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2022/03/11

インチアップとインチダウンについて ~その5 ホイール解説~

インチアップ、インチダウン。
どちらにするとしても、まずはホイールの選択からとなります。

まずは、標準のホイールサイズを調べることから始めます。


カローラフィールダーを例に取れば純正標準ホイールサイズは「5J+39 PCD100 4穴」です。

5J +39 PCD100 4穴
①  ②   ③   ④

インチアップ・インチダウン関係なくホイールを交換する際は、まず始めに車の正面から見て考えます。


①リム幅 
5Jはリム幅5インチでJ型フランジという意味。フランジはホイールとタイヤが接する面で主に「J」「JJ」があります。

1インチ=25.4mm

リム幅5J=5インチ×25.4mm=127mm  127mmの幅となります。

これにフランジ幅を足します。「J」「JJ」とも、幅は片側13mm、両側で26mm。

つまり、5Jホイールの幅は127mm+26mm=153mmとなります。

ホイール幅は「リム幅」+「フランジ幅」となります。


②インセット(昔はオフセットと言いました)
ホイール幅の中心からどのくらいズレてホイールとハブが取り付けてあるかという数値。

1)ゼロセット
ホイール幅のど真ん中で取り付け。5Jなら153mm÷2=76.5mm 76.5mmで取り付け。

2)インセット
ホイール幅の中心から外側に取り付け。+39なら中心の76.5mmより外側へ+39mmずらして取り付けてある。つまり、ホイール外側から見て37.5mmの位置で取り付けてあります。
ゼロセットから見れば、ホイールはボディ内面に入ります。だから「インセット」。

3)アウトセット
ホイール幅の中心から内側に取り付け。
ゼロセットから見れば、ホイールはボディ外面に出ます。だから「アウトセット」。


インセットは図で見てもなかなか理解しにくいです。これは、同径のホイールで比較すると分かりやすいです。


例1)リム幅は変更せず、標準5J+39から5J+45にインセットを変更する。
取り付け位置のみ変更した場合です。
5J+39は中心から+39mm外側に取り付けてあります。ホイール外側からみて37.5mmの位置。
5J+45は中心から+45mm外側に取り付け。ホイール外側からみて31.5mmの位置。

つまり、リム幅が同一の場合は「+45」の方が「+39」よりもホイールは「外側が6mm引っ込む」「内側は6mm増える」ということになります。


例2)5J+39からリム幅を5.5J+39に変更する。
リム幅を広げてみます。インセットは同一の+39とします。

5Jのリム幅  127mm + フランジ幅  26mm = 153mm。
5.5Jのリム幅  139.7mm + フランジ幅  26mm =165.7mm

ホイール全幅の差は165.7-153=12.7mm

つまり、取り付け位置から5.5Jの方が5Jよりも12.7÷2=6.35mm内外に出ていることとなります。

インセットを変更せず、リム幅のみ広げる場合はその差を見ればよいわけです。


例3)5J+39から5.5J+45にリム幅とインセットを変更する。
①インセット差
例1)から、インセット+39に較べて+45の方が内側に6mm引っ込みます。
②リム幅の差
例2)から、5.5Jの方が幅が広いため5Jに較べて6.35mm内外に出ます。

結果】
5J+39から5.5J+45に変更する。
①②から、
・ホイール外側は「6.35-6=0.35mm」となり、0.35mm外側に出る。
・ホイール内側は「6.35+6mm=12.35mm」となり、12.35mm内側に出る。

理屈はこういうことなんです。

計算が面倒なので、ホイールインセット計算ツールがWeb上にあるので、そこに数値を入れれば簡単に計算してくれます。


③PCD
ホイールを止めているナット(ボルト)の間隔です。国産車は現在はPCD100が主流、欧州車はPCD108が主流です。


④ボルト・ナット数
4・5穴が多いです。が、シトロエン2CVは3穴です。
国産車はナットが多く、外国車はボルトで止めることが多いです。
70年代などの昔はボルト・ナットでのメリット・デメリットありました。加工精度が上がった現在ではどちらも変わりないと言われています。


インチアップ・インチダウンは、まずは車を正面から見たリム幅とインセットで純正と比較する必要があります。
これが決まれば、あとはホイールサイズをインチアップするかインチダウンするかとなります


【おまけ】なぜ、ホイールやタイヤはインチとミリが混在しているのか?

1940年頃、メートル法が制定されていたフランスで、タイヤのサイズをミリメートルで統一しました。当然、タイヤもミリメートルで表記していました。しかし、インチをミリに換算すると中途半端な数字になるのでわかりづらいため、内径のみすぐにインチに戻されました。他国のメーカーもこの表記にならい、結果、現在もミリメートルとインチの表記が混在したままとなっています。

そう、このフランスのタイヤメーカーと言えば「ミシュラン」。当時(今も)、ミシュランのシェアは世界1位のため、2位以下はすべてミシュランの表記に合わせたんです。その方がお客さんが理解しやすいためです。そして、現在もこの状況が続いています。

っぱり原因はフランスだったか~・・・。
Posted at 2022/03/11 02:35:16

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