バッテリー交換とバッテリーの基礎知識
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
最近セルの回りが鈍くなってきたのでバッテリーを交換しました。
選んだのは『OPTIMAレッドトップ』
選定理由はレビューに書きましたがVMGにはピッタリのバッテリーだと思います。
2
写真は交換バッテリーの測定結果レシート
これだけ見ると全く問題ないようですがスタート時の電圧が48%まで下がったので恐らくはかなり劣化してきてると思われます。
3
交換はいたって簡単
①マイナス側を外す(心配なら端子を養生する)
②プラス側を外す
③取付ステーを外す
あとは逆の手順で取り付けます
④設定を復旧する ※特にパワーウインドウ
注意点としては
・必ずマイナスから外す
マイナスが繋がってるとボディアースが利いてしまい短絡することがあります。
・工具の取り扱いは慎重に誤って端子間に工具を落とし短絡させてしまうと工具が溶けるぐらいの強電流が流れ火災になることもあります
・元々ついてたバッテリーカバーを戻す
熱はバッテリーの天敵です。断熱のためにも新しいバッテリーに必ずつけましょう。
・可能ならバックアップ電源を使う
クルマは電気の固まり。そのまま交換するとメモリがリセットされ復旧が面倒です。
今回の交換では以下の設定が消えてました。
・時計 ・オーディオ ・エアコン
オーディオは設定を事前に撮影しましょう。
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ココからはレビューの補足としてバッテリーの基礎知識について説明します。
もしかしたらウソが混じってるかもしれないので興味のある方は自分でも調べましょう(笑)
タイヤもそうですがクルマの消耗品の規格は全て記号で表されてます。
VMGの純正バッテリーの場合
55 D 23 L
55:性能ランク 数字が大きいほど容量の大きさや始動性のよさなどの総合力が高い
D:短側面のサイズ Dは173mm 高さは202mm
23:長側面のサイズ(cm) 国産は232mm
L:端子の位置 プラスを手前に短側面から見たとき端子が左ならL 右ならR 両方短側面なら記号なし
性能ランクは単純に容量を表している訳ではなく計算式で求められます。
性能ランク=(CCA値×RC値)^1/2÷2.8
^1/2はルート2という意味です。
CCAとRCは性能を表す数値ですが後程書きます。
VM4の場合はアイドリングストップに対応するため型式が違い Q-85 と表記されます。
Q:サイズ
85:性能ランク
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バッテリーとは切っても切り離せないの省燃費のための使われ方です。
これまでの車はオルタネータ(発電機)の発電電圧を高くして常にバッテリーが満充電になるように発電してました。
最近は燃費目標の高さに対応するためにアイドリングストップなどの機能がついた車輌が増えていますが、VMGでは充電制御が導入されています。
・充電制御
画像は充電制御についてのものです。
バッテリーが満充電のときはアクセルオンでは発電せずオフのときのみ発電します。
充電不足のときは常に発電します。
オルタネータの稼働を細かく制御することによりエンジン負荷を減らして燃費向上を図ってます。
しかし充電制御車は短時間で充電できるよう高速充電となっているのでバッテリーへの負担が大きいものになり高速充電に対応したバッテリーを使わないと発熱などで膨張したり最悪の場合破裂の危険性があります。
・アイドリングストップ
説明するまでもありませんがVM4ではアイストが導入されており、車輌が一時停止したときにエンジンオフとなり走り出すときにエンジンオンとすることでガソリンの消費を減らしています。
問題なのはエンジンオフのときも充電なしでエアコンやオーディオを動かしているためバッテリーが過放電になりやすく、そこから再充電までを頻繁に繰り返すことからバッテリーへの負担がかなりのものになりることです。
アイスト車のバッテリーはこれに対応するため大容量と再生性が求められます。
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次はバッテリーの種類について
バッテリーは使用目的や構造の違いで種類があります。
・使用目的の違い
クルマでいうところのバッテリーはエンジンをかけるために使われますが、放電の瞬発力を求められ、このようなタイプをスターターといいます。
対して少量の電力を長時間放電するタイプをディープサイクルといい、放電からの再生力を求められ、船舶やオーディオなどに使われます。
・構造の違い
一般的なバッテリーは電極板(鉛)が電解液(希硫酸)に浸かっているため液式と呼ばれます。
液式のメリットは電気容量が大きいことと放電力が強いことなのでスターターに向いています。
デメリットとしては重くなることと過放電からの復活が難しく、よくて2~3回程度です。
さらに液式はバッテリー液の補充が必要なタイプと補充不要のメンテナンスフリータイプがあります。
最近はメンテフリーが増えてますが、まだまだ要メンテのモノが多いので普段から液量チェックして常に液量が上端に来るようにしましょう。
対してOPTIMAのように電解液をグラスファイバーシートなどに染み込ませたタイプをドライバッテリーといいます。
ドライバッテリーのメリットは電解液が少ない分軽量化できることと倒しても液が漏れないことなどがあります。乾電池と一緒ですね♪
デメリットとしては若干高価なこととディープサイクルタイプとして使用することが多くスターターにはあまり向いてないことです。
OPTIMAの場合は独自の設計でスターターとしても十分使えるようになっています。
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最後にバッテリーの性能を表す数値についてです。
電圧:バッテリーの電圧で通常は12~13V程度。
10.5Vを切るともうアウトです。
CCA:コールドクランキングアンペアの略
-18℃で30秒放電したときの電圧が
7.2 V以下となるような電流量です。
値が高いほど大量の電流を送れるので
エンジンをかける力が大きいということになります。
特に寒冷地での性能の目安になります。
国産バッテリーでは公表されてないこともあります。
RC:リザーブキャパシティの略
25℃で25Aの電流を放電したとき7.2Vに下がるまでの時間(分)です。
オルタネータが故障して充電できなく
なった場合でもRCの時間は運行できる
という意味です。
時間率容量:バッテリー容量の規格です
一定の電流を流したとき10.02Vまで電圧が下がるまでの放電量を表します。
国内では5時間率の表示が使われ
58Ahの場合は 58÷5時間=11.6A
つまり11.6Aなら5時間まではバッテリーが持つということです。
海外では20時間率が多く使われます。
20時間率を5時間率に換算すると1.1~1.25倍程度です。
性能を表す値としてはRCと同じような
感じですが電気容量を直接みることが
できます。
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以上つらつらと書きましたがバッテリーなくしては
クルマは動きませんし、最近のクルマは電気の塊なのでクルマに合ったバッテリーをしっかり選ばずいい加減に選ぶと性能を発揮できないどころか無駄な出費になりかねません。
ちなみにバッテリーは消耗品なので保証も利かないし、よくある『○年●万km保証』なんてのも適用条件が厳しいのであてになりません。
レヴォーグも3年目に入り
『バッテリーがイッたww』
なんて話もチラホラ聞きますし、いろんな消耗品にお金がかかるようになります。
バッテリーに限らず何かを入れ換えるにしても『誰々が使ってるから』とか『見た目が』とかだけではなく、中身のことを少しお勉強するのも楽しいものです♪
この手帳が少しでもお役にたちますように♪
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