
先日エキゾーストパイプ周辺の修正やサイレンサー交換を行った後の状況の推移です。
●謎の不調
排気系を組み直してのエンジン始動・近所を一回りした印象は
・排気音量が小さくなり、こもったような音質。歯切れが悪くなった感じ
・乗ってみた印象をとやかく言えるほどの変化は判らない
といったところ。
正直なところ、変化に好印象は見当たらず。
当てずっぽうながら、排気漏れ減少の影響があるのだろうと考えて、
次の試運転に向け、ジェットニードルのクリップ位置を上から2段目→1.5段目に変更。
(一番上の溝を使用し、0.4mm厚ワッシャーを入れた)
翌日、某車両を見に行くことになり、天気も良いのでSSで出走。
その道中、開け始め領域あたりで点火プラグが燻るような不調が発生。
アイドリングと1/3程度以上開けた領域は問題がなく、パイロットスクリュー調整範囲か?と考え、
あまりに情けない状態で現地に着くのは避けたいので(笑)手前で苦し紛れの対処。
とりあえず締めこんで吐出量を減らして、プラグかぶりだけは避けた設定。
回転の落ちはイマイチだが、狭い路地に入り込むには問題なし(ぐずった際に吹かさなくていいので)。
現車確認を終えた帰り道、点火プラグを確認するとやはり燻り気味。
使い回したイリジウムプラグが原因か?と疑ったが、手持ち予備プラグがなく、再度スクリューのみ調整。
アイドリング(信号待ち)や開けていく場面では問題はなく、いわゆる「普通に走れる」状態。
とはいえ今一つ切れ味に欠けた印象で、ちっとも面白くない。
帰宅後、以前の標準点火プラグに戻すと、歯切れのよい排気音が復活!
やはり、たまたまイリジウムプラグが燻っただけなのかもしれない。
車両入れ替えの意図は端からなかったが、
別の車両を見に行く足に使ったのが、SSの気に障ったのだろうか?
笑い話の類だが、いわゆる「バイクが拗ねた」状態だったのかも?(笑)
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●あらためて同調調整
とりあえず絞ったパイロットスクリューを、徐々に開けていく方向で試運転を重ねるが、どうにも回転落ちが遅い。
以前同調調整をやり直したころから回転落ちの遅さは気になっていたので、
再度同調確認を行うが、大幅なずれは無いものの、計器を繋ぎ替えながら指針の変動を見ると、
やはり負圧計のバラつきがあり、両気筒の様子を確認しながら調整は困難な状況。
結局は単一の負圧計で水平側、垂直側をそれぞれ交互に測定し、ほぼ同一範囲に収まったところで手を打つことにする。
考えてみれば、始めに一つの気筒でゲージ間の数値のバラつきを確認し、その量を補正して測定すれば良かったのだろう。
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●スライドバルブリターンスプリングの変更
幹線道路、青信号発進→開度2/5程度で加速→赤信号停止のため全閉、の際、
派手なアフターファイヤーまではいかないものの、いわゆるドラミング(排気管内での細かい破裂音)発生が確認される。
大方収まるまで1/16回転くらいずつ両気筒のパイロットスクリューを戻す(開ける)方向で調整・試運転を続ける。
パイロット回路の燃料(正確には混合気)吐出量を絞ると、アイドリング近辺の回転落ちは悪くなる傾向にあるようだ。
一般道ゆえせいぜい3速以下、スロットル(グリップ)開度はもせいぜい1/2足らずだが、
アイドリング+α辺りからグリップ開度に比しての加速は過去最高レベルで、想像以上に速度が乗っていく。
硬質な割り増しトルク感と共に7000rpmあたりまでは鋭く一気に吹けあがる。
市街地近郊ゆえその手前で自粛するが十二分に速い。
排気管手入れ直後は音量・音質とも控えめになっていた排気音も、
今や従来を上回る景気の良さで、純正サイレンサー(=ストレート構造ではない隔壁構造)とは思えないほど。
中古の在庫品を引っ張り出したものだが、楽器同様にある程度「鳴らして」やることで響きが変わってくることがあるのだろうか??
