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まとめ記事(コンテンツ)
なかるうさん
2025/10/20
AudirvānaでQobuz(自体は簡単だけど車載が大変だった話)その1再
全曲ロスレス対応=どれを聴いてもCD品質以上の音源を揃えた高音質配信サービスQobuz(コバズ)。アプリの使い勝手も良く、我が車ではRoon ARCとツートップの主力音源となりました。ローカル音源が聴けるかどうかの違いだけではなく、同じQobuzを再生してもRoon ARCとQobuzアプリではキュレーションが変わって楽しいのです。
もちろん音質は良好でスマホのUSBから結構な音が出ていますが、高音質再生アプリのAudirvānaがQobuzに対応していたので導入してみました。
と、前回の「その1」と同じ始まりなのは、以下の理由により最初からやり直したからです。作業ブログは完成前に上げるものではありませんね・・・
【見直し1】OS変更
前回採用したDietPiのバージョンはDebian13「Trixie」ベースで、この版では後述するoverlayrootが動作せず。バグレポートが出ていたので一つ前のDebian12「Bookworm」を試しましたがこれもダメ。以前使った実績のあるバージョンはサポート終了で公式サイトから消えており、

Raspberry Pi OS
に変更しました。
【見直し2】有線LANに変更
最後までやって動作確認したところ家のWi-Fi(5GHz)では問題なかったものの、スマホのテザリングでは高レートのハイレゾ音源で安定再生ができず。混雑した2.4GHzのWi-Fiには荷が重いようです。といって屋外で5/6GHz帯のWi-Fiを使うには厳しい制限があり、安易に家庭用の機器を持ち出すと電波法違反となる可能性があります。
そこでラズパイをEthernet接続に変更しました。ラズパイ4BにはLAN端子があるのでケーブルをつなぐだけ。スマホ側の対応については後編で。
Audirvānaとは
オーディオグレードのPC用再生アプリでは老舗の一つといって良いと思います。名前はオーディオ+ニルヴァーナの造語。悟りの境地・涅槃(ねはん)とはまた大きく出たネーミングですなぁ・・・ん?
そもさん!煩悩と同義のオーディオに涅槃などありや?
PCオーディオの時代から高音質のファイル再生に特化したアプリでしたが、現在ではストリーミングやネットワーク再生にも対応する多機能プレーヤーへと進化しています。
昨年登場したLinux版は「Core Player」といい、Windows/Mac版Audirvānaとは大きく異なるもの。それ単体はGUIを持たずモニターやキーボードを繋がないヘッドレスで運用し、操作にはリモートアプリをインストールしたスマホやタブレットを使います。楽曲データはコアプレーヤーに持たせることも外部のNASから読み込むことも可能で、NASにインストールするバージョンもあります。
システム構成
ネットワークオーディオ機器の場合

USBオーディオ機器の場合

Audirvānaのフルシステムはこんな感じ。最小構成ならPC1台(またはコアプレーヤー+スマホ)まで縮退可能です。
車載するなら(普通しないと思いますが)ネットワークの構築がキモとなり、一般的にはモバイルルーターか、スマホのテザリングによるWi-Fiネットワークになるでしょう。データをどこに置くかもポイントか。
コアプレーヤーを車載するとして、以前に紹介したスマホのUSBを使うシステムと比べると、USBオーディオ機器につながるコアプレーヤーを使えるのはリモートアプリのみとなります。
ローカル音源・Qobuz・ネットラジオはAudirvānaで聴けるので大方のユースケースはカバーしていると言えますが、RadikoやSoundCloudなどが使えなくなるのはちょっと残念です。CarPlay / Android Auto対応も当然ありません。
Roonとの比較
PC1台でも分散環境でも運用可能、ストリーミング対応などRoonとは共通項が多いことがわかります。大きな違いは出力部分で、
ネットワークオーディオ機器への主力の対応方式がUPnP(DLNA)対独自プロトコルとなっている点が目立ちます。Roonの対応ハードも今や十分増えたので普及度では互角、音質ではRoon Labs.曰くRAATが有利との事ですが具体的な説明がないので何とも。
Roon ARCのようなモバイル機能はAudirvānaには無く、ここも有意差あり。
Qobuzの再生はAudirvānaによるネイティブ対応で、Qobuzアプリを使うQobuz Connectではない点はRoonと同じ。
ということで、出力機器がUSB-DACの場合は両者よく似たシステムになります。
Audirvānaのプラン

