1985年SR500 ボアエースツインオイルライン取り付けその①
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
今回の整備手帳は1985年式SR500 (1JN)にボアエースのツインオイルライン(油温取り出し付タイプ)の取り付けの様子をお届け致します。
今回なぜツインオイルラインを付ける事にしたのかと言いますと、とある関西地方のSR専門の修理工場の親父さんに、【ボアエースのツインオイルラインを付けたいがどう思うか?】と質問して色々とお話を聞きしたのがきっかけです。
結論から言うと親父さんは
『有っても良いけど無くても問題ないと思う、でも付けたかったら付けたら良いんじゃなか』と言う返答でした。
親父さん曰く純正のデリバリーパイプからのシリンダーヘッドカバー内へのオイル供給は、エンジンが始動してから大体20秒後にオイルが送られてくるのに対して、ボアエースのツインオイルラインはエンジン始動後3秒でオイルが供給されるそうです。ちなみにデリバリーパイプからのオイルの供給が20秒もかかる理由も教えて貰いました。
理由はエンジン始動後にオイルポンプが動いて、まずオイルフィルターケース内がオイルで満たされて、そこからシリンダーヘッドに繋がるデリバリーパイプにオイルが供給されてシリンダーヘッドにオイルが供給される、その時間がエンジン始動から20秒かかるそうです。
当然その間はシリンダヘッドにはオイルが供給されない状態でエンジンが回っていることになります。それだけ聞くとエンジンにとってはとんでもない過酷な状況と思ってしまいますね。
また親父さんは、ノーマルでそうなってるんやし最初オイルがない状態でも全く問題は無いとも言われていました。
その全く問題ないと言われた親父さんの考える理由も教えて頂きました、その理由は、エンジン始動直後はオイルの供給が無しでエンジンが回るけれどもしっかりとオイル交換さえしていれば1日~2日くらいやったらオイルの粘性が保たれてて、ヘッド内にオイルがまとわりついて残ってる状態やから最初の数十秒くらいなら残ってるオイルだけで問題ないと、そもそも純正の仕様でそうなっているので問題は無いと、しっかり1000㎞毎にオイル交換してれば無理にツインオイルラインは必要ないとも言われました。
だけども1日~2日なら全く問題ないけども、一か月とか乗らない期間があれば適切にオイル交換しててオイルの粘性が有ってもオイルは完全に下に降りてしまうやろうなとも言われてました。
丁寧に教えてくれる親父さんの話をまとめると、毎日乗ってしっかり1000㎞毎にオイル交換さえしてればツインオイルラインは無理に付けなくても良いという意見でした。
ですがここで【う~~ん】と思うのが、この親父さんの意見には二つの条件が有ります
条件その①
ほぼ毎日SRに乗る事
条件その②
1000㎞毎にオイル交換をする事
オイル交換はなんとかなるとしても、通勤でSRを使わない僕にとっては毎日SRに乗るのが僕にとっては非常に厳しいです、、、、、
1週間とか1か月とか乗らない事は良くあります。そんな時にエンジンをかける度に最初の20秒間シリンダーヘッドにオイル回って無いのかと考えるとちょっとなんとも言えない気持ちになりますね。
そもそも純正の仕様がそうなってるので問題は無いと思うのですが、そんな話を聞いてしまうと色々な事を考えてしまいます。色々と考え過ぎると精神衛生上よくなくて、、、、
色々と考えて僕の結論として買うことにしました。これからもずっと乗り続けるSRです、3万ちょっとでずっと安心して乗り続けれるなら安いもんです。それにバイクの調子の事ばっかり考えて毎日SRに乗るのは無理です。
ボアエースのツインオイルラインを付けることそのちょっとした心配が無なくなるのなら付けてしまった方がより安心してこの先もSRに乗り続けれるのではないかという結論に至りました。
保険みたいなもんですね。それと正確な油温も知りたかったので油温取り出し付タイプにしました。以前からオイルゲージと油温計が一緒になってるをずっと使ってましたが、修理工場の親父さんも言ってましたがあれでは正確な油温が取り出せないそうで、このツインオイルラインの油温取出しは正確な油温が取れるそうなので一石二鳥ですね。
2
自分の理解を深めるために図を作ってみました。サービスマニュアルのオイル循環機構を使って純正とツインオイルラインの違いを表してみたいと思います。図中央に有るシリンダの根本から出ているデリバリーパイプはシリンダーヘッドカバーのエキゾースト側へと接続されています。この図を見てるとSRはドライサンプなのでフレームにオイルが入っていますがこのオイルの入ってるフレーム自体が風も当たるしオイルクーラーみたいな役割もはたしてるのかもなと思いました。ほんとにエンジンってよく考えて作られていますね
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こちらがツインオイルラインの図です。元々のデリバリーパイプからのオイルラインははエキゾースト側からインテーク側へと接続します。オイルホースから分岐して新設するオイルラインはエキゾースト側へと接続します。分かりやすいように緑と赤で色分けしみてみました
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シリンダーヘッドカバーでの純正のデリバリーパイプからのオイルの供給状況を図にしてみました。デリバリーパイプはエキゾースト側に接続されています。エキゾースト側に供給されたオイルは2方向に分岐します、一つはそのまままっすぐに進みエキゾースト側のロッカーアームへともう一つはベアリングガイドの上側だけに掘られたオイルラインを通ってインテーク側のロッカーアームへとオイルが送られます。デリバリーパイプからは結構な量のオイルが供給されるので十分二つのロッカーアームにオイルが供給されるようです。
エンジンについては素人ですがエンジンって大人のピタゴラスイッチみたいで面白いですね。
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シリンダーヘッドカバーを裏側から見た純正のデリバリーパイプからのオイルの供給状況です。こっちの方がわかりやすいかもですね。ロッカアームに空いてるオイルの噴射口が見えるのでどういった経路を辿ってオイルが供給されているのがよくわかります。エンジンってとっつきにくい印象ですが、こうやって丁寧に見てみるととても面白いですね。
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ボアエースのツインオイルラインのオイルの供給状況を図にしてみました。左右で供給量が全然違います。ちょっとだけ疑問に思ったのがベアリングの上側だけに掘られているオイルラインについてです。純正のままだとオイルの流れる方向は一方向だけですが、ツインオイルラインとしたことで両方からオイルが供給されることになります。
ただ写真右側のインテーク側に接続されている既存のデリバリーパイプからのオイルの供給の方が圧倒的に多いので恐らく素人考えですがインテーク側からエキゾースト側へと流れるのではないのかなと思います。それにしてもボアエースのツインオイルラインはよく考えられていますね。本当にSRのエンジンの事をすみずみまで理解されてるからこそのツインオイルラインなんですね!
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ツインオイルラインのオイルの供給状況を裏から見た図にしました。画像で見るだけでもオイルの供給状況が違うのは一目瞭然ですね。ヘッドにオイルが沢山有るのは良い事ですし油温が上がりにくいというメリットも有るのかなぁ~~って思います。もともとの純正のデリバリーパイプからのオイル供給は量も供給開始の時間も十分潤滑を担ってるかもしれませんが、長く乗りたいのならちょっとでもエンジンにとってよい部品を着けたいと思うのは必然ですね
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