素人インプレッション~ルノーカングー半年経過
時期仕事グルマとして導入したルノーカングー 1200cc 6MT。
購入後半年・走行1万kmでの再発見部分などを書いてみたいかな、と思います。
まず最初に書いておきますが、個人的な満足度は90%以上です。
大事なことなので、もう一度書いておきます。
個人的な満足度は90%以上、です。
まぁここからはメーカーブランドオタクな人達は読まない方がいいかな、と思います。いますもんね、自分をそのブランドに投影して、批判は絶対認めないってメーカーブランドオタク。属に信者とかそういう連中。
自分、ああいう輩が大嫌いですので。
さて、話を戻しまして。
さて、皆さんカングーに対してどのようなイメージを持ってますでしょうか。
試しにルノーのカングーのページを開いてみて下さい。そう、一般的には大体こんなイメージ、です。ええ、ファミリー的な感じですね、ような。
自分はこれ「長距離とか強い商用車」として買いました。これに関してはホントピタリで、適度なエンジンパワーといい、けっこう静かな車内空間といい、6速目といい、オートクルーズといい、かなり満足です。
ところがですね、後部座席に乗せた人に感想を聞くと、どうも曖昧な感想。
んで、後部座席に自分で乗ってみますと・・・
スゲェ乗り心地悪いのな。
ちょっと前のシビックTypeR、そうFDシビックTypeRのそれ、です。
セダンだから、と家族使い出来るような雰囲気を出していますが、実際リアシートはめっちゃ乗り心地が悪く、とても実用に耐えられるレベルじゃない。まぁサーキットのタイムとトレードオフなのですが、これには閉口しました。
さて、ではカングーのリアシートというと、正直FDシビRよりちょっとマトモ、と思う程度。ゴツゴツピョコピョコと振動が伝わります。
いや、商用車としてはこんなもん、です、実際。
ハイエースワゴンにちょっと劣る、くらいです。
ただ、世間一般のイメージ、そう、カングーのサイトのあの雰囲気で使うには、これは酷い。
先日友人に「カングーかシエンタ、どっちにしようか迷ってる」って相談を受けました。使用用途がほぼ自分一人、時々家族であるならば、カングーは最高だ。ただ嫁さんが運転して家族が乗るのがほぼほぼであるなら、間違いなくシエンタだ、と答えました。
正直この質問をされたときに「?」と思ったんです。「これ商用車やで」と。
そう、「用途が違う」んです。商用車には商用車の良さがあり、乗用車には乗用車たる意図がある。それを高いレベルで両立されているのはハイエースワゴンであるとは思いますが、まぁ価格も400万円超します。
趣味人が一人でガシガシ使うのなら、カングーはベストな一台のひとつであると思います。
ただし、家族使いのクルマとしては、これはダメなクルマです。
提灯記事やインポーターの売り方にとても大きい疑問を感じましたので、書いておきました。
少ないですが、それらにちゃんと触れているサイトもいくつかありますので、家族車としての購入を考えている人は、よ~く考えて下さい。
さて、ここからは「商用車」としての感想です。
荷室の使い勝手。
たしかに、たしかに、荷室は短い。フロントもっと詰めて全長一緒で荷室伸ばせたろ、と。これもう10cmあると一気に積めるモノの幅が広がるんですけどね。(例えば自分とかクーラーボックス。55リットル級になるとこの荷室長では縦置きが難しい。テーブルとかもT31エクストレイルとかは荷室下トレイに縦に収納出来る、つまり「片付けの最後にテーブルを入れることが出来る」という「実用に基づいた機能美」がある。次期モデルには是非フロントを切り詰めて、全長を変えずに荷室長を増やして欲しい。)
とはいえ四角い荷室デザインは自作の棚など設置するのにピタリ。こういうの自分で作る人には、コレたまらんのですよ。「どう考えても買った方が安い」んですけど、俺専用なカスタマイズ心を揺さぶられるんですよね。既製品では出来ないキチッとした実用寸法で詰め込まれた荷室、こういうことをやる、こういうのを美しいと思うかどうかがカングーの本質に合うかどうか、と言ってもいいと思います。
続いて乗り味。
シートの出来ですが、これは当初のインプレでも言っているとおり、そこまで良くはありません。絶品シート、という表現がなされますが、「けして悪くはありませんが、私はこれ以上のモノを見たことがあるのでこれを一級品とは言いかねます」と『ギャラリーフェイク』のフジタのような感想、です。NV200バネット以上、ハイエースワゴン以下、という「価格相応」な感じです。
これも何度も書いてますが、テレスコピックが無いのは本当に残念。長距離を乗るにはドライビングポジションというのは極めて重要、もうステアリング一本分、3cmほどステアリングが手前に来たら・・・と今でも思います。これも次期モデルには、是非採用して欲しい。
そしてこれも改良してもらいたいのは、アイドリングストップ。いくらか乗ると、そのアラも見えてきます。ギアが入ってない、クラッチを切った状態、が条件下と思っていたら、時々ギアを入れてクラッチを切ってる走り出す状態でもアイドリングストップする時がある。車道に出ようとしている時とか、勘弁してほしい。アイドリングストップの条件にステアリング舵角とかも入れてないのか、と。煮詰め不足というか、誰も文句言わないのかね?
