宗安寺（彦根市）

宗安寺は、山号は弘誓山、浄土宗の寺院です。
創建は室町時代初期、足利尊氏、直義兄弟が南北朝の騒乱で戦死した兵士や被害のあった人民の御霊を慰霊する為、全国に建立された安国寺だったといわれています。
その後衰退しましたが、天正18（1590）年、井伊直政が箕輪城主になると正室である東梅院が両親の菩提を弔う為、光誉上人を招いて中興開山したのが始まりと伝えられています。
慶長3（1598）年に直政が高崎城（群馬県高崎市）の城主になると高崎に移り、慶長5（1600）年、佐和山城に入ると同じく佐和山麓に境内を移し、成誉典慶上人を招いて現在の寺号である宗安寺に改称し改めて開山しています。
慶長8（1603）年、彦根城築城の際、現在地に移り、さらに元和2（1616）年に徳川家康の位牌奉安所になると寺運も隆盛し、最盛期には塔頭4、末寺8ヶ寺を擁する大寺となりました。
正面の山門は「赤門」の愛称があり佐和山城の大手門を移築したと伝わるもので元禄14（1701）年の大火でも焼け残っています。又、宗安寺は朝鮮通信使節団高官の宿泊所でもあり、黒門はその勝手口として利用され、寺宝として絹本著色朝鮮高官像が残されています。
現在の本堂は江戸時代中期に長浜城付属御殿を移築したものです。
また、本尊の阿弥陀如来立像は、大坂夏の陣の時、淀殿の念持仏と思われる仏像を持ち帰ったもので、鎌倉時代の作といわれています。その他、墓所には木村重成の首塚、唐人門、鐘楼、白砂に巨石を配した庭園があります。
（現地説明板などより）

Photo Canon EOS M6
H29.11.19
住所: 滋賀県彦根市本町2-3-7