
オミクロン株によるCOVID-19流行第六波が続いてますが、
先日もお伝えした通り今が感染者数のピークかと思われます。
ここからすんなりと感染者数が減少していけば良いですが、このところ若干高止まりしてる感もあります。
高齢者等へのワクチン追加接種が遅れたこともあって死亡例が増加してることもすでにお伝えしました。
そんな中、オミクロン株のBA.2系統と呼ばれる亜種の市中感染例が日本でも見つかったというニュースが流れました。
オミクロン「BA.2」 都内で“市中感染”を初確認
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/amp/000245169.html
このBA.2系統は一部のPCR検査キットでは検出できないこともあって
「ステルスオミクロン」なんて呼ばれたりしてるらしいですが、日本で使われている検査キットではちゃんと検出されます。
またオミクロン株では咽頭や喉頭などの上気道への感染が多く、
感染から回復し既に他者へ感染させてしまうリスクがなくなった人でも、上気道から採取された検体によるPCR検査ではウイルスの残骸を検出してしまって陽性判定されてしまうケースが多いため、現在はPCR検査ではなく抗原定量検査で判定するようになっています。
「ステルス」という言葉に大した意味はなく、なんか凄い変異株が登場したかのように思わせる印象操作でしかありません。
従来株と比べて更に感染力がパワーアップしてるとのことですが、これに対して特別な対策が必要になるわけではありません。
たまたま見つけたこの記事
倉持仁医師 ステルスオミクロン「これは長引く」指揮官次第では「永遠に繰り返す」/芸能/デイリースポーツ online
https://www.daily.co.jp/gossip/2022/02/19/0015077631.shtml
のように、意味不明な内容で読者の不安を煽るだけの報道は害悪でしかありません。このような悪意ある報道に利用される医師も軽率過ぎます(というより安直な売名行為にしか見えません)。
BA.2系統に関してはデンマークで流行してますのでデンマークの感染状況を見ていけば大筋がわかります。
日本よりも2ヶ月程ワクチン接種が先行していたデンマークですが、
10月下旬あたりから感染者が増え始めています。この頃はまだオミクロン株は登場してませんので、ワクチンによる免疫の期限切れによりデルタ株感染が増えてきたものと思われます。
最近の感染者数のグラフを拡大して見てみますと、12月半ばからオミクロン株に変わってきたのか、更に感染者数が急増しています。
どの時点からBA.2が広まったのかはわかりませんが、人口600万人弱のデンマークでピーク時は一日の新規感染者数が5万人位発生してましたので凄まじい数です。人口10万人以下の小国・地域を除くと、人口あたりの累計感染者数は
トゥインゴの故郷スロベニアに次いでワースト2位、全人口の40%以上に達しています。
ただ、重症者数や死者数が多いわけではありません。
イスラエルにしてもそうですが、オミクロン株の登場によりワクチンだけで流行を抑えることはできず、マスク着用や手洗いなどの基本的感染対策が大切なのがよくわかります。
そうは言っても、ワクチン接種により重症化予防や短期間の限定的な感染予防効果は認められていますので、機会があれば積極的にワクチン接種を受けるべきです。
「ステルスオミクロン」に対するワクチンの効果について、国立感染症研究所のサイト
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第8報)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10989-cepr-b11529-8.html
から引用します。
BA.2系統に対する新型コロナワクチンの有効性について(中略)
2回接種から25週後以降の有効率は
BA.1系統に対して10% (95%CI 9-11%)
BA.2系統に対して18%(95%CI 5-29%)
ブースター接種2-4週後は
BA.1系統に対して69%(95%CI 68-69%)、
BA.2系統に対して74%(95%CI 69-77%)、
ブースター接種5-9週後は
BA.1系統に対して61%(95%CI 61-62%)、
BA.2系統に対して67%(95%CI 62-71%)、
ブースター接種10週後以降は
BA.1系統に対して49%(95%CI 48-50%)、
BA.2系統に対して46%(95%CI 37-53%)であった。
なお、本解析はワクチンの種類ごとには行われていない。
上記デイリースポーツの記事を酷評しましたが、欧米各国に比べると感染者数がまだ少なくワクチンの追加接種もあまり進んでいない現状、日本人のオミクロン株に対する免疫獲得まで多少時間がかかる分、少し流行は長引くかもしれません。
ワクチン接種だけでは流行が抑えられないのはイスラエルやデンマークの例を見ても明らかですが、それでもワクチン追加接種を進めながら基本的感染予防対策を徹底するしかありません。
追加接種が遅れたのは痛いですし、追加接種にブレーキをかけたWHOやモタモタしていた岸田政権は批判されるべきですが、国民がやるべきことはデルタ株だろうがステルスオミクロンだろうが同じです。
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2022/02/20 03:41:43