
こんにちは。
遅ればせながら、570シリースの後継であるArturaに試乗してきました(^^)
570GTくんの軽微な点検(エラー・リセット)も兼ねて、湾岸ドライブがてら向かいます。
個人的にレインボーブリッジのグルグル旋回が好きなので(笑)、2往復楽しんでから、マクラーレン東京へ。
試乗用のアルトゥーラ。
Arturaとは、スペイン語で「高さ」「標高」を意味し、「Art」と「Futura」をミックス(Futuraはラテン語で「未来」=英語の"future")したネーミングです。
これまでマクラーレンの量産車は、馬力数字を車名にしていましたが(540、570、600、650、675、720、765・・・)、新世代のArturaからは数字車名をやめると宣言されました。
※720のマイナーチェンジ版の750の発売が控えていますが、これは新世代モデルでないため数字継承。
Arturaは、2011年の12C以来10年間続いていた基本設計を同じくする歴代モデルに別れを告げ、ゼロから完全新設計された新時代の第1段モデルです。
以下全部がゼロからの新設計
・カーボンモノコック(刷新)
・3リッター120度V6ツインターボ+モーター(初のV6)
・8速+モーター後退のギアボックス(初の8速)
・サスペンション(刷新)
・ドリフトコントロール付eデフ(初採用)
・エキゾースト(刷新)
・電気系プラットフォーム(刷新) など
「マクラーレン・オートモーティブの第2章が始まったことを告げるモデル」と位置づけられてます。
軽量化に拘るマクラーレンらしく、ハイブリッド・パワートレインの重量増を車体全体の軽量化技術で相殺して、同クラスのスーパースポーツより軽い乾燥重量1395kg(DIN値)を実現しています。
570にあったサイドスカートはなくなり、720のようなすっきりしたデザインに変わりました。
ドアの下部には空気トンネルがあって、フロントからリアフェンダー下部の穴へと空気が流れる仕組みになってます。
ドアはかなり車体寄りに開くようになり、より狭い場所でも開閉可能になりました。
全体的なサイズ感は、これまでのモデルとほぼ変わらないのですが、より彫の深い彫刻的で美しく未来的?!なデザインになりました。
カーボンブレーキは600LTや720Sと同じものが流用されています。(曙ブレーキ製)
ホイールも見るからに軽そうで、カッコいい!
ボディサイドの美しいエアインテーク内のラジエターは、冷却効果最大化を狙って斜めにオフセット搭載されています。
Cピラーから風を抜くフライングバッドレスは、これまでのマクラーレン同様に採用されています。
ただし、過去モデルの特徴のひとつだった、どこにあるのかわからない隠れたドアオープナーが、このように普通の位置と形状になったのは少々残念なポイントです。(デザイン的な違和感はないのですが)
エンジン真上には、チムニーと呼ばれるターボ排熱穴(中央の煙突状)が付きました。900度!!から240度にまで下げる効果があるそうです。
その他排熱口も無数の穴デザインに変更され、金属の質感と相まってカッコいいです。
細いテールライト、ハイマウント排気と融合した排熱穴のデザインもカッコいいです。
ミッションがモロ見えなのにも萌えます。
ちなみに、570ではリアにモデル名は付かずサイドスカートにエンブレムがついていましたが、サイドスカート廃止によりリアにArturaのエンブレムが付きます。
ブレーキ踏むと全部光ります。
ウインカーは、シーケンシャル。
内装は、スパルタンさは薄れ(それがマクラーレンらしさだったのですが)、超シンプル・モダンな感じで洗練されています。
試乗車はモノトーン内装でしたが、ツートンとか選べば見栄え良いと思います。
身体に吸い付くようなシートは、あいかわらずよいです。
小径ステアリング内にインパネ全体が収まっており、ステアリング・コラム調整に連動してインパネ位置も動きます。
相変わらずステアリングには一切のスイッチが付きません。これは、マクラーレンの意地でしょうね(笑)
というわけで、説明が長くなりましたが、高速中心に横浜行って帰っての2時間の試乗を楽しみました。
加速は、エンジンの湧き上がるような血が騒ぐ感覚とは違い、電気でレスポンス補強されるためリニアな感覚です。
サスペンションは720S並に素晴らしかったです。
常に安定した接地性と最適な乗り心地でした。
(リアサスのマルチリンク化、伸び側と縮み側を独立制御できる連続可変ツインバルブ式油圧ダンパー、機械式のアンチロールバー、センサーで路面を“読み取る”アクティブダンピングコントロール機能)
ショートホイールベース化やeデフと相まって、コーナリングではリアの安定感や接地感が570より断然高まってました。
そして、平日なので途中首都高渋滞があり、マクラーレン初搭載となるADASも試せました。
以上、全体的にマクラーレンらしさは健在ですが、美しいデザインも走りもモダンに洗練され、車名どおりにArtでFutura(未来)を感じさせる次世代車といえました。
逆に、マクラーレン唯一無二的な部分が減って、マシンが発するただならぬ生命体のようなオーラは薄れ、万人受けな感じになったなぁ~という印象でした。
しかし、性能面はほぼ720相当に高められ、570でオプション扱いだったかなりの範囲が標準装備されるうえに、なおかつ新車保証5年、バッテリー保証6年、3年間の定期点検コスト込みで3000万弱~というのは、かなりコスパ高い戦略的な価格設定です。
※従来からマクラーレンは、競合よりお買い得価格ですが。
Arturaは、発表直後のコロナで工場がほぼ2年間も休業状態に陥り、デリバリーが遅れに遅れました。
この、クルマほとんど作れない苦難の2年間にマクラーレンは、コロナで需要が増えた医療介護向けのベッドや設備などを作っていたそうです。
社会貢献により会社存続させたマクラーレンに、オーナーとしては敬意を表したいと思います!
そして、昨年ようやく日本に入ってきたこの試乗車は、プロトに近い最初期モデルなのでいろいろと煮詰めが足りてないとのこと。
それもあってか、たった2時間の試乗では、期待したより感動が足りませんでした。単に私がまだハイブリッドよりもエンジンに感動するからかも知れませんが・・・。
顧客にデリバリーされるアップデート版で、もっと感動要素が加わっていることに期待ですネ♪
マクラーレンは、今年9月に創業60周年を迎えます。(うち、量産車のオートモーディブは10数年)
昨年7月に交代した新CEOのマイケル・ライターズ氏は、ポルシェ~フェラーリ最高技術責任者を経てマクラーレンに移籍してきました。
商品開発と品質命の人らしいので、新時代のマクラーレンの経営を見守りたいと思います!
Posted at 2023/04/02 09:51:52 | |
試乗 | クルマ