
ふとネットニュースを徘徊していたら・・・
母校の野球部のマネージャーの話が載っていたので
ついつい熟読しちゃいました~(^^♪
僕の居た時代は男子校で女子マネージャーなんて
誰も居なかったですが、今は共学になって
普通に女子マネージャーが居て、それに加えて
下記の記事のような『大人マネージャー』も居るとは
とても良い環境の中で部活動ができているなぁと思いました。
※ちなみに僕は野球部ではなくラグビー部でした(苦笑)
夏の全国高校野球大会の千葉予選はもう始まっています!
毎年激戦で甲子園に行くのが本当に難しい千葉県予選。
巷では・・・
『戦国千葉』とも言われております。
チーム一丸となって甲子園目指して頑張ってください!!!
下記、ネットニュースより抜粋
【高校野球】千葉商大付を陰で支える現役看護師の大人マネージャー 「子どもたちの心と体の変化に気づく存在でありたい」
7/12(土) 7:25配信 WEB Sportiva
千葉商大付「大人マネージャーと高校生マネージャー」の絆(前編)
昨今の高校野球では甲子園常連の強豪私学だけでなく、公立校でも外部指導者を招くチームが増えている。打撃や投球、走塁、守備を教える臨時コーチに加え、トレーナーや管理栄養士、メンタルトレーナーなど、各種エキスパートの力をいかにチームに加えるか。近年の高校野球監督には、"GM的"な役割も求められている。「外部コーチがたくさんいるなら、外部マネージャーがいてもいいのではと思いました」2024年の夏を控え、千葉商科大学付属高校野球部の吉原拓監督はそう考えた。2019年からチームを率い、2023年夏と秋には千葉大会でベスト4に導いた47歳の指揮官だ。大学卒業後は一般企業に就職。34歳から大学の通信制で学んで教職を取得し、社会科の教諭、そして高校野球監督になったという異色のキャリアの持ち主だ。固定観念にとらわれず、チームづくりを行なっている。
【高校野球に大人マネージャー誕生】
2024年5月。日本史の教諭でもある吉原監督は、自習中に野球部でマネージャーを務める当時2年生の菅谷愛子さんに尋ねた。「愛子、"大人マネージャー"が来たら、どう思う?」菅谷さんは何のことかわからず、聞き直した。「看護師の人が、もしかしたら大人のマネージャーとして野球部に来るかもしれない。秋田でずっとマネージャーをやっていた人が東京に来て、社会人野球と高校野球、どっちでマネージャーをやるか、悩んでいるんだよね」菅谷さんは「はぁ、わかりました」と気のない返事をした。吉原監督が何を意図して言っているのか、よくわからなかったからだ。それからすぐ、"大人マネージャー"としてやって来たのが鳥海菜々子さんだった。高校時代、女子バドミントン部でマネージャーを務め、選手を支える喜びを知った一方で、思い描いていた理想のマネージャー像を達成できず、不完全燃焼の思いがずっと心に残っていた。鳥海さんは秋田で看護師として働き始める前、SNSに「マネージャー、もう1回やりたいな」と投稿すると、友人から地元の社会人野球チームを紹介された。そこで4年、さらに少年野球チームで同職を1年務め、マネジメントの醍醐味をさらに味わった。「誰かが頑張る姿をずっと見届け、背中を押せることにやりがいを感じました。看護もそうだと思うけど、そういう存在になりたいという気持ちがあります」高校を卒業して看護師になったのは、「子どもに関わりたい」と希望したからだ。だが、少子化の進む秋田では思ったほどその機会が得られなかった。そこで2024年春、「子どもの一番多い東京で、看護師としてもっといろいろ勉強したい」と上京。小児科で働き始めた1カ月後、野球ロスに気づいた。「東京に来て仕事以外に何をしようかと思った時、今までずっと仕事しながら携わってきた野球のマネジメントがないことに気づいて。秋田の社会人野球の監督に相談して、千葉商大付を紹介してもらいました」そうして全国の高校野球部では珍しい、"大人マネージャー"が誕生した。
【この人とは仲良くできないかも...】
「どういうマネになりたいの?」鳥海さんは"大人マネージャー"に就任して初めて千葉商大付のグラウンドにやって来た日、菅谷さんに単刀直入に尋ねた。<あ、この人とは仲良くできないかも......>菅谷さんは第一印象でそう思った。10歳近く年齢の離れるふたりは、当初は腹を探り合っていた。だが、打ち解けるのに時間はかからなかった。鳥海さんは夏休みを前に勤務先の病院をやめ、生活のすべてを野球部に捧げたからだ。「みんなに『頭おかしいんじゃない?』って言われました。でも野球って、1日1日が勝負じゃないですか。夏の大会に1日来られないで、その日に3年生が引退してしまったら、私は一生後悔すると思ったんです。それなら仕事をしている場合じゃない。貯金を切り崩して、ここの野球部に全振りしようと思って。