信州紀行 その2
投稿日 : 2011年05月08日
1
いやはや、本当にものすごい傾斜である。
日本のチロルらしい点は、桜の花が彩りを添えていることだろうか。
おそらく、チロル地方には桜の花は植生していないと思う。
この点、情緒としては日本らしく、それが絶大なる落ち着きを与えてくれる。
また、このような傾斜地でも根を張り、華麗に花を咲かせている桜の花の生命力というものの力強さにも感嘆せざるを得ない。
2
深い深い渓谷に立てかけられた橋。
下栗の里をさらに奥に進んだ箇所にある。
この付近では土砂の崩落が激しく、道路上にも岩や石が転がっていたりするが、よくぞこのような立派な橋梁を作成したものである。
3
旧分校跡にある蕎麦屋にて昼食を摂る。
下栗で唯一のお店かもしれない。
なお、蕎麦屋は日曜日のみの営業とのこと。はんば亭という。おそらく集落のご婦人が五人程度で切り盛りされている感じである。
この日は連休中(祝日)だったためか、営業していた。
蕎麦を含め、米以外はおそらく集落で取れたものをそのまま利用しているものと思われる。おいしかった。
4
田楽も注文してみた。
これはジャガイモの田楽で、ほのかに甘みのある味噌に浸ったジャガイモの味がなんともいえず、舌にホクホク感ととろみを与えてくれる。
5
蕎麦屋のある旧分校跡の敷地では、桜の花が盛大且つ満開であり、いままさに初春本番といった感がする。
眺望に関しては、下栗の里でも高台に位置するために優れており、雪を被った南アルプス山脈を眺めることができる格好の名勝である。
6
分校跡を少し歩くと、静かな池が見える。
驚くばかりの蛙の卵が池水を覆っており、この画像にある蛙はその旺盛な種の保存への意志と実行との代償の代わりに、生命を全うしたものと思われる。
なお、池の奥には、絶景を楽しめる崖沿いの山道や、松林が覆う涼やかな山道があり、これらも散策してみる価値があるだろう。
観音像が所々に設置されていたが、その歴史は刻まれた元号を見る限り、古いもので江戸期くらいのものと思われる。およそ400年ほど前くらいからの光景とさほど変わりがないのではないかと思えるような一角である。
7
下栗の里を辞し、高度をさらに上げる。
樹生は白樺や低木が中心となり、ところどころに残雪が見受けられる。山道をひたすら登坂していく。
このように南アルプス山脈の稜線がくっきり見える名勝が、ハイランドしらびそという温泉や売店、宿泊施設を揃える建物のすぐ傍にある。
この日は非常に暑く、売店の方も今日はやけにアイスが売れるということをおっしゃっていたが、一昨日は雪模様でクルマにも白いものがかかっていたくらいだという。
山(二千メートル程度である)では、まだまだ冬の装いもその衣を捨てていないということが了解できる。
しかし、この日は本当に暑かった。
たとえば、東京や長野の都市部(長野・松本・諏訪など)はどれほどの暑さだったのだろうか。
余談だが、特に夏期になるとこれら都市部は非常に暑くなる。盆地特有の気候のせいもあるだろうが、信州は避暑の地であるというイメージは夏の間に限れば(それも昼間に限る)、これらの地域には該当しない。
8
次の日に浅間山の頂を見たときに白いものが見えなかったから、今年は全般的に雪解けが早いのかもしれない。
標高3千メートル級の山が立ち並ぶ南アルプス山脈の山並みも冠雪はごくごく穏やかなように見受けられた。
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