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CRR1987の愛車 [ランドローバー レンジローバー]

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作業日:2023年9月24日

クラシックレンジ 素人がフルコン化(MaxxECU)【その2 作業順序とクランク角センサの取付1】

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目的 チューニング・カスタム
作業 DIY
難易度

中級

作業時間 12時間以内
1
2023/9/23〜10/19
走行距離:166,117km

純正ECUが故障したのをきっかけに素人がフルコン化に挑戦した記録です。

フルコンでは、燃料噴射系と点火系、両方の制御ができますが、私のような素人が二つを同時に行うとトラブルの元になるので、点火系はこれまで通りデスビでの点火のままとし、燃料噴射系のみ新たなECU(スウェーデン製MaxxECU)で制御することとしました。

フルコン化における燃料噴射系統の作業としては、一般的には下記の順序で行ないます。
⓪純正ECUおよび純正ハーネスを撤去
①各種センサの取り付け
 ・クランクプーリーへトリガーホイール取り付け、クランク角センサー取り付け
 ・排気管へ空燃比センサー取り付け
 ・吸気温度センサーの取り付け
 ・水温センサーの取り付け(既存センサーの再利用可)
 ・スロットルポジションセンサーの取り付け(既存センサーを再利用)
 ・MAPセンサー(インマニ負圧センサー)用のバキュームホース取り付け
 ・燃圧センサーの取り付け(必須ではない)
②アイドルコントロールバルブ(ICV)の取り付け
③ECUから上記各センサ、ICVへのハーネス作成、配線、MAPセンサーへバキュームホース接続
④ECUからインジェクターへのハーネス作成、配線
⑤ECUの電源系統ハーネスの作成、配線
⑥ECUのセッティング(入出力設定、エンジン情報投入、燃料マップ設定など)
⑦エンジン始動
⑧走行テストでセッティングパラメータの調整

なお、フルコン化に伴い、純正のエアフローメーターを使用したLジェトロニック(吸入空気量制御)から、MAPセンサー(圧力センサー)を使用したDジェトロニック(インマニ負圧制御)へ大きく制御方式が変更されます。

よって、素人がいきなり純正ECUや既存ハーネスを取り外して、新たなECUを取り付けるとトラブった時の原因究明が難しくなると考え、時間はかかりますが、作業順序を入れ替えて途中で動作確認を行いながら下記のように段階的に変更していくことにしました。
⓪純正ECUでエンジンがかけられるように、純正ECUや既存センサー、既存ハーネスはそのままの状態とする
①新ECUで使用するセンサのうち、クランク角センサー、空燃比センサーを取り付ける。
なお、吸気温度センサー、水温センサー、燃圧センサーは仮固定とする
②新ECU(MaxxECU)から上記各センサへのハーネス作成、配線、バキュームホース接続
 ②-1追加工程:バッテリーから直接電源を引いて単独でMaxxECUの電源がONできるように配線
 ②-2追加工程:MaxxECUの電源を入れて、USBでPCをつなぎ各種センサーの入出力設定を実施
 ②-3追加工程:純正ECUでエンジンをかけて、MaxxECUに繋いだPCから各種センサーが正常に動作していることを確認(万が一、純正ECUを撤去して新しいECUでエンジンがかからない場合、これらの確認ができないためこの工程は重要)
 ②-4追加工程:純正ECUで走行し、様々なエンジン回転、アクセル開度でのインマニ負圧、空燃比など、純正ECUが制御している時のデータをMaxxECUでロギングする。またその時のインジェクター噴射時間は開弁時間が測定できるマルチテスターを純正ECUに繋いで表示をビデオ撮影。(このデータが後で行う燃料マップの作成に役立ちました)
 ②-4追加工程:純正ECUおよび不要機器撤去、純正ハーネスを撤去
③アイドルコントロールバルブ(ICV)取り付け
④新ECUからインジェクター、ICVへのハーネス作成、配線
⑤新ECUの電源系統ハーネスの作成、配線
⑥新ECUのセッティング(入出力設定、エンジン情報投入、燃料マップ設定など)
⑦新ECUでエンジン始動
⑧走行テストでセッティングパラメータの調整

ではここからは①の各種センサの取り付けについて記載していきます。
2
①-1 クランクトリガーホイールとクランク角センサーの取り付け

フルコン化では、適切な噴射制御を行うためクランクの位置(ピストンの位置)を正確に把握する必要があり、その要(かなめ)となるクランク角センサーの取り付けが必須となります。
クラシックレンジのV8エンジンには当然そのような近代的なものは付いていないので、後付けする必要があります。

以前の記事にも書きましたが、イギリスの業者さんがローバーV8用のクランクトリガーホイールとクランク角センサーやそれを固定するブラケットを販売していることがわかったので、一式購入しました。
http://www.trigger-wheels.com/store/contents/en-uk/d14.html

