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2015/08/26

ジムニーで行く、北海道キャンプツーリング⑰ [野付にて]

1
ジムニーで周る北海道ツーリング。
初訪問時からいつか再訪を夢見ていた野付半島で、待望の再訪を果たし、ゴキゲンで散策中のやらわか。
湿原の中に気配を感じ、カメラのファインダー越しに見えたのはなんと鹿であった。
こんなところまでどうやって来たのだろうか。
2
というのは、野付半島というところはオホーツク海に写真のようにチョコンと突き出た半島であり、周りは湿地。
半島自体も狭いところは50mもないところもある様な所だからだ。
(トドワラは赤丸のところ)
3
江戸時代には半島の先端付近に「キラク」という集落があり遊郭や鍛冶屋の並ぶ歓楽街さえあったという。
今やその時代より半島はやせ細り、幻の集落へは容易にたどり着けないばかりか、海中に没そうとしているという。
立ち枯れで有名なトドワラだが、今やその立ち枯れの木さえ年々減少し、ほとんど残っていない。
日が傾くと、沢山の鳥が飛び立った。
豊かな漁場である野付半島は鳥たちにとっても居心地が良いようだ。
4
トドワラも終わりに近づくと、道は木道に変わる。
その木道も昨年12月の爆弾低気圧により、先端は破壊されたと言う。
5
「先には行けんのかね?」
ここで一組の初老の夫婦に声を掛けられた。
夫婦は何十年かぶりにここを訪れ、今はもう殆ど残っていない立ち枯れの木の少なさに心底驚いているようだった。
ここを調べて「近年立ち枯れが減っている」と読むよりも、こうして人からそう聞いた方がはるかにインパクトがある。

「何十年かぶりの場所でいかがですか?」
奥さんの首から掛けられたニコンを指して尋ねると夫婦は快諾した。
6
「ありがとう、いい写真だ。キミも撮ってあげよう。ほぉ。キミはαかね」
α使いには申し訳ないが、やらわかも使うαブランドのカメラはフィルム時代ほど輝いたブランドではない。
αブランドがミノルタからソニー製に変わってからは、こう言っては何だが、サイバーオタク向けのマニアックなカメラだ。
「良いシャッター音だね」
突然の褒め言葉に少し戸惑った。
「αならばじいちゃんの残したミノルタレンズが使えるので・・・」
そこからは少しマニアックなフィルム時代のカメラ談義となった。
最果ての木道で今や過去のものとなったフィルムカメラの話をすることはもはや夢に近い。
7
夫婦が去ってからも木道に座り込んで、数少ない立ち枯れを眺めて旅を振りかえる。
一人旅だったが、全く寂しさのようなものを感じなかった。
むしろ、本当に自分の見たいもの、行きたいところだけを行きたい順番で周れた喜びをかみしめていた。
確かに運転距離の長い旅だったが、日頃が忙し過ぎて整理できていないバカな頭を整理するいい機会だった。
8
「やらわかちゃん、会社やめて北海道すむわとかって言わんで、ちゃんと帰ってきてな」
会社の先輩が旅の前に言ったことを思い出していた。
正直旅に行く前はそうする気持ちもあったが、いい年こいてここまで自由気ままに旅をする機会を与えてくれた人にはかえって感謝の気持ちが強くて、とりあえずちゃんと帰ろうという気持ちになった。

今晩どこかで寝れば、明日の夜にはフェリーだ。
ここから何処へ行こうか。

つづく。

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