2017年07月19日
Z34 VDC解除のウソとホント?(2)
さて、私が信じていた「VDC OFFスイッチではブレーキング時にはVDC制御が残る」という情報は(私のアタマが作り上げた)ウソだと思うというコトについて、その理由をメモします。
大まかに言うと、次の内容を整理した結果、ウソだろうという結論に至りました。
(1)Z34の取説の記載
(2)日産Webサイトの記載
(3)VDCの構成要素
それぞれ、次のようなものです。
(1)Z34の取説の記載
これです。

まず、これを読めばVDCには「ブレーキLSD機能」が含まれている事と、VDC OFFスイッチでオフにしても「ブレーキLSD機能」は解除されない事が分かります。
更に分かる事は、「ブレーキLSD機能」とは書いて字の如く、左右の駆動輪の回転速度差をブレーキ(ABS機能の一部でしょう)を使って制御する、つまり空転していない方の車輪の駆動力を確保するために空転している車輪にブレーキをかける機能です。正しく理解すべき点は、「ブレーキLSD機能」は、ドライバーが自らブレーキをかける等して車両が減速している時(減速Gが検知された時)に動作する機能という訳では無いというコトです。
ということで、ネット上のどこかにあった、このブレーキLSD機能に関する内容を私が、「VDCをオフにしてもブレーキング時にはVDCの制御が残る」と誤認/誤解/曲解したのかもしれません、、。
(2)日産Webサイトの記載
これはリーフのVDC機能についての取説の記載です。
私の車はZ34(HZ34)ですが、VDCの基本構成要素等のシステムそのものにはリーフ(及びその他の日産車、あるいは世の中のほぼ全ての乗用車)との差は無いと考えて良いと思います。これは、車種によって車両の姿勢制御や姿勢の安定化についての考え方は変わらないと考える事が自然なためです。
もちろん、車種によって味付けは違うと思います。例えば、左右の駆動輪の回転速度差がXX%になった場合にはブレーキLSD機能を動作させよう、と言う場合のXX%は、車種(車両の特性)によって異なる可能性があります。
しかしながら、車両の安定性(不安定性)を量る要素(項目)自体は全車両同じはずです。例えば、「このクルマはファミリーカーだから安定性の判断要素にヨーレートを加える必要は無い」といった判断はしないでしょう。同様に、「このクルマはスポーツカーだから安定性の判断に特別なパラメータ(例:加減速G)を加えよう」といった事も、まずありえないと思います。
VDCが安全の為の機能である以上、車両がどのような状態にあるときを不安定状態と判断し、車両による姿勢制御(に繋がる制御)を実施するかという判断の要素(項目)に、車種による違いは無いでしょう。さらに日産自動車は乗用車を大量生産&販売することを生業としているため、VDCの基本コンポーネントは共通化されていると考えることが自然だと思います(ただしコスト削減のためにセンサーの数や質には違いがある可能性はあります)。
さてその上でリーフの取説を読んでみると、素人にも理解できるように要点が上手くまとめられています。
そこからまず読み取れる事は、VDCの動作条件としては、車速、左右駆動輪の回転差、ヨーレート、操舵量、といったものが含まれる事です。さらに重要な点は、VDCの動作条件として加速時もしくは減速時という場合分けは無いというコトです。なお、引っ掛け問題的な記載として「車速に応じて駆動輪のスリップを・・・」というものがありますが、この場合のVDCの動作に関するパラメータは「車速」であり、「加(減)速度」ではありません。
(3)VDCの構成要素
ここまでに書いたような考えに至った上で更にネットを徘徊したところ、このようなWebページを見つけました(無断リンクあしからず、、)。
VDCの基本的な構成についてまとめられているページです。
VDCによる制御の仕組みを理解するために、参考になりました。
なお、このページやその他の情報ソースにも、「VDCは加速(減速)時のホイールスピンを防止することにも効果がある」といった事が書かれている&言われていますが、その事と、VDCの動作パラメータに加速(減速)度が含まれるか否かは別の話です。
どういうことかと言うと、VDCは「加速時(または減速時あるいは停止時)にホイールスピンした/左右輪に回転差が発生した」というコトを判断しなくとも、「速度がXXkm/hの時にホイールスピンした」「速度がXXkm/hの時に左右輪の回転差がXX%である」といった情報が分かれば(加減速Gが分からなくとも)、加減速時(停止時含む)のホイールスピンの防止に役立つ制御(介入)は可能です。
つまり、加減速Gを検知せずとも(どのような加減速Gであったとしても)、その他のパラメータ(車速、左右駆動輪の回転差など)によって結果的に加減速時の姿勢制御に有効な介入は可能だというコトです。
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そして結論に戻ると、やはり、「”VDC OFFスイッチではブレーキング時のVDC制御が残る”という事実は無い」、となります。
これは、そもそもVDCの動作パラメータには加減速Gは含まれないため、加速時なのか?減速時なのか?という判断をVDCシステムが行なうことが出来ないからというコトになります。
ではここで当初の疑問の一つである「VDC OFFスイッチって何?」ですが、取説の表現を少し変えて自分自身が理解し易いように書き直すと、、、。
VDC OFFスイッチは車両の状態&姿勢制御に関して、ABS機能とブレーキLSD機能のみを有効にさせる機能(スイッチ)である、という表現が最も適切だという事になりそうです。
これは、まあ、取説に書いてある事そのままと言えるので、ミもフタも無い結論と言えますが、、、。
さて、いよいよ肝心の「VDC全オフって何?」について考えを進めようと思います。
ここまでの考えが正しいとした場合、既に結論は見えています。
それは、VDC全オフとはABS機能のみを残し、ブレーキLSD機能を(も)無効にする仕掛けである、と言えるはずです。
という事は、サーキット走行においてVDC全オフが好まれる(望まれる)とすればその理由はブレーキLSD機能が邪魔であるというコトになります。
そのブレーキLSD機能による制御(介入)が邪魔である理由は具体的には、、、。
つづく、、、。
(※ モチロンですが、これは個人的な見解です)
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Posted at
2017/07/19 16:38:32
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