょうね。
途中では結構下車が多かった、赤い屋根が魅力な『鹿部駅』
大沼駅では後から森を出て駒ヶ岳周りで先回りしている普通からの乗り換え客で座席はほぼ満席。
来春には『函館北斗』駅になる『渡島大野』駅
6両のリレー列車を止めるために当初の予定よりホームが伸びるらしいね。
下り優等列車の展望ルート、藤城線高架橋。
森駅を出て88分、久しぶりに窓を開けて爽やかな風を浴びたローカル線の旅。
(エアコンがきいていましたので窓は程よく閉めましたからご安心を、加えて窓を開けていたのは私だけじゃないからね)
心地よい旅の疲れを感じて着いた函館駅は、傾きかけた初夏の夕日を浴びていました。
猫はこんな時間にまた出かけるのでありました。
では また =^_^=
【 付録 】
☝ 線の牽いてあるところが、今日猫がマーキングした場所です。