オーディオ再生アプリにもサブスクの波が押し寄せており、月または年払いのStudioと買い切りのOriginの2つのプランがあります。ストリーミングに対応するのはStudioのみで、対応といってもQobuzのライセンスが含まれている訳でもないので抵抗感はありますね…ローカル再生のみならOriginの選択もアリです。
ハードウェア選定

Raspberry Pi 4 Model B 4GB
Audirvāna公式サイトによると、Core Playerのシステム要件は以下のようになっています。
・インテルまたはARM 64ビットプロセッサー
・Debian または RPM パッケージ
・1 GBのRAM(DSDアップサンプリング使用時は2GB推奨)
詳しいCPU性能の指定はないもののラズパイでも動きそうです。
1GB超のRAMを備えるラズパイは4か5で、メモリー再生や後述する電源断対策を考慮して4GBを選択。リニア電源で駆動したいので消費電流が少なめのラズパイ4としました。
Geekwormのファンレスメタルケースにセット。放熱用グリスは付属しません。

LattePanda IOTA
より演算性能の高いインテルCPU搭載SBCやミニPCを使ってみるのも面白いかも。
車載にあたっての注意事項
エンジンOFFでいきなり電源が切れる車載運用ではファイルシステム破損のリスクがあります。これはAudirvānaに限らずWindows/Mac/Linuxをベースにするものは基本的に同じで、例えばホームオーディオ用のプレーヤーでも中身はLinuxだったりするものが多く注意が必要です。メニューにシャットダウンの項目があるかどうかで見当がつきます。
今回はファイルシステムを読み込み専用に設定することで対策とします。ただし注意点があり後で解説します。
厳密にはこれだけでは不完全で、100%シャットダウンフリーにするにはOSを含めたシステム全体がRAM上で動作するlightMPDのようなアプローチを検討すべきですがこの対策だけでも十分効果があり、最悪壊れても以下の手順を繰り返せば済む位ならまぁ許容範囲かという判断です。(そのためのこのブログでもあります)
OSの選定
具体的なOSの指定はなくある程度自由度を持たせた要件となっており、OSまでカリカリにチューンしたgentooplayerやHQPlayer等とは異なる設計です。それでも音質的には余計なプロセスの少ないディストリビューションが望ましいだろうと考え最初にDietPiを使ったものの冒頭の理由により断念、ラズパイ公式OSであるRaspberry Pi OSにしました。
microSDカードは4GBもあれば十分で、SDHC規格内の32GB「以下」が無難です。書き込みにはラズパイ純正アプリの

Raspberry Pi Imager
を使用しました。Raspberry Pi OSなどをダウンロードから書き込みまでこれ一つで実行できるアプリで、バージョンは最新版の一つ前となるDebian12「Bookworm」を選択。Liteとつくのがデスクトップ(GUI)レスで、DietPiほどではないものの軽量版となります。
OSのインストール

こんな構成で設定してゆきます。
インストールの最初期段階は、ラズパイのHDMIポートにモニターやTV、USBポートにキーボードをつないだ「ローカルコンソール」で設定してゆくのが確実です。OSのインストールが終わったら、以降はPCからネットワーク越しに「リモートコンソール」を開いて設定できます。

適当なモニターがなければ、PCにUSB接続するHDMIキャプチャーボード(右上、2,000円くらいで購入可能)も使え、ここの画像もそれで取得しています。
書き込んだカードをラズパイにセット、ケーブル類を接続します。ラズパイ4の電源はUSB-C、HDMIはmicroタイプです。5V/3Aと消費電力も上がっていてラズパイ3用からいろいろ買い替えが必要でした。

起動すると最初にキーボードの設定画面になり、使っているものに合わせます。日本語キーボードあるあるで、設定が違うとパイプ文字「|」が入力できなかったりキーの表示通りにならず後でパスワードが通らない原因となります。

ユーザー名およびパスワードの設定。DietPiと異なりRaspberry Pi OSで管理者権限rootの使用は推奨されず、基本的にユーザーでの操作となります。Windowsの「管理者として実行」に相当するsudoコマンドを多用することになります。

再起動後、設定したユーザー名でログインし
$ sudo raspi-config
で設定画面に入ります。

raspi-configという設定画面です。

「5 Localization Options」でロケール(地域)とタイムゾーンを設定。今回は使いませんがWi-Fiを使う場合は「WLAN Country」の地域コードを「JP」にしないと電波法を逸脱する可能性があるので必ず設定します。

