昼夜両用・583系寝台電車の変身シーン解説。。
投稿日 : 2012年03月01日
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昭和43年・・・
高度経済成長期の真っ只中、鰻登りに増加する幹線都市間旅客に対応し、列車の増発でパンク寸前の車両基地を救済するために考案された、昼夜両用寝台電車がデビューしました。。
昼間は座席特急として新幹線連絡の新大阪から九州に向けて走り、終着駅では座席をベッドにセットし直して、「寝台特急」として始発駅に戻ってくる・・・・そしてまた昼行特急として九州へ行って・・・・。
まさに車庫要らずの強者運用は、当時流行の「モーレツ」社員そのものでした。。
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583系の昼夜変身のスケッチです。。
奥が寝台バージョンで手前が座席バージョンです。。
実際には1両の車内に寝台と座席は混在しませんが、一目で解り易くするために、同時にスケッチしています。。
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寝台はレール方向に並んだ「プルマン式3段B寝台」と呼ばれるもので、下段寝台は座席を引き出して設定し、中段はご覧の様にパイプ網棚を反転させて後ろにある蓋を下方向に開けて引き出します。。
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中段寝台の設定を終えると、蓋のさらにその奥に有る上段寝台を引っ張り出し、元に戻したパイプ網棚の上に乗せます。。
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最後に隣の寝台との仕切りを設定し、廊下と並行に整然と綺麗に3段寝台がセットされていきます。。
寝台幅は下段が一番広く、106cmも有ります。。
これは当時の客車A寝台よりも13cmも広くとても快適なものとされました。。
中段、上段は70cmですが、それでも当時主流の客車寝台は52cmでしたので、格段に居住性が向上し、583系は夜行列車が大人気だった当時、世の中の脚光を浴びる事になりました。。
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こちらは専門誌に掲載されていた、実際の作業場面です。。
今ならボタン一つでOKな様に設計するのでしょうが、当時はあくまでもアナログな手動設定を前提に設計されました。。
このために終着駅での折り返しに最低3時間は必要だったみたいです。。
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写真を追っていくと、本当に手品の様に座席から寝台へと変化していくのが解りますね~。。
考えた人は本当に凄い頭の持ち主だと思うと同時に、当時は鉄道もここまでして車両をコキ使わないと輸送を捌けないほど乗客が居たんですね~。
やがて新幹線の延伸で皮肉にも昼夜両用を得意とする583系は昼行特急の運用を失い、その中途半端さが目立つようになり、急速に勢力を縮小していく運命になりました。。
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おっと忘れていた・・・・。
サンバーも簡単に昼夜両用使用に出来ますね~~。
私は登山やドライブでサンバーの寝台バージョンをかなり重宝していますよ~。。
サンバーと583系寝台電車・・・。。
どちらも昭和の高度経済期を陰で支えた名車ですよね~。
そして、今春、偶然どちらも揃ってこの世から消えていく運命になってしまいました。。
男性は週休2日なんかじゃなく、毎日残業が当たり前・休日出勤も当たり前、仕事が終わっても上司やお得意様のお酒のお付き合いでなかなか家に帰れなかった当時の日本。。
女性は良妻賢母が一番と、家庭で黙々と主婦業に励んでいましたね。。。。。
今振り返れば、そんな583系とサンバーが光り輝いていた時代の日本が一番幸せだったのかも知れませんね。。。
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