私の人生はここに賭けようって」人生において何に価値を見出し、自分の時間を捧げるか。その判断基準は十人十色だ。周囲に非常識と思われる選択をする人が、新たな道を開拓するのかもしれない。鳥海さんはあくまでもマネージャーという立場で、交通費を除いて報酬は発生していない。現在は夜勤で看護師として務め、日中にベビーシッターをすることもある。何か重要なことがあれば、野球部を優先できるようにするためだ。姉妹のように仲良くなったふたりは、高校生の菅谷さんが主(あるじ)、"大人マネージャー"の鳥海さんが補助という関係でチームを支えている。「選手たちに頼られるマネージャーになりたいです」ふたりが初めて顔を合わせた時、菅谷さんは理想の姿をそう語った。鳥海さんが観察すると、菅谷さんはすでに信頼を得ている様子だった。千葉商大付は、吉原監督の方針でマネージャーは各学年ひとりと決められている。菅谷さんは2学年上の先輩が引退して以降、ほぼひとりで支えてきた。選手たちから事あるごとに「愛子」と呼ばれ、練習がうまく回るようにサポート。小学生の頃にソフトボールをプレーしていた菅谷さんは、高1の冬からノッカーも務めるほどだ。
【大人マネージャーの役割】
では、"大人マネージャー"はどんな役割を果たすべきか。鳥海さんは自身の立ち位置を熟慮した。「高校生マネージャーが練習を支える役割だとしたら、私は子どもたちの心と体の変化に気づく存在でありたいと思いました。それは高校生のスキルではできないというか、看護師だからこそできるのかなと思います」鳥海さんは悩んでいそうな部員の相談に乗るだけでなく、看護師ならではの強みも発揮している。たとえば食物アレルギーの部員がいることを知ると、アナフィラキシー反応を起こした際に使うエピペンの講習会を開いた。夏に向けて力を入れるのが、熱中症の予防だ。水分を摂るタイミングに加え、水やお茶だけでなく塩分を摂ることも重要だ。命に関わることであり、絶対に未然に防ぎたいと考えている。そしてもうひとつ、鳥海さんが特に力を入れているのが「広報活動」だ。具体的にはInstagramを通じで、選手やマネージャーのキラキラと輝く瞬間を日々、発信している。この取り組みには、チームの魅力を届け応援してもらえる存在になること、選手たちの高校野球人生の一部を映像や言葉で残すこと、そしてSNSを通じて"こっそり"選手を鼓舞するといった思いが込められている。また練習中にふたりでおにぎりを握り、選手たちに食べてもらうようになったのは、菅谷さんのアイディアを鳥海さんが後押しして実現した。「愛子ちゃんがやりたいと言うから、『どうしておにぎりを食べる必要があるのか、提案すればいいじゃん?』と話しました。たとえば、どういう具材を使えばタンパク質がプラスになるか。練習中におにぎりを食べる意味をまとめ、父母会に提案して費用を負担してもらえることになりました」自分でやりたいことがあるなら、実現できるように動けばいい。"大人マネージャー"の鳥海さんは、自身の人生をまさにそう切り開いている。10歳近く年下の高校生にも、少しでも自分の存在がプラスになればいい。そう考え、心がけるのは絶妙な距離感だ。「最初はどこまで踏み込んでいいのかもわからないし、どう接していこうかと悩みました。でも子どもたちから繊細さや、いろんなことを成し遂げていく姿勢など、学ぶこともたくさんあります。先生たちはいろんな経験をしていますしね。私は、両者に中立な翻訳者的な役割であれたらいいのかなと。ここまでの温度感で入っていいところ、あえて見守るところを考えながら日々すごしています」医師と患者の間で気を配り、健康回復を支えるのが看護師の仕事だ。"大人マネージャー"という独特な立場だからこそ、野球部の力になれることがある。そう考える鳥海さんの後押しが千葉商大付を救ったのは、今年の春大会を控え、チームがどん底に沈んでいる頃だった。
千葉商大付「大人マネージャーと高校生マネージャー」の絆(後編)
1982年春のセンバツに出場した実績を持ち、近年は2023年夏の千葉大会でベスト4に進出した千葉商科大学付属高校野球部だが、2024年秋に結成した新チームは苦戦が続いた。公式戦で一度も勝てず、2025年3月に練習試合が解禁されてからも負けが続いた。「春の県大会出場を決めないと、もう夏はないんじゃないか......」そんな声が、野球部を取り巻く周囲や保護者の間からも漏れるほど、チームの雰囲気は沈んでいた。チームは、勝つことでひとつにまとまっていくものだ。しかし負け続けた千葉商大付は、次第に心が離れ、選手同士の仲も悪くなるという悪循環に陥っていた。
【あなたは野球部のマネージャーだよ】