トップ画像は購入した部品です。トリガーホイールは36−1歯の物です。

トリガーホイールはクランクプーリーに共締めするので、取り付けるためにはクランクプーリーを外す必要があり、クランクプーリーを外すにはその前に付いているクーリングファンを外す必要があります。

まずはクーリングファンの取り外しですが、取り外し方法は下記のクーリングファンの交換に関する整備手帳を参照ください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2863564/car/2473637/7686722/note.aspx
3
ファンとファンシュラウドが外れたら、ラジエターを痛めないように段ボールで保護。
4
ファンベルトやパワステベルトも外します。パワステベルトを外すにはオルタネータベルトも外す必要があります。
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クランクプーリーの中央の巨大ボルトを24mmソケットで外しますが、270Nmのすごいトルクで締まっているので回転しないようにギアを3速くらいに入れて、単管で延長したスピンナーハンドルで緩めたところ無事外れました。
ちなみにクランクプーリーボルトは普通のネジと同じ回転方向。(左回りで緩む)
6
巨大ボルトを外したところ。

このボルトを外せばプーリーは引っこ抜けるはずですが、固着していて引っ張ってもこじっても叩いても全然外れません。

プーラーを使って外そうと思いましたが、手持ちのプーラーは小さく、大きなクランクプーリーの外径φ180mmの外側には掛けられませんでした。
工具店では大きなプーリーにも使えるクランクプーリープーラーなるものが売られていましたが、約1万円ほどしていて資金難の私にはためらう価格・・・・。
仕方がないので手持ちの小さなプーラーが使える方法がないか考えました。
7
クランクプーリーを観察すると、円周状に6本のボルトで2個のプーリーなどがサンドイッチ締めされているのがわかりました。
この6本のボルトを外せば、ネジの穴を利用できるのではないかと考えました。
(この写真は中央の巨大ボルトを外す前に撮った写真)
8
6本のボルトはプーリーの裏側でナットで止められています。
このナットはプーリーとエンジンの隙間からラジオペンチでつかんで外せました。
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そこで写真のように手持ちの小型プーラーの爪を外して、M8、L=150mmほどの全ネジボルトを代わりにプーラーに固定します。
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プーリーの対角線に位置する2つの穴に全ネジボルトを入れて、反対側にはナットをねじ込んで抜けないようにした状態で、その全ネジボルトをプーラーで引っ張ってプーリーを外す作戦にしました。(文章ではわかりずらいので写真参照)
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全ネジ反対側のナットの状態です。6本のボルトで共締めされていたバランシングプレートと呼ばれる円盤(写真の一番上)はクリアランス確保のためずらしてあります。こうするとナットが締めやすいです。
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この方法によってがっちり固着していたクランクプーリーをうまいこと外すことができました。
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プーリーを外したエンジン側です。36年間の汚れが堆積していてとても汚いです。
ちなみにこの時にクランクフロントシールからのオイル漏れを発見したので、シール交換も行いました。
詳細は下記別記事参照。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2863564/car/2473637/7686699/note.aspx
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クランクプーリー後端のバランシングプレート(写真の手で持っている円盤)が取り付けられている位置にトリガーホイールが付くので、バランシングプレートと外れ防止プレートはギアプーラーなどで外します。(途中までは動くのですが、外れ防止プレートが最後は圧入のようになっていて工具がないと外せませんでした)
これらのプレートは組み立て時には使用しません。
※トリガーホイールのメーカーHPにはこのバランシングプレートを外しても振動などは発生したことがなく問題ないと書かれていました。
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位置決めピンが邪魔になるのでハンマーで平らになるまで叩き込みます。
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クランクプーリーの後端に付属のスペーサを入れ、
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トリガーホイールをその上に重ねます。
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このように横から見るとプーリーの金属から少しスキマが開くように設置されます。
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せっかくクランクプーリーを外したので少しキレイにします。
Vベルトの溝の底にもオイルと泥の堆積物が…
私がよく使うのは竹串です。相手を傷つけずに汚れを落とすことができます。狭いところにも届きますし。
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浮サビを落として塗装をしておきました。
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点火時期の目盛りにはホワイトペンで墨入れ。
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6本のボルト+ナットで固定するのですが、トリガーホイールの角度は後で取り付けるクランク角センサーとの位置合わせが必要なので、まずはトリガーホイールが動く(手で回転できる)くらいに軽く止めます。
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ちなみにスペーサ+トリガーホイールの厚み分ボルトの長さが足りなくなるので、純正のボルトよりも長い、M8細目、L=50ボルトを用意します。(純正はインチボルトですが、M8でも使えました)
なお、ここは力がかかるところなので、私は念のため強度区分10.9のボルトにしました。
ナットは緩み防止のためナイロックナットにしました。
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参考までに元ついていたインチボルト(上)と今回使用したM8細目 L=50ボルト(下)
※ボルトが長すぎるとエンジンに干渉するので注意!

次回に続く

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