また加速同様に、グリップ側の開度の割りに、明らかに音量が上がっているのがわかる。
またアイドリング時は一発ごとの燃焼が際立っているかのような(個別に認識できるはずはないが)歯切れの良さ。
しかし燃料吐出をリッチに振ったような重々しさはなく、点火プラグの焼けも以前のように良好。
そこであらためてイリジウムプラグに戻してみると、全体に滑らかさが増した印象で、
それに増して、750F1(2in1集合管)の頃のように、スロットルオフの際の排気音が「ズズズズー」と排気口から吸い込むような音質になったことに驚かされた。
また、エアボックスふたを大きく切り欠いているせいか、以前はアイドリング時など、点火プラグはしっかり焼けていても生ガスの匂いが感じられたものが、
気付くと信号発進・停止を繰り返すような場面でも生ガス臭は気にならないレベルまで下がっている。
原因特定は難しいが、吸気側への吹き返しがかなり減少していると思われる。
吹き返し分も吸い込んで、しっかりと燃焼させていれば、出力増強もうなずける。
しかしながら、乗り辛さはないものの、回転落ちの遅さ(無負荷時)は期待値に達しない状態。
ここまでの調子の変化を考えると、
排気系の変化によって、充填効率にかなりの影響が出ていると思われる。
そのせいかは定かではないが、以前に加工したスライドバルブがさらに上がりやすくなっていて、
社外品の弱いリターンスプリングゆえ下降が遅いのかも?と仮説を立て、
万一の場合も考えてリターンスプリングを標準品に戻してみた。
吹け上がりの速さに影響は感じられず、多少回転落ちが速くなったかな?という程度ではあるが、安心感を優先してみた。
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●吸入負圧の絶対値の推移
バタフライ開度同調調整の際、
今までは負圧計の数値のバラつきのみに着目し、数値自体は全く留意していなかった。
今回の同調調整作業に際し、負圧計ごとの指針数値の推移をメモしていたので、
かなり以前の作業時に撮影した画像(ときおり使い回しているもの(笑))と比較してみた。
比べてみると、大きな数値の変化はない。
上の写真撮影当時は、1000~1100rpmあたりのアイドル回転で同調を取っていて、
現在は1200rpm+あたりで同調を取っているという違いはあるが、
今回は13~15あたりの数値を推移していた。
表記は、O=水平シリンダー、V=垂直シリンダー、①~④は接続したゲージ(左から順)。
同調調整スクリューは、時計回りで水平シリンダー側のバタフライが開く方向。

このところいろいろとあり、思考力が低下気味だったので(笑)表にして数値をメモしながら作業していたのだが、
始めにゲージ間のバラつきを確認して織り込めばよかったのは記した通り。
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【考察】
●想定外の不調は、使い回していたイリジウムプラグが原因と思われたが、
例の現車確認に伺った先の先達氏の見立てでは
「点火プラグ座面の汚れがあれば、点火回路アース側導通に影響があり、軽視できない」
「イリジウムプラグは電極ギャップが広く、要求電圧も高いので影響は大きいはず」
とのことで、
確かにシリンダーヘッド/点火プラグ双方の座面を改めて拭き掃除してみたところ、心持ちレスポンスにも変化があったようです。
点火プラグのねじ部にグリスを塗る/塗らない、という点で見解が分かれることは聞いていたが、
この場合グリスの導電性は確実に影響が出るように思われる。
筆者の場合は、新品プラグを使う際はカッパーグリスをねじ部に塗布しているが、座面のグリスに埃が付着して抵抗となるケースも考えられる。
点火プラグの座面に限らず、電気接点となる部分はアースポイント含め、汚れに留意したい。
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なお、今回の最終調整後に、先の先達氏(ドゥカティに限らず種々の歴史的名車も扱う)に試乗していただいたところ
「エンジンの調子・チューニングは十二分によろしい、乗っていて楽しい」
との評価をいただいて、
直接の比較対象がない中「速くなった気がする」だけの低次元自己満足でないと確認でき、少々安堵した次第(^^)
ダメだしもお願いすると、
「ブレーキの初期の効き(反応)が過剰ではないか?」とのことで、
言われてみるとコーナー手前の減速しながらのスロットルでの回転合わせでギクシャクとして姿勢を乱してしまうことがあり、乗り手のスキルだけの問題ではなかったかと思い当たったところ。
社外のブレーキパッドが装着されているので、ひとまず純正に戻し、必要ならラジアルポンプに移行すべきところか。
事をエンジンに絞っていうと、馬力やトルクなど出力増強だけでは乗って楽しいとは限らず、
●スロットル開度に比例したムラの無いトルクの出方・伸び感
●吹け上がりの速さ
●車体の姿勢変化含めたON/OFF時の自然な反応
●一旦閉じた後、再度開け始めの扱いやすさ
といった要素が揃っていないとどこか不満が残るように、個人的には感じます。