まとめ記事(コンテンツ)

2024/05/17

静電気とアースベルト


またその手のネタかよ(本当はオカルト好きなんじゃないの?)と言われそうですが・・・

昭和の時代を知っている方(50代~)なら、グリルに付ける正月飾りと並んで、アースチェーン(orアースベルト)を覚えている方も多いと思います。

2018年の乗りものニュースの記事によれば、カーメイトでも、かつてはマグネットで取り付けるタイプのアースチェーンを、その後はアースベルトを製造販売していたものの、10年以上前に廃盤になったそうです。ロングセラー商品の一つだったそうですが、あるとき効果の根拠を見直した結果、販売停止を決めたとのこと。

担当者いわく、「タイヤのなかにスチールが組み込まれた時点、これはもう大昔のことですが、この段階でもう意味がなかったのではないか、という話もあります」だそうで。

普通はタイヤと言えばゴム、ゴムといえば絶縁体と考えがちですが、ブリヂストンによると、実はタイヤゴムの主成分であるカーボンブラックが導体であるうえ、ラジアルタイヤではスチール(ベルト)も内蔵されているので、本来はタイヤが接地しているだけで放電されている、つまりがタイヤがアースになっているそうです(そういえば、昔のアースベルトも黒いゴム製だった)



ただし、昨今のシリカを多く配合したタイヤだと導電性が低くなることから、わざわざ「導電スリット」と呼ばれる導電性の高いゴムを配して、静電気の逃げ道を作っている(画像は同記事より引用。これはブリヂストンの特許らしいが、他社でも似たようなものを採用している)

なお、導電スリットが開発された背景は、自動車メーカーから「ラジオに原因不明の雑音が乗る」という相談が持ち込まれた事が発端だったそう。


【ここからは専門的な話】

ヨコハマタイヤによれば、鉄(純鉄)の抵抗を1とすると、一般的なタイヤは10^6、エコタイヤ(シリカ配合タイヤ)は10^16だそうです。

ということは、鉄の10μΩ・cm(μΩは10-6Ω)に対し、通常のタイヤは10Ω・cmで静電気に対しアースの役目を果たします。
一方、エコタイヤは10GΩ・cm(10GΩ=10^10Ω)なので、導電スリットがないと静電気に対しアースの役目を果たせません(※1)

参考までに、抵抗率が100KΩ・cm(10^5Ω、人の皮膚)でも、静電気を一瞬で逃がすことが可能なのは、皆さんも経験上ご存じかと。

なお、乾いたアスファルトだと抵抗は100MΩ・cmぐらいと言われますが、実際にはそのぐらいの抵抗値でも静電気を一瞬で逃がしますので、ビリッと来るのが嫌ならドアノブに触る前に道路に触れれば、静電気は逃げます(※2)


注釈
(※1)
一般的な絶縁体の電気抵抗率は、10GΩ・cm=10^10Ω・cmよりも高いものが多く、多くは10^12Ω・cm~10^18 Ω・cmに分布している。

(※2)
静電気の対地容量を100pFとすると、 τ(ミリ秒)=C(μF)*R(kΩ)より、放電時間は次の通り。
100pF*100MΩ=0.01秒
なお、道路に触れる事による衛生上の問題は別なので、オススメはしません。

Posted at 2024/05/18 10:09:01

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