時たま買っているこちらの雑誌ですが、
今月号は2006年にニッキー・ヘイデンがMotoGPのチャンプを獲得したHONDAのRC211Vの特集号でした。
御存知の方も多いかもしれませんがニッキー・ヘイデン氏は今年5月に自転車トレーニング中に
不慮の事故で亡くなってしまったのですが、その死を惜しむ方は本当に多かったですね。
彼がMotoGP時代に操っていたRC211VはV型5気筒(前バンク3気筒、後バンク2気筒)という世にも珍しいレーシングマシンだったのですが、2006年シーズンは先年度の発展型のマシンに加えてフレーム、エンジンが完全刷新された「New Generation」という2タイプのマシンがあり、ニッキー・ヘイデンは完全刷新型を開発しながら乗ってチャンプを獲得したのでした。
おまけに最終戦一つ前にチームメートのペドロサ選手に絡まれてクラッシュし、ポイントリーダーの座から落ちるという不運にも関わらず、最終戦で逆転するという波乱劇の結果チャンプ獲得というシーズンでした。
2002年のMotoGP開幕に向けて新世代の4ストローク1000ccマシンを開発するに当たって色々選択肢があり、2気筒から3気筒は車重135Kg、4気筒から5気筒は車重145Kg、6気筒以上は155Kgと決まっていたので、パワーとハンドリングのバランスを考慮して他社は4気筒を選択したのですが、HONDAだけは変則的な5気筒を選択しました。
バンク角が75.5度で普通に考えたら色々振動など出て大変そうですが、前バンクの中央気筒がバランサー代わりに作動するようで、実際のエンジンは4気筒よりも振動が無くて物凄くパワフルだったようです。
クランクシャフトを見ても、外側の太いクランクピンは前バンクと後バンクの共用で、真ん中の細いクランクピンの部分が中央気筒のようですね。
5気筒で行く方針を決定した際の理由が「色々可能性があったがまだ5気筒はやった事が無かったから」というのが、いかにもHONDAらしいエピソードです。
初年度と翌年は圧倒的な強さを発揮しましたが、2004年からはヤマハに移籍したロッシが活躍したために、マシンとしては強力だったのもの苦杯をなめて、2006年につながる展開になりました。
それにしても、ジベルノー、ロレンソ、マルケスなど、ライバルとサーキット内外で色々トラブルを起こしてきたロッシをもってしても「2006年の負けは相手がニッキーだから許せた」とまで言わせた辺り、本当に誠実な人柄が偲ばれますね。最近もAraiからレプリカヘルメットが発売されるなど、根強い人気があるようですね。
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バイク | 日記
Posted at
2017/09/26 18:24:57