2017年07月26日
Z34 VDC解除のウソとホント?(6)無罪→釈放
ここまで、Z34のVDCについて、私自身の実体験と、Z34の製造メーカーである日産自動車が作ったZ34の取扱説明書に書いてある事実を主な拠り所としてイロイロと考えをめぐらせて来ました。
その上で、よく分からない部分として残ったものは、ブレーキLSD機能はスポーツ走行に悪影響を与えるのか?です。
この状態で、昨日、茨城県某所で行なわれたぐるぐる練習会に参加し走行してみた結果から、Z34のブレーキLSD機能は私のスポーツ走行に悪影響を与えるのか?とした場合についての結論が出たので記録します。
みちみっく法廷における判決は、ブレーキLSD機能は無罪、です。
無罪判決の理由とポイントの重要な点は次の通りです。
(1)判決の前提となる罪状のポイントを「Z34のブレーキLSD機能は私のスポーツ走行に悪影響を与えるのか?」という個別具体的な事案とした事。
(2)私のスポーツ走行とはドリフトを含まず、広場&サーキット走行が前提である事。
(3)実走の結果、ブレーキLSD機能が介入していると感じられるようなヘンな挙動が見られなかった事。
(4)「VDC OFFスイッチ」は、ぬかるみからの脱出を目的とした機能である事。
より簡単に言えば「VDC OFFスイッチ」でのオフで走っていてもヘンな制御をされている感じはしなかったのです。このため、無罪というよりは起訴猶予処分と言うべきかもしれません。
さて昨日の実走ですが、実際のところ、「VDC OFFスイッチ」での走行は練習開始当初のホンの数本(ほぼグリップ走行)だけでした。が、その際にも特に不自然な挙動は感じられませんでした。ホンの数本とした理由は、練習コース設定がドリフト練習的(車両のコントロールを目的とした)設定が多めであった事から、私の今のウデでは毎回安定して走る事ができなかった為、比較はムリとあきらめ、走る事そのものを優先にして最初の数本を除くその後の全てを(せっかく実装しているので)「VDC全オフ」状態としました。
ドリフト状態をコントロールできない私としては、その状態ではハンドル操作がシッチャカメッチャカになるため、そのときのクルマの挙動がどうなのかといった評価や判断など出来るはずがありません、、、(涙)。
と言う消極的な理由での無罪判決(起訴猶予処分)ですが、裁判とはそういうものです(いつから裁判になったのかは不明・・・)。
とは言うものの、、。
VDC機能が全て動作している状態でぬかるみにハマって片方の駆動輪が空転する
→ トラクションコントロールによって必要なエンジン出力が得られない
→ 出力を得るために「VDC OFFスイッチ」によってトラクションコントロール(出力制限)をオフにする
→ ブレーキLSD機能によって、空転していない駆動輪に出力を与えることができる
→ ぬかるみから脱出!
という理由で「VDC OFFスイッチ」が用意されている事(取扱説明書にそう書いてある事)を踏まえれば、今回の判決が不当判決と非難を浴びる事も無いような気がしています。
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さて、ブレーキLSD機能の冤罪が晴らされた事は良かったのですが、そうすると、VDC全オフは不要なのではないか?と思うかもしれませんが、大丈夫です。必ず罪人が必要だと言う訳では無いのです。
VDC全オフが必要な理由はいくつもあると考えられます(想像できます)。少なくとも三つくらいは考えられます。
一つ目は定常円旋回です。
一速で周るような定常円であれば車速もかなり低いはずです。この状態を、ぬかるみにハマって脱出しようとしている状態(高出力だが極低速)であるとVDCが判断する可能性があります。この場合、ブレーキLSDによるヘンな介入が発生して定常円旋回に悪影響を与えるかも知れません。ただし私は定常円旋回が出来ないので確認のしようがありません(泣)。
二つ目は面倒くささからの開放です。
走行会等での走行→休憩といったサイクルでは、エンジン停止時にリセットされる「VDC OFFスイッチ」でのオフをし忘れて走ってしまう事も私はあります。私が実装した方式(一般的な方式)のVDC全オフでは物理的なON&OFFスイッチであり、これをオフ側にしておけば、エンジンを再始動しようが、そのスイッチの状態が生きるので、OFFにし忘れる事がありません。これは思いのほか便利です(が逆に日常利用では要注意でもあります)。
三つ目はVDCの制御からの確実な開放です。
もちろんこれが最も重要です。
Z34の取説には、VDCの制御システムに異常があるとVDCは機能しないが普通のクルマとして走行可能だとあります。
その異常な状態は、(そのための一つの方法として)ヨーレートセンサーの値をVDCに渡さない事によって作り出すことが出来、それによってVDCを機能しない状態(全オフ状態)にする事ができます。こうなれば、XX機能がどのような制御をどのような状態のときに行なうのか?といった事を気にする必要は全くありません。
ということで、VDC全オフは技術的には簡単に実装でき、且つ、確実な結果としてVDCの制御から完全に開放(釈放)されるのでおススメです。
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余談ですが、昨日の高温&多湿でのぐるぐる練習会では、試しに導入してみたクールジャケット的な保冷剤ポケット付き網ベストが大活躍でした。導入正解でした。

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サーキット | クルマ
Posted at
2017/07/26 13:41:46
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