「3 Interface Options」ではSSHのみ有効、あとは無効にします。

「6 Advanced Options」では「Logging」を「Volatile」に設定。ログをRAMに記録することでSDカードへの書き込みを抑制します。
コマンドプロンプトに戻ったらcmdline.txtファイルを編集しIPv6を無効化しておきます。
$ sudo nano /boot/firmware/cmdline.txt
行の末尾に以下のパラメータを追加、保存して終了。
ipv6.disable=1
再起動、ローカルコンソールでの設定はここまでです。DietPiで追加が必要だったAvahi-daemonはデフォルトで含まれておりインストール不要でした。
$ sudo reboot now
ログイン画面にIPアドレスが表示されるので覚えておきます。
Audirvānaのインストール
Linux版のインストール手順は公式サイトには詳しく書かれておらず、「わかる人は使ってみてください」な感じ。ネットを漁ってみてもバリエーションがあり、極力OSを軽量に保てるようにしてみました。
USBポートにオーディオ機器を接続。
ネットワーク上のPCからリモートコンソールを開いて設定してゆきます。ローカルコンソールのまま設定を続けることも可能ですが、リモートならモニターもキーボードも片付けられる上、コピペが(このブログとかから)できるので便利です。

コンソール用アプリのPuTTYでラズパイのIPアドレスを指定し、接続タイプ「SSH」でコンソールを開きます。アドレスはローカルコンソールに表示されていたもので、スマホアプリのFingなどで調べることもできます。
PCのキーボードとモニターを使ってローカルコンソールと同じように操作できます。設定したユーザー名でログインしておきます。

PCで公式サイトからAudirvāna Studioのパッケージをダウンロード。
ラズパイ用はDebian/ARM64(aarc64)版です。
パッケージをラズパイに転送するには、PuTTYと同時にインストールされるPSFTPを使います。

使えるコマンドはhelpで表示されます。openで接続、putでアップロード。転送が終わったらexitで閉じます。
リモートコンソールからインストール。
$ sudo apt install -f ./audirvana-studio_X.X.X_arm64.deb
電源ONで自動起動するようサービスとして登録します。
$ sudo /opt/audirvana/studio/setAsService.sh enable
$ sudo reboot now
ラズパイはひとまずここまで。続いてスマホの準備に移ります。
Audirvāna Remoteのインストール
コントロール用アプリをスマホにインストールします。iOS版とAndroid版がそれぞれAppleとGoogleの公式ストアにあります(無料)。

起動すると、ネットワーク上のAudirvānaを探して表示します。

ライセンス条件の承諾の後サインインで利用可能となります。公式サイトでメールアドレスを登録すると送られてくる仮パスワードではサインインできず、メールのダウンロード用リンクからサイトに飛んでパスワードを更新しないと有効化されないので注意。有効化後30日間の無料お試し期間がスタートします。
(2025/11追記)
購入できるライセンスはAudirvānaのアカウントごとに1つのようです。コアプレーヤーを複数のデバイスにインストールすることは可能ですが、その場合リモートアプリで接続するデバイスが変わるたびサインインを求められ、それ以外のデバイスは切断されるようになっています。一方1台のコアプレーヤーにリモートアプリを複数接続することは可能で、これはなかなか便利です。

再生先としてUSBオーディオデバイスを指定。
ストリーミング再生

Audirvāna RemoteにQobuzのアカウント情報を設定するとあっけなく再生できました。他にTIDALなども対応していますが日本で正規に使えるのはQobuzだけです。
スマホのQobuzアプリやRoon ARCに比べるとちょっと重いですが使えなくはないかな。

面白そうな設定が多数あるのでポチポチと。
ラジオ再生

Qobuzが再生できるならネットラジオも再生できるはず・・・
リモートアプリの画面左下、メインメニューの「ラジオ」で再生できます。しかしデスクトップ版Audirvānaにはあるステーション追加のボタンがアプリに見当たりません。URLが頻繁に変わるNHKなどでは必須の機能で、案の定プリセットのNHKは再生できず。ダメじゃん・・・
バージョンアップで対応してくれるのを待ちます。
(2026/8追記)リモートアプリからもステーション追加ができるようになりました。ただし最新のNHK-FMのURLを登録してみても再生できず。
シャットダウン
電源を落とす前にシャットダウン処理が必要では車載運用は難しいので、後で対策します。
$ sudo shutdown -h now
長くなったのでひとまずここまで。残りのローカルファイル再生や車載については後編で。
(2025/11追記)後編はハードモードとイージーモードの2つ用意しました。おススメは簡単な方ですw
もちろん音質は良好でスマホのUSBから結構な音が出ていますが、高音質再生アプリのAudirvānaがQobuzに対応していたので導入してみました。
と、前回の「その1」と同じ始まりなのは、以下の理由により最初からやり直したからです。作業ブログは完成前に上げるものではありませんね・・・
【見直し1】OS変更
前回採用したDietPiのバージョンはDebian13「Trixie」ベースで、この版では後述するoverlayrootが動作せず。バグレポートが出ていたので一つ前のDebian12「Bookworm」を試しましたがこれもダメ。以前使った実績のあるバージョンはサポート終了で公式サイトから消えており、

