民主党が北海道と九州で「高速無料化」を先行実施へ

『民主党は衆院選のマニフェスト（政権公約）で明記した「高速道路の無料化」を、北海道と九州で来年度から先行実施する方針を固めた。複数の関係筋が１４日、明らかにした。利用状況や経済効果をにらみながら無料化路線を段階的に拡大していく考えだ。』
～9/15付け産経MSNニュースより～

　民主党が先の衆院選のマニフェストで掲げていた「高速原則無料化」ですが、どうやら北海道と九州で先行実施する方向で固まりつつあるようです。私達九州在住の国民にとっては、九州での先行無料化の結果が今後の国の道路政策に大きな影響を及ぼすモデルケースとなるだけに、このニュースに興味津々です。
　九州では「ETC休日特別割引」が始まってから毎週のように日曜日の夕方を中心に鳥栖JCT周辺などトラフィックが集中する地点での渋滞が頻発しており、これが無料化によって更なる渋滞の悪化を招くことが懸念されます。その反面、高速無料化によって物流コストの低減が期待できますが、九州地方の高速道路の交通渋滞は九州内の物流に大きく影響するだけに、実際に高速道路を利用しない方々にも影響が出そうです。

　産経新聞とFNNが9/7に公表した世論調査結果によると、「高速道路の無料化」に賛成なのは、26.1％に留まり、反対は68.1％となり反対が３分の２を超えました。民主党支持層でも半数以上が反対しているそうです。また、男女別では女性が30代を除いて他のすべての世代で反対が７割を超えたとのこと。この世論調査の結果から考えると、国民の多くがこの政策に反対しているということが言えそうです。私自身は「高速原則無料化」には問題点が多いと思いますが、かと言って高速道路の通行料金をETC割引導入以前の水準に戻すのもどうかなと感じます。

　「高速原則無料化」は国民生活を直撃する政策ですので、新政権には財源やCO2対策との整合性を考えながら、国民の意見に耳を傾けつつ、無料化撤回も選択肢に入れて上手くやって頂きたいと思います。