同じ県内でディーラーのメカニックの方からご連絡をいただきました。シルビアS14型がとても好きで長くお乗りだのことでしたが、最近下回りから振動、異音を感じるようになり日を追うごとに大きくなっているので外して確認したところ、ジョイントの首振りにムラを感じるのと中立点での引っかかりが強くでていること、センターベアリングの動きに違和感を感じるということでした。違和感をそのままにせずに状況確認を行うのはさすが整備士です。
外されたシャフトをお持ちいただき状態確認してみました。
首振りのムラはたしかに感じられましたが、普段ひどいものを見ているせいかそこまでの問題には感じませんでした。中立点での引っかかりは三か所とも強めに感じられました。センターベアリングの回転具合は軽すぎるように感じられたので、ベアリング内部の潤滑はそろそろ終了に近くなってきたのかもしれません。
 
 
 
S14型のミッションにささるスプライン部は若干細目に感じられるサイズでしたが、スパイダーは大きめのサイズが装着されていてターボの大出力に対応するような部品選定になっているように感じました。純正新品のセンターベアリングも添付していただきましたので交換作業を行います。なぜかわかりませんがゴムダンパーのまわりについている枠が変形していてカタカタと動くような状態でした。
 
スパイダー内部の潤滑はまだ油分が残されていましたが、粘りがなくなってニードルベアリングがボロボロと落ちてくる状態でした。このような潤滑状態だと中立点での引っかかりの原因になっているように感じます。
 
数百本あるニードルベアリングを洗浄液で徹底的に洗て古い油分を落とし切り、一本ずつキャップ内に戻していくのはとても根気のいる作業です。高性能グリスを惜しげもなく詰めていきます。
 
回転中心をほぼゼロに近くなるところまで調整して固定を行い、動バランスも測定限界近くまで詰めて完成シャフトとしました。
 
ご依頼主様にお渡ししたところ、ユニバーサルジョイントの首振りの変貌具合にとても驚かれていました。センターベアリングの感触もとてもしっかり感を感じると言っていただけたので、試走のご感想をいただけるのが楽しみです。
  Posted at 2025/08/17 22:23:26 |  | 
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