さて、ここからは順番を変更してアトラクションの模様を。

観閲行進が終わった後は第10音楽隊による音楽演奏が行われました。
第10音楽隊は音楽演奏を行う部隊ですが、演奏する曲は行進曲や式典用音楽だけでなく流行曲からテレビドラマ、テレビアニメまで非常に幅広く演奏が行われます。
大規模災害などでは避難生活や身内や知人に被害があわれた方々の精神的な苦しさを少しでもやわらげることができるよう慰問で音楽演奏も行います。
今回の記念行事では行進曲のほか数曲を演奏しました。

続いてオートバイドリルです。
第10師団には第10偵察隊がオートバイを複数装備して偵察行動を行いますが、高い運転技術が必要になります。
日ごろの訓練の成果を披露するためオートバイドリルが行われました。

指揮官が観閲官に対してオートバイドリル実施の報告をします。

指揮官の笛の合図で身を伏せた状態でオートバイ隊員が進入してきました。

横一列に整列し、1台がアクセルターンで方向を変更します。

直角方向から進入するオートバイが会場正面で連続交差します。

オートバイを倒して小銃の射撃を行います。

走行中、立った状態で射撃の姿勢を披露します。
以上、オートバイドリルでした。
訓練展示が終了した後、車両や火砲がグランドで展示を行う装備品展示が行われます。
第10師団で使用されている主な装備が展示されました。

こちらはおなじみ74式戦車。
第10戦車大隊の装備です。
前のページの訓練展示の車両と比べると車両の姿勢がずいぶんかわっているのがわかります。
これは油圧サスペンションをつかって車高を下げたためで、74式戦車は必要に応じて車高を変えることができます。
これは車体全体だけでなく車体前側だけや後側だけを昇降させることも可能で、これにより待ち伏せに最適な姿勢をとることができます。

こちらは155ミリりゅう弾砲FH70です。
第10特科連隊の装備になります。
FH70は155ミリという口径の大きな中砲ですが、操作人員はわずかに9名で行えます。
FH70の前に装備されていた中砲(58式、M1)の操作人員が12名、非常に射程がちょうだいあ155ミリ加農砲M2の操作人員が19名ですから58式/M1の約2倍の射程と加農砲と同程度以上の射程をもっているFH70の省力化、性能が進んでいることがわかります。

こちらは第10特殊武器防護隊の装備する化学防護車(装輪)。
見た目はベースになった82式指揮通信車そのままですが、後部にはロボットアームのようなものが確認できます。
これはリモートコントロール式のマニュピレータで、これにより有毒化学剤や放射性物質で汚染された場所で車外にでることなく試料を車内から採取することができます。

こちらは81式短距離地対空誘導弾。
第10高射特科大隊の装備です。
トラックの荷台に搭載されているのが発射機でよくみると左右のミサイルの先端の形が異なっています。
これは電波弾と光波弾という2種類のミサイルを同時に搭載しているためで、先端がとがっているのがアクティブ電波誘導方式の電波弾、丸いのが赤外線/可視光複合画像誘導方式の光波弾です。
誘導方式の異なる2種類のミサイルを必要に応じて発射して敵の妨害に対処しています。

こちらは第10高射特科大隊の93式近距離地対空誘導弾です。
上の81式短SAMは火器管制を行う車両とセットでの防空システムですが、この近SAMは携帯地対空ミサイルを車載にした比較的簡易な防空システムです。
レーダは搭載せず、敵航空機の情報は師団防空情報から入手し、近接対空戦闘を行います。
両側にあるのがミサイル発射機で、それにはさまれたものが光学照準機と敵味方識別装置です。

こちらは第10偵察隊の87式偵察警戒車です。
82式指揮通信車とほぼ同規模の車両なので実は以外に小柄で、幅が2.48メートル、長さは6メートルですからサイズ的には町でよく見かける自衛隊の大型トラック(3 1/2トン)と幅がほぼ同じで長さが2メートル程度短いぐらいでしょうか。
偵察車両だけあってカメラが装備されていますが、高速道路など一般道路を走行する場合には周囲の安全確認にも役立っているそうです。

こちらは野外手術システム。
第10後方支援連隊の装備です。
戦闘時に初期の外科手術や応急治療に用いるものです。
観閲行進ではただの大型トラックに見えましたが、このように手術車と手術準備車を接続し、さらに手術車は作業面積を広げるために大きく張り出すことで2倍に拡張することが出来ます。

装備品展示が行われている横では戦車の体験搭乗も行われました。
その模様は↓に。

以上、守山駐屯地第10師団創立53周年記念行事でした。
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Posted at
2015/10/25 16:32:02