重巡鳥海(製作編その7)
投稿日 : 2025年06月22日
1
甲板の処理を行う前に、主砲のバーベットを設置します。
ここで問題となるのが4番主砲前にある甲板室。
平面は台形のようになっていますが、その斜辺の途中に切り欠きがあり、機械室排気口があることが建造中の高雄などで確認できます。
鳥海でも同様の作りであることが推定できる写真があります。昭和13年にはフードが大型化されているようなので、ソロモン鳥海はこの状態を再現します。
2
次に取り掛かるのは甲板上の滑り止め鋲施工。
開度120°で書いたラインに沿ってシャープペンで1mmピッチで線を書き、0.3mmくらいの長さでデザインナイフの先で傷を入れ続けるという鬼畜作業。
まずは艦尾。
3
シェルター甲板は両舷側からある程度の幅まで鋲が打たれていますが、単純な長方形で囲われているわけでなく、複雑なラインを構成しています。これもシコルスキー図面を基に1/700サイズの数値を計算し、船体に書き込みます。
4
そのエリアの内側にはリノリウム材が敷かれていることが摩耶の写真で確認できます。
鳥海にどのように敷かれていたかを確認できる資料がありませんが、恐らく滑り止め甲板のへりに沿ってセットされていたものと推定。この場合の艦首側の始まりと艦尾側の終わりは上甲板とつながるラッタルの位置に合わせるべきと判断しました。それがこのような状態。
5
そのうえで滑り止め鋲を施工。
2日かかりました(苦笑)
6
次に艦首甲板。
ここも波除け前はすべて滑り止め鋲が打たれていると思っていたら違うんですね。シコルスキー図面などでも甲板両側のみに鋲があるとされています。
7
ここで少し悩んだのが波除け板とキャプスタン台座の位置関係。高雄では両者が少し離れています。しかしネイビーヤード51号に掲載された内山睦夫氏の鳥海図面では両者が接触したように書かれているのです。
鳥海も艦首の写真はありますが、どうにも不鮮明…
高雄の図面も両者は離れていると書かれているし、高雄・摩耶が同じ配置で、鳥海のみ異なるというのも不自然な気がしたので、「離れている」と結論付けようと思います。
8
キャプスタン台座は上面が水平になるように、後ろに向かって厚みが増すつくりとされているようです。今回は前端が0.3mm、後端が0.8mmとして作りました。
そしてホースパイプ周囲のリング状のものは0.19mmワイヤーを1.2mmドリルに巻き付けて形を整えました。
タグ
関連コンテンツ( 高雄 の関連コンテンツ )
関連リンク
おすすめアイテム
[PR]Yahoo!ショッピング