4月が近づき、いよいよ春大会の予選が迫ってきた日の練習試合中、3年生マネージャーの菅谷愛子さんはいつもと違う感覚を抱いた。副部長の先生が、やけに話しかけてくるのだ。「愛子はこのチーム、どうすれば変わると思う?」それは私に聞くようなことなのだろうか。菅谷さんは内心で思いながら、ボソッと吐き出した。「こんなんじゃ勝てないよ......」すぐそばで聞いていた"大人マネージャー"の鳥海菜々子さんが激高した。「あなたは他の部活のマネージャーじゃなくて、野球部のマネージャーだよ。あなたも野球部のひとりなのに、このまま楽しく思い出がつくれればいいの? それとも勝って、本当にみんなから必要とされるマネージャーになりたくないの?」あなたもチームの一員なのに、見て見ぬふりでいいのか。鳥海さんが一気にまくし立てると、菅谷さんは過去に見たことのないほど暗い表情を浮かべていた。少ししてマネージャー室に行くと、部屋を真っ暗にして、体育座りをして固まる菅谷さんの姿があった。やってしまった──。鳥海さんは我に返った。自分を高校生だと思い込み、菅谷さんに接してきたが、10歳も年下の子に、あまりにも強く言いすぎてしまったのだ。一方、菅谷さんにはその言葉が深く刺さっていた。自分の胸の内に秘めていた思いを、まったく違う視点から次々と指摘され、頭のなかが混乱してしまった。どうしていいのかわからず、マネージャー室の電気を消し、小さくうずくまることしかできなかった。「いま思っていること、言葉に書いてみな」鳥海さんがそう言って立ち去ると、菅谷さんにはさまざまな思いが込み上げてきた。「私がチームを変えられるのかという疑問と、私がやらなきゃダメだよなという思いが混ざって、どうしたらいいかわからなくなって。だけど、本当にみんな頑張っているのに、練習試合で結果が出ていない姿を見ていてすごく悲しいというか、悔しくて。ここで自分が何か動いたら、その頑張りが報われるならやろうと。思っていることを全部書いて送りました」帰宅した鳥海さんが食事をしているとLINEが届いた。画像に写されたルーズリーフいっぱいに、選手たちへの思いがあふれていた。これからチームにどうなってほしいか。手書きの手紙には、菅谷さんの気持ちがこもっていた。鳥海さんはじっくり読みながら、涙が止まらなくなった。「やっぱり、愛子ちゃんはこういう思いを持っている。この子がチームを変えるんだと思いました」
【新チーム結成後、公式戦初勝利】
翌日、菅谷さんはチームの前で泣きながら手紙を読み上げた。その次の日、部員たちは全員、丸刈りで現われた。人が変わったかのように練習が引き締まり、4月5日、千葉商大付は春季大会予選で市川工業を下し、新チームになってから公式戦初勝利を挙げた。翌6日、光英VERITASに勝利すれば春季大会出場が決まるが、1回裏、いきなり5点を先行される。なんとか3アウトをとってベンチに帰ると、円陣の輪ができた。「おまえら、絶対勝つぞ!」「おお!」菅谷さんは選手たちの顔を見回すと、逆転できそうな予感が込み上げてきた。チームは3回に2点、4回に1点を奪って点差を縮めたが、7回に1点を追加される。しかし8、9回に3点ずつ奪い、見事な逆転勝利で春季大会出場を決めた。雨の中で勝利に歓喜するチームを見て、鳥海さんは"大人マネージャー"として千葉商大付に関わってきた喜びが込み上げてきた。「勝った瞬間は監督も泣いたし、私たちマネージャーも、選手も保護者もみんな泣いていました。『甲子園に行ったんじゃないか』って思うぐらいの勢いで大喜びして。あの県大会を決めたのは、愛子ちゃんの力だったのかなと思っています」県大会は初戦で敗れたが、最後の夏に向けて、この春の戦いは大きな財産となった。もともとプロ野球の球団職員になりたくて高校野球のマネージャーになった菅谷さんだが、新たな目標ができたという。「看護師になりたいです。菜々子さんと話した選手がスッキリした顔になっている様子を見て、自分も頑張る人の支えになりたいと思うようになりました。その前に最後の夏は記録員として、できるだけいいスコアを書かせてほしいなと思います」一方、"大人マネージャー"の鳥海さんは、高校生たちの少し先を見ている。「毎日の当たり前がどれだけ幸せだったのかに気づくのって、引退してふとした時だと思います。その時、すごく幸せだったと思えるような高校野球であってほしい。高校野球が、これからの人生でこの子たちの糧になってくれたらうれしいな」全国でも珍しい"大人マネージャー"の鳥海さんと、チームをひとりで支える時期も長かった高校生マネージャーの菅谷さん。さらに新しく入った1年生のマネージャーが野球部の力を底上げし、千葉商大付はひとつにまとまった。
チームは「千葉無敗」という目標を掲げ、最後の夏に挑む。
中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
Posted at 2025/07/12 11:20:45 | |
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