Astell&Kern KANN
(LightMPDの設定見直しによりDSDが再生可能となったので、書き直して再アップします。以前のレビューにイイね!を付けて下さった皆さんごめんなさい。)
アイリバー、Astell&KernブランドのDAP(デジタルオーディオプレーヤー)です。
隣のHiby R3と比べると大きさと厚さが際立ちます。2017年発売のモデルで、最近さらに巨大なKANN CUBEなるモデルが出ました。
長年小型化に突き進んできた国内製品に逆行するような、多少(でもないかw)大きくても高音質を、という提案は評価されてよいと思います。
大柄なボディはポタアン並みに高出力のアンプを搭載するためですが、USB端子が2つあり、USBオーディオ出力しながら充電できるためカーオーディオでDACやDSPと接続して使うのに便利な製品でもあります。
今回はちょっと変わった応用例で、ネットワークオーディオのサーバーとして使ってみました。
以後プレーヤーとしてのレビューは全くありませんのであしからず。
なぜ「サーバー」かというと、自分のシステムでは、DAPやスマホよりネットワークオーディオからUSB出力させた方が高音質となったためです。
システムについては、ブログ「ネットワークオーディオ自作(1)(2)」および整備手帳をご覧ください。
ラズパイで製作したUPnP/DLNAサーバーの代わりとなります。
お高いAK製品なのに高出力アンプも光出力も使わず、お試し要素もあって(後述)モッタイナイので、中古を安く購入しました。
AKの現行モデルには「AK Connect」というネットワーク機能があり、その実体はDLNAです。
他社のDLNA対応はレンダラーやコントロールのみの機種が多いのに対して、AK Connectはサーバーにもなれるのが特徴です。
KANNにはSDカードスロットが2基、うち1つは標準サイズSDとなっていて大容量のサーバーになります。
とはいえ1TBのSDカードはまだ高価で、512GBのmicroSDカードが手に入る現在ではメリットを活かしづらい感あり。
ネットワーク動作時のコントロールはKANN自身か、他のAK製品、またはスマホ用アプリの「AK Connect」により行います。試してみたところ他社のUPnP/DLNAコントロールアプリも使えました。
Wi-Fiの仕様は802.11b/g/n。自宅ルーターとは72Mbps、モバイルルーターとは65MbpsでリンクしたのでMIMOやデュアルバンドには未対応です。
Wi-Fiでは安定して65Mbpsを確保できるわけではなく、このスペックでハイレゾファイルの配信に耐えられるのか?ここが今回最大のハイライト。
車載ネットオーディオで試した結果、24bit/192kHzのFLACまで、DSDは5.6MHzまで配信できました。
(当初DSDが再生できませんでしたが、LightMPDの設定でDoP伝送を明示することで正常に再生可能となりました。)
DSDが5.6MHz止まりなのは、AT-HRD500のDoP入力の仕様です。
32bit/384kHzのWAVは再生不可でしたが、そんな音源はほとんど無いのでサーバーの対応能力としてはまぁ合格とします。
一方コントロールアプリに対するレスポンスはラズパイのMinimServerに及ばず、表示がリッチなLUMIN Appなどを使うとちょっとイライラします。
動作の軽いHi-Fi Castなどにすれば、そこそこ使えるようになります。
さてここからオカルト?領域。サーバーの違いで音は変わるのか?手持ちの音源をほぼ再生可能とわかったので、俄然やる気になって音質評価してみました。
ラズパイのMinimServerは有線LAN、flacファイルをwavにトランスコードして送出します。
対するKANNはWi-Fi接続、flacのデコードはレンダラー側で行うという違いがあります。
結果は・・・変わりますね。
リニア電源で駆動するAPUでLightMPDにより出てくる音は、DAPやスマホのUSB出力に比べてS/N感、分解能、空間再現に優れています。
サーバーを切り替えて比べたところ、特に奥行き感においてMinimServerの方が好ましく、LightMPD導入時に感じた「前後方向に分離する」感覚がKANNからの配信では弱くなります。
ノイズの多い(だろう)ラズパイのLANより無線接続の方が有利かと思ったのですが・・・意外。
ラズパイのようにLANケーブルや電源を接続する必要がなく、プレーヤーをバッグに放り込んだまま使えるのは非常に便利で悩みましたが、せっかく手に入れたLightMPDの優れた音質を活かすため、主力音源としては今回は不採用としました。
Wi-Fi対応のDAPも増えていますし、ホームオーディオではバッファローとかI/Oデータのオーディオ用NAS(!)が人気なので、そのうち音質に配慮したポータブルDLNAサーバーなんてのが出てくることを期待したいと思います。
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