Raspberry Pi OS
に変更しました。
【見直し2】有線LANに変更
最後までやって動作確認したところ家のWi-Fi(5GHz)では問題なかったものの、スマホのテザリングでは高レートのハイレゾ音源で安定再生ができず。混雑した2.4GHzのWi-Fiには荷が重いようです。といって屋外で5/6GHz帯のWi-Fiを使うには厳しい制限があり、安易に家庭用の機器を持ち出すと電波法違反となる可能性があります。
そこでラズパイをEthernet接続に変更しました。ラズパイ4BにはLAN端子があるのでケーブルをつなぐだけ。スマホ側の対応については後編で。
Audirvānaとは
オーディオグレードのPC用再生アプリでは老舗の一つといって良いと思います。名前はオーディオ+ニルヴァーナの造語。悟りの境地・涅槃(ねはん)とはまた大きく出たネーミングですなぁ・・・ん?
そもさん!煩悩と同義のオーディオに涅槃などありや?
PCオーディオの時代から高音質のファイル再生に特化したアプリでしたが、現在ではストリーミングやネットワーク再生にも対応する多機能プレーヤーへと進化しています。
昨年登場したLinux版は「Core Player」といい、Windows/Mac版Audirvānaとは大きく異なるもの。それ単体はGUIを持たずモニターやキーボードを繋がないヘッドレスで運用し、操作にはリモートアプリをインストールしたスマホやタブレットを使います。楽曲データはコアプレーヤーに持たせることも外部のNASから読み込むことも可能で、NASにインストールするバージョンもあります。
システム構成
ネットワークオーディオ機器の場合

USBオーディオ機器の場合

Audirvānaのフルシステムはこんな感じ。最小構成ならPC1台(またはコアプレーヤー+スマホ)まで縮退可能です。
車載するなら(普通しないと思いますが)ネットワークの構築がキモとなり、一般的にはモバイルルーターか、スマホのテザリングによるWi-Fiネットワークになるでしょう。データをどこに置くかもポイントか。
コアプレーヤーを車載するとして、以前に紹介したスマホのUSBを使うシステムと比べると、USBオーディオ機器につながるコアプレーヤーを使えるのはリモートアプリのみとなります。
ローカル音源・Qobuz・ネットラジオはAudirvānaで聴けるので大方のユースケースはカバーしていると言えますが、RadikoやSoundCloudなどが使えなくなるのはちょっと残念です。CarPlay / Android Auto対応も当然ありません。
Roonとの比較
PC1台でも分散環境でも運用可能、ストリーミング対応などRoonとは共通項が多いことがわかります。大きな違いは出力部分で、
| Audirvāna | Roon |
| LAN(UPnP / Chromecast) USB | LAN(RAAT / AirPlay / Chromecast / Squeezebox) USB 公衆回線(Roon ARC) |
ネットワークオーディオ機器への主力の対応方式がUPnP(DLNA)対独自プロトコルとなっている点が目立ちます。Roonの対応ハードも今や十分増えたので普及度では互角、音質ではRoon Labs.曰くRAATが有利との事ですが具体的な説明がないので何とも。
Roon ARCのようなモバイル機能はAudirvānaには無く、ここも有意差あり。
Qobuzの再生はAudirvānaによるネイティブ対応で、Qobuzアプリを使うQobuz Connectではない点はRoonと同じ。
ということで、出力機器がUSB-DACの場合は両者よく似たシステムになります。
Audirvānaのプラン

オーディオ再生アプリにもサブスクの波が押し寄せており、月または年払いのStudioと買い切りのOriginの2つのプランがあります。ストリーミングに対応するのはStudioのみで、対応といってもQobuzのライセンスが含まれている訳でもないので抵抗感はありますね…ローカル再生のみならOriginの選択もアリです。
ハードウェア選定

