前回の続きです。
3.エンジンの慣らしの距離は?
取扱説明書に記載の通り、走行距離1,500kmに達するまでは慣らし運転が必要になります。エンジン回転数の上限は7,000rpmになります。
これは他のモデルと比較すると、走行距離は半分、回転数の上限は3,000rpmも高いことになります(通常モデルの慣らしは、走行距離3,000km、回転数の上限4,000rpm)。
ポルシェのレーシングカー直系のエンジンは、通常のモデルと比較した際に部品の公差が異なるとのことです(より公差は厳しく、部品のバラツキが少なくなる)。この結果、公差が少ない→部品の干渉(フリクション)が少ない→慣らしの距離、回転数の上限が緩くなっているようです。
なお、なぜかUSの取扱説明書の記載が異なるのですが、これはどうやらUSの内容が誤っているようです。USのオーナーが走行距離1,500kmで慣らし運転プログラムが表示されなくなることを確認済みです。
日本
走行距離が1,500kmに達するまでは慣らし運転が必要になります。
エンジン回転数が7,000rpmを超えないようにしてください。
EU
The first 1,500km (932miles) are required for this.
Avoid high engine speeds above 7,000pm.
US
The parts require the first 1,875mil (3,000km) for this purpose.
Avoid high engine speeds of 4,000pm or more.
ポルシェの GT 部門責任者であるアンドレアス・プレウニンガー(Andreas Preuninger)氏が過去に慣らしについて語っていましたので参考に載せておきます。
I can only tell you how I personally do it, or how we do it at Weissach for the first 500 kilometers or 300 miles, we don't drive that car ever over 5000 rpm, never.
From then on, every 200 kilometers, we up the rpms by 500, so we end up at 1300, 1400 kilometers at the threshold before we can really go full throttle, at 800 or 900 miles.
これをまとめると、
~500km: ~5000pm
~700km: ~5500rpm
~900km: ~6000rpm
~1100km: ~6500rpm
~1300km: ~7000rpm
~1500km: ~7500rpm
1500km~:レッドライン
ということになる…と思います。取扱説明書に記載の内容と沿っているようにも見えます。
※レーシングカー直系のエンジンの場合です。
自分は慎重派なので、以前の911で行った際と同様の慣らしを行う予定です(走行距離1,000kmでオイル交換1回目、走行距離2,500kmの2回目のオイル交換で慣らし終了)。
4.エンジンオイルは半分しか交換出来ない?
サービスマニュアルの記載内容より、エンジンオイルの総量8.1Lに対し、エンジン冷間時における最大可能排出量は4.1Lになります。このため、総量の約半分しかエンジンオイルは抜くことが出来ません。
ただし、油温と排出時間によっては最大7.0Lまで抜くことが出来るようです(実際の温度や時間における記載は残念ながらなし)。これはエンジンが同じ、992GT3も同様です。
またね。
Reki
Posted at 2023/02/24 18:37:03 | |
トラックバック(0) |
Porsche GT4RS | 日記