シフトフィールに関しては、しばらく乗ってもやはり、すさまじく良い。
ロードスターのようなFRのメカメカしいシフトフィールも良いのだけど、この柔らかく、モチッとしたシフトフィールは気に入る人には、ホントたまらん。MTオタクにはこのためだけにカングー買ってもイイとオススメできる。
メカメカしいだけがマニュアルトランスミッションではないのだよ、とこのカングーのミッションを通じて多くの人に教えたい。
最近ではカローラスポーツにやCX-5にもMTモデルが出たりと、「ゴリゴリのスポーツ」以外でもMTが楽しめるようになってきた。すごく良い傾向。そこですよ。チンタラMTでクルマに乗りたいって層は、やっぱあると思うんですよ。
あと燃費に関してですが、まぁムラがある。
基本的に11.0km/lを切ることは無いので優秀だと思いますが、やはりダウンサイジングターボは燃費が良くなるスポットがホント狭い。最初はECOモードスイッチを入れていましたが、(実際パワーは目減りするけど、こっちの方がトルクの段付きが無くなって乗りやすい)最近では1.0km/l減ってもイイから通常モードで乗ってます。やっぱターボエンジンはターボエンジンらしく乗りたいじゃないですか。
けして官能的でもないし、特別パワフルでも無い。けど商用車でコレに並ぶフィーリングのエンジンってのは、無いかな。加給されてのトルク感がちょっと特別っぽさがあってとても良い。
ちなみに各部の仕上げですが、気温がマイナスになるとプラスチックパーツが軋みます。とても解りやすい。うちのカングーはピラーのカバーパーツから。こういう「原因が解っている異音」は良いんです。
イタリア車とかフランス車がらみのオタク連中は「異音なんて当たり前、気にするのなら国産に乗れ」とか寝言を言ったりしますが、異音ってのはトラブルの予兆、それを軽んじるとか、馬鹿げてる。イタフラ車が壊れるってのはお前らみたいな異音からトラブルの予兆を発見できないクルマオンチのせいなんじゃねぇのか?と思います。
あと自分が不満点を書いてるのはですね、上にも書いてるとおり「次のモデルで良くして欲しいから」です。悪いところは悪いとハッキリ言わないのは、ファンでもなんでもありません。単なるブランド依存症です。他人の「悪い」を「それは悪いところではない」と言うのは、とても愚かなこと。意見は意見、その先にコストや用途のトレードオフな部分との割り切りがあるが、それを頭から否定して封じ込めようとするのは、メーカーを甘やかし腐らせるだけの害虫。
あとこれも次期モデルでどうにかして欲しいな、と思うのは、リアゲートの分割箇所の太さ。後ろ、見づらいわ、これ。ステップワゴンのワクワクゲートがあれだけ細くできてるのだから、これはルノーの怠慢としか思えない。
あとブレーキパッドの質の低さも。社外のパッド踏ませてもらったけど、フィーリングがリニアだし効きも良いしダストも少ない。まぁこれは安いブレーキパッドが純正採用されてるコストダウンな部分が原因なんだろうけど、これも次期モデルはもうちょっと良い品になっててもいいと思う。
