XZ400 ハンドリング改善(3)(リヤショック調整)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
ハンドル角度を調整したところ、舵角の入り方の印象が変わったので、
現在装着中の写真上、フルカウル仕様上級車種”XZ400D”純正の、伸び側減衰力調整式リヤショックを調整して補正してみます。
方向性としては、リーンアングルに比例しながらもう少し早く(同じアングルなら大きく)前輪が切れるのが目標です。
2
従来から路面の荒れたところ(下水道工事跡の継ぎはぎなど)通過時に、底突きあるいは伸び切りの衝撃があったので、
ひとまず前述の方向性に従い、スプリングプリロード(ばねセット荷重)を一段上げて、5段階中、弱い方から4段目にしてみます。
同じ荷重を受けた時のばねの沈み込みが減るので、縮み側ストロークを増やすとともに、走行中の後ろ側の車高も上がることになります。
3
本来は一ヶ所ずつ変更して様子を見るべきですが、燃料タンクを外すついでがあったので、伸び側減衰力もひとコマ上げ、3段階中の2段目とします。
バイカーズステーション誌の記述では、この手の外部から調整できる減衰力は、低速作動時(ショックユニットのゆっくりした動き)に対してのみ影響するそうです。
若干オイルのにじみがありますがダンパーは抜けきってはおらず、減衰力調整機能が作用することは確認済みで、
プリロードを上げたことで、ばねと減衰力のバランスが変わり、減衰力不足になるのでは?との推測に基づいての調整で、減衰過剰だと感じたら戻します。
4
走行時の写真が無いのが残念です(笑)
ハンドル角度に合わせてペダル高さも変更し、ややスポーティに身構えた姿勢です。
走りだして最初の四つ角を曲がる時点で変化が感じられました。
信号交差点右折の際は浅いリーンから舵角が追従し、スロットルを大きめに開けていけるので、角度の浅い(90度)曲がりではほぼ狙った舵角の入り方(セルフステア特性)が確認できました!
緩い回りこんだカーブや、低速での左右切り返し、荒れた路面を織り込んだテストコースでも、当方のペースでは破綻なく安心して「開けて」いけます。
減衰が強すぎるとサスペンションの伸び縮みが遅くなり、リーン開始のタイミングを掴みにくくなったり、倒し込みが重くなったりして筆者は大きな不安を覚えるのですが、今回は特に不具合を感じません。
荒れた路面でも底突きしないことに気を良くして、夜間で交通量が少ないこともあり、3~4速で開けていけるカーブが続くコースを目指し、狙ったライン取りをトレースし「開け基調」の「再現性のある走り」を心がけて、徐々にペースを上げていきます。
5
道中、直線区間でダウンシフトが不調になり、思い当たるのはターンバックルの緩み(締めこみ不足)。街灯のある路肩に寄せ確認すると、ロッドが伸びてフットペグに干渉していました…
※整備後の試運転は、必ず当該箇所を触れるだけの工具を携行します。
即刻対処、さらに足を延ばし、熟知していない、人家を離れた中高速コースに挑戦!
先行車もそれなりのペースで走っていたので無理に抜かず(殆ど街灯のない田舎道ゆえ視界確保のため)、往路の登り勾配は大きく開けて6000rpmあたりまで回し、気持ちの良い走りを楽しむことができました。
6
ハンドリング評価のためには、運転者として「再現性のある走り」ができないと、根拠のないものになってしまいます。
また、運転者の上達・改善には、
信頼してアクションを起こせる適切な乗車姿勢含めた整備された車体と、
不具合なく吹け上がるエンジンが必要で、運転者との「三位一体」が重要です。
一連のXZの整備を通して、運転技量含めた各パートの改善プロセスを体験し、自分なりにまとめ上げることができたことは望外の収穫ともいえる出来事で、この晩は内祝いを配りたいくらいの(笑)、かつてない充足感を覚えました。
不調でやってきたXZと、預けてくれた友人には大いに感謝したいところです。
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