HA11S アルトワークス　腰下オーバーホールリターンズ1

今回は新品ピストンを購入して、元々積んであったシリンダーブロックでオーバーホールします。

しっかりシリンダー計測もしまして、スタンダードピストン新品で問題ない事を確認済みであります。

新品ピストンの計測もしておきます。
ピン穴の直ぐ上付近の、最も肉厚な辺りで64.40㎜

ピン穴より90度付近のスカートの中央付近で64.95㎜

同じピストンでも縦と横で0.5㎜以上サイズが違う事が判る。
完全に卵型ですね。

これが熱膨張率の違いです。

外したピストン。

傷が入りやすいのは、冷間時に寸法が大きい所。
こういうものを見ると、ドライスタートへの注意や暖機運転の必要性がよく判る。

割と綺麗なように見えても、オイルリング底の穴がみな詰まっていますね。

地味ですがピストンピンの潤滑を助けている重要な穴なんですよ。

新品ピストンはKSRのピストンでもお世話になっているART製でした。

高品質高精度の信頼できるメーカーですね。

ピストンにリングを組み付ける前に、各シリンダーで合口確認。
シクネスゲージで計測しておきます。

＃1　トップリング　 旧　0.35
　　 　　　　　　　 新　0.20
　　 セカンドリング 旧　0.20
　　　　　　　　　 新　0.20
　　 オイルリングレール 旧　0.55
　　　　　　　　　　　 新　0.55
＃２ トップリング　　 旧　0.45
　　　　　　　　　　　 新　0.15
　　 セカンドリング　 旧　0.25
　　　　　　　　　　　 新　0.15
　　 オイルリングレール 旧　0.60
　　　　　　　　　　　　新　0.55
＃３ トップリング 　　　旧　0.60
　　　　　　　　　　　　新　0.15
　　　セカンドリング　　旧　0.35
　　　　　　　　　　　　新　0.15
　　　オイルリングレール旧　0.60
　　　　　　　　　　　　新　0.55
　　　（ミリ）　　　　　　　　　　　　　
古いリングは、トップリングの合口0.60というのが一番広い値ですね。
限度値がトップで0.7、セカンドで1.0とかなので、ぎりぎり限度値内でしたが、新品にすることで全て基準値の狭い方へ揃いました。

狭すぎて削らなければならないようなものはありませんでした。

オイルリングレール下側、エキスパンダ、オイルリングレール上側、セカンドリング、トップリングと組み付けていきます。

小さいので手で全然組めますね。
捩り過ぎないように注意です。