Raspberry Pi 4 Model B 4GB
Audirvāna公式サイトによると、Core Playerのシステム要件は以下のようになっています。
・インテルまたはARM 64ビットプロセッサー
・Debian または RPM パッケージ
・1 GBのRAM(DSDアップサンプリング使用時は2GB推奨)
詳しいCPU性能の指定はないもののラズパイでも動きそうです。
1GB超のRAMを備えるラズパイは4か5で、メモリー再生や後述する電源断対策を考慮して4GBを選択。リニア電源で駆動したいので消費電流が少なめのラズパイ4としました。
Geekwormのファンレスメタルケースにセット。放熱用グリスは付属しません。

LattePanda IOTA
より演算性能の高いインテルCPU搭載SBCやミニPCを使ってみるのも面白いかも。
車載にあたっての注意事項
エンジンOFFでいきなり電源が切れる車載運用ではファイルシステム破損のリスクがあります。これはAudirvānaに限らずWindows/Mac/Linuxをベースにするものは基本的に同じで、例えばホームオーディオ用のプレーヤーでも中身はLinuxだったりするものが多く注意が必要です。メニューにシャットダウンの項目があるかどうかで見当がつきます。
今回はファイルシステムを読み込み専用に設定することで対策とします。ただし注意点があり後で解説します。
厳密にはこれだけでは不完全で、100%シャットダウンフリーにするにはOSを含めたシステム全体がRAM上で動作するlightMPDのようなアプローチを検討すべきですがこの対策だけでも十分効果があり、最悪壊れても以下の手順を繰り返せば済む位ならまぁ許容範囲かという判断です。(そのためのこのブログでもあります)
OSの選定
具体的なOSの指定はなくある程度自由度を持たせた要件となっており、OSまでカリカリにチューンしたgentooplayerやHQPlayer等とは異なる設計です。それでも音質的には余計なプロセスの少ないディストリビューションが望ましいだろうと考え最初にDietPiを使ったものの冒頭の理由により断念、ラズパイ公式OSであるRaspberry Pi OSにしました。
microSDカードは4GBもあれば十分で、SDHC規格内の32GB「以下」が無難です。書き込みにはラズパイ純正アプリの

Raspberry Pi Imager
を使用しました。Raspberry Pi OSなどをダウンロードから書き込みまでこれ一つで実行できるアプリで、バージョンは最新版の一つ前となるDebian12「Bookworm」を選択。Liteとつくのがデスクトップ(GUI)レスで、DietPiほどではないものの軽量版となります。
OSのインストール

こんな構成で設定してゆきます。
インストールの最初期段階は、ラズパイのHDMIポートにモニターやTV、USBポートにキーボードをつないだ「ローカルコンソール」で設定してゆくのが確実です。OSのインストールが終わったら、以降はPCからネットワーク越しに「リモートコンソール」を開いて設定できます。

適当なモニターがなければ、PCにUSB接続するHDMIキャプチャーボード(右上、2,000円くらいで購入可能)も使え、ここの画像もそれで取得しています。
書き込んだカードをラズパイにセット、ケーブル類を接続します。ラズパイ4の電源はUSB-C、HDMIはmicroタイプです。5V/3Aと消費電力も上がっていてラズパイ3用からいろいろ買い替えが必要でした。

起動すると最初にキーボードの設定画面になり、使っているものに合わせます。日本語キーボードあるあるで、設定が違うとパイプ文字「|」が入力できなかったりキーの表示通りにならず後でパスワードが通らない原因となります。

ユーザー名およびパスワードの設定。DietPiと異なりRaspberry Pi OSで管理者権限rootの使用は推奨されず、基本的にユーザーでの操作となります。Windowsの「管理者として実行」に相当するsudoコマンドを多用することになります。

再起動後、設定したユーザー名でログインし
$ sudo raspi-config
で設定画面に入ります。

raspi-configという設定画面です。

「5 Localization Options」でロケール(地域)とタイムゾーンを設定。今回は使いませんがWi-Fiを使う場合は「WLAN Country」の地域コードを「JP」にしないと電波法を逸脱する可能性があるので必ず設定します。