さて、つらつらと書きましたが、最初に言ったとおり、「自分の満足度は高い」です。しかし「次のカングーがもっと満足度が高いものであることを祈って」書きました。ぜひ次のカングーには「うおお、キチッとネガなとこ潰してきたなぁ、ルノースゲェ」って言わせて欲しい、ですね。
あともう一つだけ不満点。
ミッションオイルの注入口の。
あの蝶ボルトみたいなプラスチックパーツ、あれ怖いからフツーにボルトにしてよ。
車名・型式・価格帯
ルノー
カングー KW・ 249~259万円
ミッション・駆動方式
6MT
2WD FF
エンジン型式・馬力・トルク
1200ccターボ H5F 115ps/4500rpm 19.4kg/1750rpm
さて、次期仕事グルマとして手元にやってまいりました、ルノーカングー。フランスではバシバシの商用車、でも日本ではオシャレなフランス実用車、という不思議なポジションのクルマです。今の日本では数少ないスポーツスポーツしてないMT車、ちょこちょこ乗り回した感想を素人インプレッション形式で書き連ねたいと思います。
スタイリング
デカい。やはりデカい。全高1.8m全幅1.8mの正方形のフロントマスクはやはりドデーンとしたサイズ感があります。しかし押し出し感は少なく、シンプルなデザインはやはり良いですね。過去のカングーと比べても、個人的にフェイズ2のこの顔が一番好きです。
サイドビューは逆に4.2mという寸詰まり感があって、ここが一番独特。キャラクターラインなどがほとんどないのは商用車だけにメーカー名が貼りやすいように、でしょうか。最近のキャラクターラインビシバシーーッ!ボディラインウネウネーー!ってのとはまた違って、これも良い。
リアは特徴的な左右観音開き。ここがまた操作感が非常に良い。デカいハッチは降雨時に屋根にもなって便利なのですが、開け閉めがけっこう大変なのと、ダンパー逝くともうどうしようもなくなるのと。この左右開きドアは軽い力で操作出来て非常に便利。
インテリア
シンプルなデザインで嫌いじゃありませんが、やはりいろいろ細かいパーツの精度やバリ、隙間が丸見えなど、ここら辺にはコストがかかってないのが明確に解ります。とはいえここら辺コストじゃなくてノウハウでもうちょっとどうにかなるだろう、と思う部分もチラホラ。
しかしこの仕上げ品質であるなら、プロボックスのようなもっと機能的なデザインでも良いのではないかと思いますね。センターコンソールの深い物入れなんか何を入れるためなのかすら解らないし、手の届く部分の物入れも少なく、非常に機能性に欠ける。質感や精度を求めないのなら、せめて実用性をもっと磨いてからにするべきかな、と。
プロボックスの内装はホントスゴいですよ。よくもそこまで、というくらい、徹底的にお客さんと対話した結果だと感じさせてくれます。世界に持っていっても通用するレベル。
特徴的なサイドブレーキは確かに手への力が平均的に分散されて、非常に良い。欲を言えばもうちょっと上の方にあればあまり体をかがめずに操作出来るのに、と思いました。これはフランス人と日本人の体格差ですかね?
