
今年の4月からは消費税のアップとともにガソリン価格も上がり、高速道路のETC割引率も悪くなることから費用増の前に少しは遠出しようと思い、3月下旬から昨年の夏に続いて九州へ行ってきた。
東京より気温は暖かいだろうし、桜はもちろんのこと、色々と考えていたことも都合良く叶うかもしれないという期待も込めての九州だ。
天候だけは「神のみぞ知る」ところだが、この時期に懸念される材料といえば、やはり黄砂とPM2.5による影響だろうか…。
3月19日(水)、春の九州初日。
前日18日の昼過ぎに出発。
自宅から東名高速の用賀東京ICまででと厚木IC前後が、昼をとうに過ぎているにもかかわらず意外にも渋滞していた。
深夜、中国自動車道は山口県も関門橋手前で、ふとあることに気付く。
『三脚を積み忘れたっ!』
今回、何回かは日の入り前後での撮影を予定していたために三脚が必須であり、三脚を忘れては意味も無い。
直ぐに次のPAで車を停めて「どうしよう…」と一時呆然としたが、考え得る選択肢は、ISO感度を上げて何とか工夫して手持ち撮影に挑む、若しくは三脚の現地調達をすることの2つだ。
ただ、現地調達となるとそこそこの大きさの三脚を売っている店があるかどうかが問題で、関東ならヨドバシカメラやビッグカメラなど購入に困ることは無いのだが、九州となると福岡博多くらいであろうかと。
ましてや開店時間を待つまでの時間的余裕は無いし、とりあえずこの日は使用予定は無いことから、目的のICで高速道路を降りてから考えることにした。
前者は最終手段であり、後者の現地調達が無難な選択だ。
明るくなり始めた空の下、大分自動車道は玖珠から湯布院までは濃霧であり、後に聞いた話では由布岳の麓でも降雪があったという。
別府湾SAでも遠目は利かず、白い空を見ながら東九州自動車道の大分宮河内ICで高速を降りた。
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道中、静岡~愛知にかけて強い雨と前車のトラックからはグリスのようなものが飛んで付着していたことから給油も兼ねて洗車をする。
天候も回復して空も青さが見えてきたが、やはり遠目はモヤが掛かったようでスッキリとはしない。
最初の目的地は、昨年7月に続き2度目となる佐賀関半島東岸の黒ヶ浜。
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波を被りそうな海沿いの細い道(大分県道635号)はロケーションも良いのだが、2~3年前に荒れていた路面を補修した際に路面の高さも多少かさ上げしたようで、今回は海面との差を見るために満潮時を狙って訪れることにした。
この日の佐賀関の日中の満潮は中潮で9時42分に208.8cmで、大潮時の最大で約230cmということから約20cmほど低い。
更に20cm海面が上がったとしても、路面の高さは以前より20cmくらい上がったような気がする。
海面近くの道路の風景としてはちょっと物足りない感じがするが、日中で最高潮位になる機会は少ないことから、これはこれで善しとしよう。
それでも、時折打ち付ける波で路面に多少海水を被っていたから走行や停車場所には注意だ。
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海面と路面の高低差が1mくらいだろうか?
撮影位置によっては海面が近く感じる絵にもなる。
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県道635号の佐賀関半島東岸の道は、所々で拡張工事が進んでおり、近い将来には波打ち際に近い道の風景も消えてしまうのかもしれない。
※大分県佐賀関

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佐賀関半島を離れてから、懸案の三脚の入手先を探すことに。
大分県や熊本県など九州中部を検索して多くヒットするのは、全国展開している『カメラのキタムラ』だ。
キタムラは店舗数が多いものの、D.P.E.とちょっとしたコンパクトカメラの販売だけの店舗も多く、とりあえず一番近いサンリブ臼杵店に行ってみたが、やはり三脚などの撮影機材は扱っていなかった。
聞くと、大分県内でここから一番近くで三脚を扱っているのは、大分市内のパークプレイス大分店とのこと。
サンリブ臼杵店から移動してこの日の宿である阿蘇に向かうことも時間的には可能だったが、前回時間切れで訪れなかった臼杵石仏をまたしても逃すのは悔しく、翌日通るであろう熊本市内で入手できるであろうと考えて予定通り臼杵石仏に向かった。
国宝に指定されている臼杵石仏(磨崖仏)は、その規模、数量、彫刻の質のいずれも秀で、造営時期は不明で6世紀後半とも考えられており、石仏は平安時代後期から鎌倉時代に彫られたとものという。
60余体(59体が国宝)にもおよぶ石仏群は4つの群に分かれていて、それぞれが建屋で風雨を避け管理保存されている。
石仏は阿蘇山の火砕流が溶結した凝灰岩で彫られ、凝灰岩は比較的軟らかく彫りやすい反面脆く、1000年もの風雨に曝されたことと参拝者によってできた道が大雨の際には川のごとく流れたことにより多くの石仏の下半身が削り取られたように無くなっている。
●ホキ石仏第二群
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中心にあるのが中尊阿弥陀如来座像。
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●ホキ石仏第一群
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如来三尊座像
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地蔵十王像。
中尊に地蔵菩薩、両脇に5体ずつの十王像を配し、片ひざを立てた姿の地蔵菩薩は古い様式で珍しいらしい。
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如来三尊像
如来三尊像は計9体ある。
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●山王山石仏
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中央(中尊)に如来坐像、左右にも脇尊として如来坐像を配する。
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●古園石仏
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臼杵石仏を代表する最も有名な大日如来座像。
頭部が落下していたが、1993年に元に戻された。
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※ホキとは、「がけ」という意味の地名。
臼杵から阿蘇へ向かう。
前回は濃霧でほとんど見えなかった米塚も、スッキリとはしないが見ることができた。
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前回訪問時は何があるのか全く見えない状態だった草千里も…。
モヤっていなければと思ったが、天候だけはどうにもならない。
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この日の宿泊は、南阿蘇、烏帽子岳の中腹にある「
垂玉温泉 山口旅館」だ。
初日は約1,400kmの移動ということで、余裕をもって早めに到着。
ここの温泉は、二百数十年前、この地にあったと伝えられる「金龍山・垂玉寺」の修行者によって発見されたのだという。
創業は明治19年(1886年)と128年の歴史があり、特に明治から昭和初期にかけては文人の来訪も数多く、北原白秋や吉井勇、与謝野鉄幹、野口雨情なども宿泊した。
現在の建屋は七代目となるが、それでも鄙びた姿は風情がある。
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名物は、滝を眺める混浴露天風呂の「滝の湯」。
台風により崖の一部が崩落してしまい、現在は工事中で足場などがあってやや景観が損なわれているものの、落差60mの滝を見上げながらの露天風呂は壮観だ。
泉質は単純泉といことなのだが、やや白濁していて非常に鉄の匂いが強い。
湯壷には溶融物質が析出して硬化固着しているもののそう多くは無いのだが、タールというか油のような感じのものが付着している。
析出物が油のような軟らかいことから硬化量が少ないと思われる。
とにかく、ここまで鉄の匂いが強い温泉は珍しいのではないかと思う。
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食事は季節の食材をふんだんに取り入れ、見た目の豪華さは無いが品のある味付けと丁寧な作りの料理だった。
特に焼き筍は、単に焼くだけではなく油でも軽く揚げているようで、味もまんべんなく染みていて美味かった。
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※臼杵から阿蘇

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(続く…)
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Posted at
2014/04/03 20:03:18