「3 Interface Options」ではSSHのみ有効、あとは無効にします。

「6 Advanced Options」では「Logging」を「Volatile」に設定。ログをRAMに記録することでSDカードへの書き込みを抑制します。
コマンドプロンプトに戻ったらcmdline.txtファイルを編集しIPv6を無効化しておきます。
$ sudo nano /boot/firmware/cmdline.txt
行の末尾に以下のパラメータを追加、保存して終了。
ipv6.disable=1
再起動、ローカルコンソールでの設定はここまでです。DietPiで追加が必要だったAvahi-daemonはデフォルトで含まれておりインストール不要でした。
$ sudo reboot now
ログイン画面にIPアドレスが表示されるので覚えておきます。
Audirvānaのインストール
Linux版のインストール手順は公式サイトには詳しく書かれておらず、「わかる人は使ってみてください」な感じ。ネットを漁ってみてもバリエーションがあり、極力OSを軽量に保てるようにしてみました。
USBポートにオーディオ機器を接続。
ネットワーク上のPCからリモートコンソールを開いて設定してゆきます。ローカルコンソールのまま設定を続けることも可能ですが、リモートならモニターもキーボードも片付けられる上、コピペが(このブログとかから)できるので便利です。

コンソール用アプリのPuTTYでラズパイのIPアドレスを指定し、接続タイプ「SSH」でコンソールを開きます。アドレスはローカルコンソールに表示されていたもので、スマホアプリのFingなどで調べることもできます。
PCのキーボードとモニターを使ってローカルコンソールと同じように操作できます。設定したユーザー名でログインしておきます。

PCで公式サイトからAudirvāna Studioのパッケージをダウンロード。
ラズパイ用はDebian/ARM64(aarc64)版です。
パッケージをラズパイに転送するには、PuTTYと同時にインストールされるPSFTPを使います。

使えるコマンドはhelpで表示されます。openで接続、putでアップロード。転送が終わったらexitで閉じます。
リモートコンソールからインストール。
$ sudo apt install -f ./audirvana-studio_X.X.X_arm64.deb
電源ONで自動起動するようサービスとして登録します。
$ sudo /opt/audirvana/studio/setAsService.sh enable
$ sudo reboot now
ラズパイはひとまずここまで。続いてスマホの準備に移ります。
Audirvāna Remoteのインストール
コントロール用アプリをスマホにインストールします。iOS版とAndroid版がそれぞれAppleとGoogleの公式ストアにあります(無料)。

起動すると、ネットワーク上のAudirvānaを探して表示します。

ライセンス条件の承諾の後サインインで利用可能となります。公式サイトでメールアドレスを登録すると送られてくる仮パスワードではサインインできず、メールのダウンロード用リンクからサイトに飛んでパスワードを更新しないと有効化されないので注意。有効化後30日間の無料お試し期間がスタートします。
(2025/11追記)
購入できるライセンスはAudirvānaのアカウントごとに1つのようです。コアプレーヤーを複数のデバイスにインストールすることは可能ですが、その場合リモートアプリで接続するデバイスが変わるたびサインインを求められ、それ以外のデバイスは切断されるようになっています。一方1台のコアプレーヤーにリモートアプリを複数接続することは可能で、これはなかなか便利です。

再生先としてUSBオーディオデバイスを指定。
ストリーミング再生

Audirvāna RemoteにQobuzのアカウント情報を設定するとあっけなく再生できました。他にTIDALなども対応していますが日本で正規に使えるのはQobuzだけです。
スマホのQobuzアプリやRoon ARCに比べるとちょっと重いですが使えなくはないかな。

面白そうな設定が多数あるのでポチポチと。
ラジオ再生

Qobuzが再生できるならネットラジオも再生できるはず・・・
リモートアプリの画面左下、メインメニューの「ラジオ」で再生できます。しかしデスクトップ版Audirvānaにはあるステーション追加のボタンがアプリに見当たりません。URLが頻繁に変わるNHKなどでは必須の機能で、案の定プリセットのNHKは再生できず。ダメじゃん・・・
バージョンアップで対応してくれるのを待ちます。
(2026/8追記)リモートアプリからもステーション追加ができるようになりました。ただし最新のNHK-FMのURLを登録してみても再生できず。
シャットダウン
電源を落とす前にシャットダウン処理が必要では車載運用は難しいので、後で対策します。
$ sudo shutdown -h now
長くなったのでひとまずここまで。残りのローカルファイル再生や車載については後編で。
(2025/11追記)後編はハードモードとイージーモードの2つ用意しました。おススメは簡単な方ですw
関連情報URL : https://audirvana.com/ja/
Posted at 2025/10/20 22:32:49
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