さて、各種書評では「絶品」といわれるシートですが・・・正直、横方向の幅が足りない。
もう3cmづつほど左右があっても良かった。個人的にサポート強め、背筋はスッと伸びる感じのシートが好みなので、このシートは自分的には絶品とは言いがたい。バランスボールに乗っているような不思議で独特な座り心地ではあるのですけどね。
あとドライビングポジションですが、ステアリングのテレスコピックないのは非常に残念。こういうアップライトな姿勢を取るクルマならば、なおさらテレスコは必要だと思うのですが、チルトのみ。これ、運転の楽しさに大きく関わる部分なので、次期モデルではぜひテレスコの採用を期待。
エンジン・ミッション
ダウンサイジングターボはキビキビ走るクルマより、一定速度で流すこういうカングーのようなクルマにこそ合ってるんだろうなぁ、と感じさせてくれます。1500rpmからの極低回転からのフラットトルクは非常に乗りやすい。ただそのちょっと下で大きくトルクの谷があるので、MTならばそこを使わないようにする慣れが必要になります。そういやT31エクストレイルディーゼルもルノーエンジンで、こういうトルクの谷がありましたが・・・ルノーはあんまりそこ気にしないんですかね。
想像以上に良いのがミッション。
このミッションほぼパーフェクト。
シフトフィールもゴリゴリせず、かといってプラプラもしない、しっとりとしつつ適切なギアの切り方でストンストンと心地よくシフトチェンジ出来ます。以前運転したことのあるフェイズ1の5MT、こんなに良かったっけか?フェイズ2の6MTの出来は本当に素晴らしいです。このシフトフィールのためだけにカングー買っても損をしないくらい、とまで思います。
そしてこれが全く予想外だったのが、アイドリングストップが非常に優秀。購入前はトラブルの元になりそうだからアイドリングストップキャンセラー買おうかと思ってましたが、ストップのタイミング、再始動の振動の無さ、「これ日産製だよね?」と思うくらい、自然。
エンジンストップ中はエアコンの効きが急激に落ちるそうですが、基本エアコン最小限、窓全開な使い方の自分にはさほど気になりません。
ちなみにレーダー探知機のOBD2は日産のコードで動きました。これ、相当なところまで日産と共有してるんだな、と。ええ、信頼性が高い部品を採用するのに賞賛以外の言葉はありません。
足回り
ブレーキのフィーリングでカングーはよくカックンブレーキだ・・・みたいなことを聞きますが・・・すごい自然なフィーリングです。ええ、現行1つ前のモデルのマツダ車全般の初期制動の凶悪なまでの強さと比べれば、全然。というか他メーカーと比べても極めてフツーです。いや、これ年次改良とかで変わったんですかね?
サスペンションは噂通り、非常に優秀。コーナリングでもこの背丈なのにぐらつくこともなく、一定のロールでいなしていきます。更には直進安定性も圧倒的。段差もスタンスタンと心地よく押さえ込みます。良い、これは非常に良い。
いやしかしこれはMTでクルマとの一体感を感じつつ乗ってナンボのクルマだ、としみじみ思います。
一連の操作とクルマの動きをどう1つの線にするか、それを考えながら操作すると非常に心地良い。ある意味商用車然としているだけに、インフォメーションをカットしてない部分が好印象になっています。
総評
まぁつらつら書きましたが・・・なんというか、非常に満足感が高いクルマです。
細かいとこや足りないとこはけっこういろいろあるんですよ。あるんだけど、どれもなんかアフターパーツでどうにか出来そうな感じなんですよね。完成品ではない、DIYの余地がたくさんある・・・なんというかプラモデルを買ったときの高揚感とでも言いましょうか。
あれですわ、MR-S。MR-S買ったときにもこんな気持ちがあったのを思い出しました。100系カローラやR32スカイラインや歴代ロードスターのような完成されてる感ではない、これからどうとでも出来る感。完成されてる感はそれはそれで素晴らしいのだけど、またベクトルが違う良さ。これがカングーの大きな魅力なんだろうな、と。
ちなみに誤解を恐れないように書くと、カングーって「トヨタがハイエースのショートボディを乗用に仕立てたらこんな感じ」なクルマだと思います。オタクは「ルノーとトヨタを一緒にするな!」みたいな見当違いなことを言いそうですが、この意味が解る人はチョコチョコいるのではないかな~と思うんです。とくに今の200系ハイエースのワゴンに乗ると、よく解ると思います。商用ベースで乗用にベクトル向けて、高い完成度となると・・・という。
まぁメーカー的にはルノー日産なので、次期モデルはNV200と相当な共有化を図ってくると思われますが、ぜひNV200の高耐久性と使い勝手の良さを上手く取り込みつつ、カングー独特のポジションをより際立たせてくれるとより楽しく良いクルマになりそう。
さて、これから仕事でもガシガシ使い倒していこうと思います、カングー。
よろしく、相棒。
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