志那神社(草津市)
志那三郷の藤の一つ・志那神社
2025年04月29日
志那神社のご祭神は志那津彦命 志那津姫命 伊吹戸主命です。
風神をお祀りする由緒ある神社で、延喜式内栗太郡八座の一社に比定されるとも言われています。創建の時期は明らかではありませんが、平安時代にはすでに社殿が存在していたと考えられています。
現在の本殿は、永仁6(1298)年に大工・藤井宗近によって再建されたことが、棟木に記されています。建築様式は一間社流造(いっけんしゃながれづくり)、屋根は檜皮葺です。規模は小さいながらも、純和様建築の優れた特徴を備えています。
本殿内部には壁際に半円柱を建て、建具によって内陣と外陣を区切っています。正面の柱間寸法は1.53メートルで、母屋柱の上には舟肘木(ふなひじき)が載せられています。斗栱(ときょう)間には美しい蟇股(かえるまた)が施され、内外陣ともに小組格天井が見られるなど、鎌倉時代の様式美を今に伝える社殿として高く評価されています。
また、境内にはもう一つの貴重な文化財として、木造普賢菩薩坐像が安置されています。この像は寄木造で、玉眼を嵌め込み、唐草文や花文で彩色されています。普賢菩薩は結跏趺坐し合掌する姿で、宋風を基調としつつも洗練された造形が特徴です。像の底には「建武元年戊戌十二月」(1334年)の朱書銘があり、南北朝時代の仏像彫刻を代表する作品として、昭和41(1966)年に滋賀県指定文化財となりました。
志那神社本殿は、昭和24(1949)年2月18日に国の重要文化財に指定され、鎌倉時代の神社建築の優品として今日まで大切に守られています。
志那三郷の藤の一つとして藤も見事です。
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R7.4.27
住所: 滋賀県草津市志那町727
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