
まだ納車されて2週間ですが、控えめに言ってM2CSは
ゾッコンです。理由はいくるかあるのですが、やはり一番はタイトルにもある通り、滲み出る「高品質感」、そして「動的質感」・・これに尽きます。メルセデス・ベンツや、Audiに良く見られるような分かりやすい高級感や動的質感とは一線を画す感じが
旧き良き時代のBMWという感じで非常に好感が持てます。ドイツ車ってこうあるべきだよね、という
工業製品としての完成度、そして
説得力がハンパではないです。
もう少し掘り下げて書いてみようと思います。まず内装。M2CSの内装は極めてシンプルな作りですが、決してチープではないです。ベースが2シリーズなので、正直あまり期待していなかったのですが、良い意味で期待を裏切られました。今回M2CSのハンコを押す前に、M2コンペの中古車を見に行ったのですが、M2コンペとの
差別化は著しく、やはり新車価格1200万円を超えるクルマに相応しい内装となっています。シートの質感は極めて高く、アルカンターラ素材の使い方も絶妙です。そしてドアハンドルやその他に
リアルカーボンをふんだんに使っている辺りお金が掛かっています
(ポルシェだったらテクイップメントで一体いくらボッタくられるのやらボソッ)。ドアを閉めた時のフィーリングも非常に
重厚感があり、気密性が高いです。手に触れるすべてのパーツの素材感が良く、安っぽい感じは微塵もありません。この辺の作り込みはやはり往年のBMWを彷彿とさせます。昨今のメルセデスがぱっと見ウケの「高級感の演出」に終始しているのとは対照的です。分かる人には分かる良さです。決してすべてのパーツのお金が掛かっているワケではないのですが、全体としての
調和が凄くあります。とどのつまりは、「バランスが良い」の一言に尽きます。
外装は好みがあるので何とも言えませんが、個人的には
カッコいいと思えた最後のBMWのデザインです。これより後の世代はどうも
カクカクしていてあまり好きではありません。マインクラフト世代がクルマをデザインするとこうなるのか、という感じw。グリルの大きさも
ちょうど良い塩梅(誰が後にあれほど醜悪になると想像出来たでしょうか)、今見ても十二分にモダンに見えますし、陳腐な感じは一切ありません。加えてM2CSはブラックのホイールにカーボンリップ、デフューザーなどが奢られ、実際にはそれほど車高は低くないのですが、
低く、戦闘的に見えます。ダックテールにもカーボンが奢られ、ルーフもカーボン!これ、
ポルシェのテクイップメントだったら一体いくらボッタくられるのでしょうか?(2回目w)そして金色に輝くセラミックブレーキ!PCCBほどではありませんが、制動力は少なくともストリートでは十二分過ぎます。タッチやコントロール性も悪くありません。ペダルストロークは長めですが、BMWは伝統的に他のペダル類もシフトも
ストロークが長めに設定してある(ドイツ人は手足が長いからでしょうか)ので、全体的にバランスが取れていて気になりません・・
バランスって大事ですよね。下手にショートシフトとか入れると「改悪」になりそうです。
最後に
乗ってみての質感ですが、ここが一番感動したところでして、私は「動的質感」と呼んでいますが、これが
極めて高いレベルにあります。ボディ剛性と足回りのセッティングに依るところが大きいのだと思いますが、とにかく路面アンジュレーションに対するボディの動きが
秀逸で電動ステアリングにしてはインフォメーションも豊富です。しかも何が凄いって、一切アクティブダンピングやアクティブステアのような飛び道具(姿勢制御系の電子デバイス)に頼っていない点。このレベルの動的質感ってポルシェ以外は到達できないと私は思っていたのですが、M2CSは
あっさり達成しているように思います。
過去のどのBMWでも感じたことのない領域です。何ならフロント周りの剛性感はエンジンブロックの搭載位置の影響もあると思いますが、ストラット式の991GT3よりも上かもしれません(ダブルウィッシュボーンの992GT3と同等レベル)。リアはトレッドがワイドで、ハイパワーFR車でありながら
盤石の安定感があります。前車がややもすればリアが流れそうになる予感がするGR86だっただけに、対照的です(アレはアレで愉しいのですが^^)。とにかく公道レベルではまったく限界が見えない、物凄い高みにあります。
それでいて、スパルタン過ぎてサーキットに持ち込まないと愉しめないというワケではないのがM2CSの素晴らしい所で、とにかく
懐が深い!街中をちんたら流していても
滲み出る動的質感を堪能出来ますし、ペースが上がれば上がっただけクルマの反応が良くなるのもお見事。中~高速域での安定感と言ったら、「これホントにRWDですか?」と疑いたくなるレベル。FRの愉しさとAWDの安定感が一緒に存在しているような
魔法の絨毯のような乗り味です。私は今まで人生で44台のクルマに乗って来ましたが、「いつまでも乗っていたい」と思わせてくれたクルマは997素カレラに次ぎ、M2CSが2台目です。僅か2/44ですよ!エンジンの官能性や、
一瞬のエクスタシーは991GT3の方が恐らく上ですが、私はGT3にずっと乗っていたいとは思いません。
ドパミンの許容限界を超えるからです。その点M2CSはバランスが秀逸です。現在はGシリーズに移行していますが、あちらは車重が200kg以上重たくなっていますので、また「別のクルマ」と考えた方が良さそう。「旧き良き時代のBMW」をMTで駆る歓びがあり、久々に
Freude am Fahrenを堪能する日々です♪
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M2CS | クルマ
Posted at
2025/12/01 14:09:31